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ほびっと村感想

 四月三十日の西荻窪ほびっと村学校は、奇しくも川越から女性会員のUさんと、『武術のコツ』収録DVDに参加してくれたSさんが久々に来られて、楽しく催せました。

 今年のほびっと村の講座は、游心流合気道に絞ってやっているので、基礎錬体の後は合気揚げをやることにしているんですが、もちろん、私が普通にやらせる道理もなく、合気揚げの中に0インチ打撃の要素を加えてみたり、擒拿(チンナ)術の要素を入れたり、いろいろ実験しています。

 合気揚げ一つとっても、逆技の応用・伸筋技法・脱力技法と大まかに分けても三種類くらいに大別できますし、これに各団体の特徴的な要素を加えて分類していけば何十種類にもやり方が変わります。

 つまり、教える人の個性が加わって変化していくので、たとえ同じ先生に習った者同士であっても、年月が加われば変わっていくのが当然のことだからです。

 そして、武術的に言えば、“効けば何でもいい”のであって、“厳格なる正解”というものは原理的に存在し得ないのです。

 もちろん、“技術論としての正解”は各流儀各団体に規定されている訳ですが、技術として正しくとも武術の勝負論からすれば実際に通用しない技術は無価値になる訳です。

 つまり、武術の存在理由である戦闘術として通用しない技術は、いかに精妙であっても絵に描いた餅になってしまうということです。

 今回、興味深かったのは、Sさんがユーチューブで見たというある武術家?が実演している不思議チックな合気技?の原理解析を実施したことでしたが、後ろから両肩を握られているのを吹っ飛ばすのか?と、肩で体の合気をやっている動画だったのか?と思ったところ、そうではなくて、後ろから肩をスルッと摩るようにすると相手が尻餅をついてしまうというものだった様子です。

「ええっ? それって、もしかして、こういうこと?」と実演して見せたら、「それです!」とのことでしたが、これって、軸を傾けて(僅かに後ろに引いて)、下に落とす(合成力)という、技というより単なるコツでしかなかったので、私は呆れてしまいました。

 ちょうど、甲野氏の平蜘蛛返し?と同じ原理でしかなかったんですが、ただ立っている人を後ろに尻餅つかせるだけですから、やり方教えたら、一瞬で誰でもできる程度のコツなんですよね。

 現に、参加者全員でやらせたら、冗談みたいにかかります。

「へぇ~、~野さんって、こんな程度のことを秘技みたいに見せかけて実演しているのか~?」と、逆に感心してしまいましたよ。

 こんな素人騙しの手品みたいなことやって、武道がどうたらこうたら偉そうに説教できるような強心臓は私は持ち合わせがありません。

 小学生が昼休みに遊ぶような演芸(頸動脈圧えて気絶させるとか、昔、問題になりましたよね?)ではありませんから、そういう代物ばかり金取って教えているような人達と同類だと思われるのは我慢がなりませんよ!

 有り難いことに、最近は世の中ナメてるような武術愛好家はうちには全然来なくなり、真面目に武道に取り組んできたけれども年齢を重ねて実力の衰えを感じている人がヒントを求めてこられる例が多く、そういう真摯な人達に応えることがやり甲斐です。

 どんな流儀も万能ということはありません。必ず弱点があります。

 逆に考えれば、だから進化できるんですよ!

「俺のやってることが最高で、完璧だ」と思っている人は、そこで終わります。

 私が信仰は敵だ!と思っているのは、信仰することで自己完結してしまうからです。

 世の中には物凄い絶技を持っている人はいます。

 しかし、所詮、人間には人間の限界というものがありますよ。

 だってね~。今現在の世界終末に直結しかねない様々な危機を、その人が解決してくれるんですか?

 せいぜい、この世の法則から離れて解脱するだけでしょう? そんなの自己満足で現実逃避でしかないっていうんですよ。

 かつて超人と言われた肥田春充は、人間とは思えない神業をいろいろやって見せながらも、瞑想で見た人類終末のビジョンに対して、「自分は人類を救うことができない」と無力な自分に絶望して絶食の果てに死にました。

 肥田春充が超人的な人間だったのは事実だろうと思います。しかし、それでも人間は神様ではないのです。

 東日本大震災の大津波に遭遇した人達は何を思ったでしょう?

 世界の終末を思ったのではないでしょうか?

 世界の終わりと自己の死というものは表裏の関係にあります。肥田春充は哀しみの果てに自らの死をもって世界の終末を先に味わおうとしたのかもしれません。

 だから、自殺とは違うんでしょうね? 祈るような気持ちだったのではないか?


 かと思えば、自分の変態的欲望に振り回されて人を傷つけるサイコパスも増えているような印象がありますね~?

 で、狙われるのは身体的弱者ですよ。

 パワハラ、セクハラ、DVも当たり前・・・そんな世の中、最後に頼りになるのは自分の力だけ?

 女性や老人くらいだったら護身術教えれば大丈夫だと思っているんですが、過日のリンちゃん殺害事件のような場合は何ができるだろう?と、今、考えているところです。

 あれ、本当に酷いですよね~? まだ確定していない段階で断定的なこと書いてはいけないんでしょうけど、見守り隊の隊長が犯人でした・・・って、ホラー映画みたいな話ですよ。

 やまゆり学園の事件もそうですが、まさに悪魔の所業です。

 抵抗する力の無い人間を物のように扱う神経が狂っているとしか言えません。

 もし、こういう人間が権力者になったりしたら、どれだけおぞましい行為を働くだろうか?と想像すると、やっぱり教育の問題を考えるしかないようにも思いますね。

 うちの会にも、過去、自惚れて礼節を弁えなくなった人間が何人か出て破門してきましたが、人間だから自惚れるなっていうのも無理な話なんですよね~。

 私だって自惚れて増長した時期はありました。でも、失敗を繰り返して謙虚さを取り戻すことになりましたよ。

 結局、謙虚さというのは自分を護るための処世術なんですよね。

 不必要に卑下したりしたら嫌らしくなりますが、演技でもいいから必要な要素ですよ。

 もっとも、私は結構、洞察力がある方なんで、中途半端に演技したり、表に出さないようにしていても見破りますから、気質的に傲慢な人は、むしろ最初から隠さないほうが「性格は問題があるけど正直なヤツだな?」と好感を持つ場合もありますけどね。

 だけど、大抵の男(女性は好きなタイプでない限りは鋭いからすぐ見抜きますよ)は洞察力ありませんから、演技でいいから謙虚そうに振る舞ってください! それが身のためですよ。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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