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零勁斬りと見えない打撃

 15日(土)は、大阪在住の会員さんが個人指導を希望してこられたので、小塚師範も交えていろいろと雑談しながら指導しました。

ブログで書かれていた、目で見えないような速さの打撃というのを見せてもらえませんか?」とのことだったので、細かく解説しながら実演してみましたが、「長野先生、本当に全然、見えなかったですよ?」とビックリされた様子で、このくらい驚いてくれると、こっちも教えていて気分がいいですよね?

 相手の構えを打ち崩しながらババババッと鞭手を連発してみせて、「大体、今ので70%くらいの速度です。今は四発打ちましたけど、実際は掌打から背掌、前腕、肘打ち、一本拳に変化させながら最低でも5~6発は打ちます」と、やり方を説明しました。

 まあ、経験の無い人から誉められても大して嬉しくはないんですけど、並み以上の経験者が誉めてくれると嬉しいですよね?

兵庫支部長のキシさんが上手いから習うといいですよ」と言っておきました。

 フルコンタクト空手や何やら、いろいろ修行されていて某流儀では指導員をされているのだそうですが、やはり、御多分に漏れず緊張して力む癖があったらしいですね?

 私の経験上で言えば、武道経験者のほぼ100%が、力む癖があります。

 本当に脱力ができている人はプロのダンサーとか、ほんの数えるほどしかいませんでしたね。

 やっぱり、戦うとなると無意識に緊張してガッチガチになってしまいます。よほど精神的に余裕がないと戦う時に脱力するなんてできないんですよ。

 ダンサー系の人がすぐ脱力できるのは戦闘の怖さを知らないから・・・という要素が大きいでしょうね?

 しかし、本当に達人とか名人と呼ばれるくらいの優れた武術家だったら、実戦に際しても脱力できる筈です。

 プロの格闘家でも熟練者はリラックスして余計な力みがありません。伸びのあるしなやかなパンチやキックで相手をKOするシーンとか見ると、「あれっ? あんなので倒れるの?」と疑問に感じた経験のある人も多いんじゃないでしょうか?

 見た目に強そうなのと、実際に効くのは別なんですよ。チョコンと突いて相手がバタンキューとなるのは、重心力打撃の特徴で、打った本人も力感が無いので「え~っ? 嘘でしょ?」と信じられなかったりするんです。

 私も、20代半ばの頃、初めて寸勁を体得した時、ポンッと打ったら、サンドバッグがドバ~ンッ!と跳ね上がったのでビックラこいたものでした。

 以来、30年近くなりますが、本人は体得しているのに自覚がないという人が何人もいて、最近は、「サンドバッグ打ってみなさい」と打たせて、どのくらい威力が出ているのか確認してもらって納得してもらうようにしています。

 いちいちキックミット持って、打たせていたのでは受けた会員に後遺症が出たりしかねませんからね。

 実際、北島師範小塚師範は、後から後遺症があったと報告してくれましたが、威力が後ろに抜けるように打っても、体内に残ってしまったりするんですね。

 最近は会員には「サンドバッグ打ってどのくらい威力が出ているか確認すればいいよ」とお勧めしています。

 で、0インチパンチは力んでいたらまったく打てませんからね。伸筋繋げて打つことはできますが、前腕、肘、肩、背中、腹なんかで打つには、重心移動の力が必要です。

 うちの戦闘理論は、0インチ打撃ができないと絵に描いた餅になって「あんなのオカルトオタクのタワ言だ!」と最強格闘マニアから馬鹿にされてしまいますからね。

 逆に、力み癖が取り除けさえすれば、瞬間に技能がガラッと変わって向上します。

 この日もサンドバッグ打って確認してもらったんですが、触れたところからバシーンッとサンドバッグが弾けることで、あ~、こんなに威力が出ているんだ・・・と納得してもらえた様子でした。

 この確認作業が、なかなか難しかったのですが、サンドバッグを置く以前は、最も良いのが“寸勁斬り”であると思って、実施するようになったのですね?

 これは正確に力の方向がブレずに、真っすぐ通らないと成功できませんから、確認のために良いのです。

 力が足りなかったり方向がずれたりすると切断できませんからね。

 この日も寸勁斬りを教えてくれということだったので、マキワラを準備しておきましたが、最初は失敗したものの、結果的には二回成功したので、游心流二段を認定しました。

 この辺は経験者だからこそ、脱力のコツを飲み込むのが早かったですね。

 小塚師範は零勁斬りに挑戦し、最初は八割りくらい斬れていたので再挑戦。マキワラの斬る位置を低く指定してやってもらったら、あっさり斬れました!

 私が散々、苦心してやっとできるようになった技を、いとも簡単に体得してしまったので、あんまり嬉しくないな~?と、ちょっと拗ねちゃいましたよ~(苦笑)。

 恐らく、北島師範もやらせればすぐに体得できるでしょう。先日の寸勁斬りは、限りなく零勁斬りに近かったので・・・。

 しかし、一度できてしまうと、難しいと思っていた技も当たり前にできるようになるもので、一つの段階にいつまでも拘っていてはいけないというお達しかな?と思います。

 この日は、高い交通費を使って遠くから、わざわざ来てくれたので、なるべく多く教えたいと思って、質問にどんどん答えるようにしていたんですが、頭がパンパンになってしまったそうで、一通り実演解説して終了しました。

 関西の人は本音を素直に話してシャレっ気もあるので、私は大好きですね~! どうも、関東の人は本音を隠して調子を合わせるだけの人が多くて、信用できない人がいます。

 これはますます、大阪でセミナーやらないといけないな~?と思いました。


 翌日の日曜稽古会は、久々に鹿沼公園で花見しながら桜の樹の下で練習しました!

 桜の花びらが舞い散る中で、鞭手連環打法を細かく解説しながら練習させました。

 とにかく、見えない打撃というのは、「物理的に単純に速くて見えない」というのと、「予備動作がなく無駄な動きがないので見えにくい」というのと、「相手の視界から外れているので見えない」、「視覚には映っているのに意識に反応しないので結果的に見えていない」というくらいの種類があります。

 武術では、これらの要素を複合的に用いて、敵(相手)に反応させないまま、こちらの攻撃を命中させることを求めます。

 強いとか弱いとかという基準で判断できない理由が、この辺りにある訳です。

 
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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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