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四月セミナー“中丹田”感想

 四月セミナーは“中丹田”の開発と活用についてをテーマにしましたが、ここ何年か、わざとゆっくり動くようにしていたので、私が「スピードが遅いのが弱点」だと思い込む人が会員にもいる様子でしたので、久しぶりにハイスピード拳法・通背拳をアレンジした鞭手連環打法と、第二段階蛟龍歩を使ってみました。

 私はスピードには相当、自信があります。

 ボクシングやっていた人から「長野先生みたいに速い人は見たことない」と言われたことがあります。

 先日も、練習後にファミレスで武術の動画をスマホを見ていた会員間で、「この先生、スピードが凄いですね~っ?」と盛り上がっていた時、北島師範だけが、「長野先生の方が全然、速いですよ」と、ぼそっと言っていました。

 彼は10年以上も私の技を受けているので、私がフルスピード出したら、どれだけ速いのか?を知ってる訳です。

 ここ数年は、ほとんど本気のスピード出して動いたことありませんから、ここ数年で入った会員、つまり、現在の会員の大多数が、私がそんなにスピードが出せることを知らない訳です。

 簡単に言えば、普段はわざとゆっくり動くようにして隠しているんですね。弟子にさえ見せない。

 いわゆる“奥の手”というヤツです。

 ただし、普段はやらない理由がもう三点あります。

1,フルスピード出すと、加速度がつき過ぎて打拳を止められなくなってしまうので相手に怪我をさせてしまう。

2,下丹田と中丹田を併用して動くのでメッチャ疲れるので、数秒しかできない。

3,教える時に、速く動いていると何やっているのか全然判別できないので、会員や受講生が困る。

・・・という次第です。

 また、上丹田を開発していくと読みの能力が上がるので、相手が動き出す寸前を抑えることができるようになる。

 従って、わざわざハイスピードで動く必要がない・・・という理由もありますが。

 けれども、前日に大阪支部長から電話があってセミナー前に剣術を教えて欲しいということだったんですが、その時にいろいろ話していて、「俺は動きが速いと言われる先生方を大勢見たけれども、ちっとも速いとは思わなかった。なぜなら、目に見える速度だから。俺の習ったある先生は本気で動くと手と足が消えて見えなくなっていた。だから、速いな~と感じるくらいの速度は目に見えている訳だから、大した速度じゃないよ。本当に速いと言えるのは目に映らないくらいだろうし、俺が目指しているのも、そんな超神速の速度だよ」と大見栄を切ってしまったので、これはちょっと見せなきゃいかんな~?と思った次第。

 そんな訳で、この日は久々に、70~80%くらいのスピードを出してみました。

 これは、一挙動で最低5~6発連打しますが、意味なく速く打ってるんじゃなく、一発目で相手の前手に拍掌で牽制をかけて意識を集中させつつ崩しをかけ、虚の状態になった顔面、後頭部、脇下などに背掌、前腕、肘、一本拳(竜頭拳or透骨拳)を流れるように打ち込んでいく戦法です。

 また、当然ながら間合が詰まっていきますから、暗腿で崩しをかけていったりします。

 寸止めできるスピードだと、このくらいが限度ですが、もし、100パーでこの連環打法を遣えば、相手に大怪我以上のダメージを与えることになってしまいますね?

 100パーだと実際に当てないと止まらないし、当てることを前提だから振り切って打てる訳です。

 が、そのスピードで連打すると加速度がつき過ぎて、相手に大怪我させてしまいかねませんから、少しスピードを犠牲にしないとコントロールして寸止めできないんですよ。

 もう一つの弱点は、スピードばかり出そうとすると一発一発の威力が減殺されてしまうんですね。受講生の中には単なるペチペチパンチになってしまっている人もいましたが、スピードを重さに変えるように、打つ一発一発が当たる瞬間に意識を乗せて打撃を重くする心法も必要です。

 もちろん、慣れたら考えなくてもそうなりますが・・・。

 ちなみに、この連環打法に蛟龍歩を組み合わせると、戦術的に相当、面白くなります。

 蛟龍歩を使うと視界から出たり入ったりするので、受ける側は感覚的に余計に速く感じてしまう訳ですね。

 実際、目の前でやられると、もう全然、目で追えません。それで、「相手が動いたと思った次の瞬間にはめった打ちにされていた」となる訳です。

 今回、私は栗原師範の技を受けてみたんですが、これで攻撃されたら防戦一方になってしまいますね?

 最近、確実に速くなっているんですが、栗原師範は還暦超えたそうなんです。それでこのスピードで動くというのは化け物染みていますよ! 

 これは後の先や対の先では対処できないでしょう。

 となれば、動き出す前の先の先で制するしか対処法がありません。

 フルスピードではありませんが、若手会員からは「うわっ、長野先生、速過ぎて見えないですよ~っ!」と、結構、ビックリしてくれたので、ちょっとドヤ顔しちゃいました。

 大阪支部長も大喜びして熱心に質問してきたので、具体的なコツをその場で指導したら、“何とっ!”その場でかなりコツを掴んでしまい、おまけに自分がやってきた流儀の技と組み合わせて応用技まで開発していましたよ!

 彼は本当に伸びるのが凄く速いですよ。セミナー後のファミレスでも教えたことをノートに図解で書いたり疑問点をいろいろ質問してきていましたからね。

 大阪支部の稽古会に参加した人が絶賛していたのも、彼が理論派だからでしょうね。

“中丹田”というテーマは中途半端な感じで興味を持たなかった人が多かったのか、参加者は少なかったんですが、武術の戦闘理論という点では非常に満足度が高かったと思います。

 八斬刀(詠春拳の武器)の遣い方も質問されたのでやったし・・・。

 では、具体的な練習する時のコツは何か?と言いますと・・・

 スピードを速くするコツは、関節を緩めて筋肉は脱力させること。肩甲骨から先をほうり出すように射出するのがコツです。

 ということは、つまり、化勁の身体操法と同じなんですよね~。

 すべてが脱力体によって実現できる訳です!

 私が常日頃から、「脱力が大切だ」と口を酸っぱくして言う理由が、武道や格闘技をガシガシやってきた人ほど、筋肉が力みまくっていて武術の技が吸収できないからなんですよ。

 とにかく、「筋肉が力を生み出す」という概念を捨ててください!

 ほぼ大多数の空手家が言う「必要な筋肉には力を入れなくてはならない」という考えでは、実際には“無意識に不必要な筋肉にまで力が入ってしまう”のです。

 徹底的に筋肉に力を込めない! 筋肉は敵だ!というくらいの気持ちが重要です!

 筋肉の収縮が力を生み出すという考えを捨てない限り、重心力を駆使することはできません!

 体格・年齢・体力・性別の差を覆すには重心力を駆使できるようになるしかないと私は断言しておきたいと思います。

「本当に脱力したら立っておれないではないか?」と疑問を呈する方もおられますが、それでこそ理想なんですよ!

 考えてみてください。筋肉だけで立てますか? 立つというのは骨格があるから立てるんですよ。タコやイカが直立して歩かないでしょう? 動きを先導するのは骨です。

 だから、游心流では骨盤主導なんですよ!

 合気の達人が死の寸前に弟子に腕を握らせて吹っ飛ばしてみせたという逸話を検討すれば、武術の技の威力が筋肉の収縮力によるものでないことは明らかでしょう? 

 私も、泥酔して倒れる寸前の状態で某拳法修行者と手合わせしてみましたが、見ていた会員からは「いつもより技がキレてました」と言われましたからね~?

 とにかく、武術の極意とは“脱力”! これに尽きます!

 では、何のために脱力するのか?

 それは“重心力を目一杯駆使するため”です!

 筋力では到底、納得できないような異常な威力も重心力だからこそ発揮されるのです!

 最新作DVDでは、複数の相手に抑えられているのを脱力して骨盤からブルンッと回転するだけで振り払ってしまう合気風の応用技もやっていますが、こんなの筋力ではほとんどできませんよ。

 化勁の凄さは圧倒的なパワーの差を無意味にしてしまえる点にあります!

 それは、相手の力に力で対抗する理論を捨てて、発想を転換したから可能になったのですよ。自分自身の力ではなく、万物に働いている“重力”を利用するのです!

 大体、どんなに鍛えても肉体は年々衰えるんですよ。

 しかし、重心力は衰えません。技巧的に熟練すればむしろどんどん向上させられます。

 これはスポーツの概念とは反対なので、スポーツに熱心な人ほど信じられないと思います。

 けれども、極めて力学的な問題なんですよ。少しも神秘的なものではありません。

 少なくとも私がやっていることはそうです。

 教えれば誰でも会得できます! その場で!

 今月は4/30(日)にも西荻窪ほびっと村学校講座をやりますが、是非、実感してもらいたいですね?

 人間は、「あっ、こういうことなのか?」と自覚しただけで、それこそ一瞬でガラッと変われるんですよ。

 達人も凡人も人であることは変わらないんですよ。

 どこが違うのか?というのは、理を掴んだかそうでないかの差だけです。

 延々と修行しても理が掴めない人は達人になれないし、逆に何の修行もしていない人でも理を掴んだ瞬間に達人になってしまうのです!

 だから、武術って面白いな~?と、つくづく思いますよ。

 実は苦しい修行とか鍛練とかとは別の次元で理合に気づいた人が、一瞬で達人になってしまえるからです。

 金庸先生の武侠小説の主人公は偶然、秘伝を伝授されて無敵の達人になってしまったりするんですが、事実、そういうことがあるんですよ。武術って・・・。

 逆に、理合を考えないでいくら努力したって無駄なんですよ。それが真実!

 しかし、「苦しい修行を長年ひたすら耐えて続けることで達人になれるものなんだ」って、皆、信じ込んでますけど、これ、間違いです。

 ただの“思い込み”、あるいは自分の無能をごまかすための“希望的観測”でしかありません。

 長年、頑張って修行してきている人ほど、自己のアイデンティティーとして否定したくないから、“思い込み”を“信念”と言い換え、そのうち“真実”なんだと錯覚してしまうのです。

“必死で頑張っている俺”というナルチシズムに耽溺しているだけで、まったく客観的事実を見ようとしていないのです。

 はっきり言って、単なる思考停止です。思考停止からは何の進歩も望めません。

 具体例でいうなら、「型を延々と繰り返すことで技は自然に体得できる」と思い込んでいる人が多いですが、戦闘理論を考えないで型だけ繰り返していても、何年やろうが自然体得なんかできません。

 型は徹底的に分析することで無尽蔵の武術の理論と知恵を教えてくれますが、分析するには理論がある訳です。

 これは、今度のほびっと村の講座で解説しましょうかね?

追伸;最新DVD『化勁の極意』絶賛発売中! 脱力体こそがS級達人への道! 自分は弱いと劣等感を持っている人こそ、これを買ってください!

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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