長野峻也ブログ

武術研究家、長野峻也の色んなエッセイ?を掲載します。リンクフリーです。HP:【http://www7a.biglobe.ne.jp/~yushinryu/】

日本って、そんなに貧困なの?

『朝まで生テレビ』で、日本の貧困層をどうするか?ってテーマで話しているのを聞いていて、フゥ〜ン・・・と思いました。

 年収200万円以下の低収入層がどうしたとか、ネットカフェ難民だの日雇い派遣の問題だのを論じている様子を見ていて、「日本って、裕福だよな〜」と、つくづく思いましたね。

 私、ライターやってた時、年収39万円だったからね〜。ほんの十年前くらいの話ですよ。どうやって生活できたのか不思議で仕方ないけど、別にそんなに貧しい感じはしなかったけどな〜? 好きなことやっていたから、精神的満足度が高かったからかも。

 今はどうでしょうかね? 年収どのくらいかな〜? 定収入じゃないから、自分でよく解らない。300万以下なのは間違いないと思うけど、別に生活水準に不満はないけどな〜。貯金がたまらなくても、技と知識(と日本刀?)はたまる一方だから、注目度上がれば仕事増えて自然に金も入るだろうと楽観してるし・・・。

 何か、テレビ見てても「金稼がないと生きていけない」という論旨でしか語ってないけど、企業なんて、いつ潰れてもおかしくない。雇用の問題以前に、人間が生きていく基本について全然語らないのはどういう訳なんだ?と思えてしまうんですよ。

 勝ち組の筆頭とされていたホリエモンが一気に奈落の底に落とされた時、私は、「あ〜、やっぱり、金なんていくら稼いでいてもいざとなると頼りにはならないし、“私の息子です”なんて言っていた政治家も知らんプリするんだから怖いね〜」と、正直、思いましたね。

 討論を聞いていても、単純な話、田舎で農業やって自給自足しながら生きるという選択肢は発想として出てこないのかな〜?と、何だか不思議でしたね〜。

 雇ってくれないなら、自分で工夫して仕事を作る。それ以外に何があるのかな? 「学歴ないから雇ってもらえない」のなら、職人やラーメン屋さんに弟子入りするとか、やろうと思えばいくらでも道はあると思うんですよ。

 その先の収入は自分の努力次第。それが自由主義の社会の良さでしょう?

 そもそも、自営業の人達なんて、常に破産と隣り合わせで商売やっている訳だし、楽に金儲ける仕事なんて無いでしょう。仮にあっても、それなりのリスクってものは必ずあるんですよ。

 それに、「仕事が無い」って言ったって、選ばなきゃ〜、いくらでも有ると思いますし、フリーターが問題なんじゃなくて、定型化した職業観の枠組みの中で考える習慣を植え付けることの方が問題なんじゃないでしょうかね?

 金を儲けることが勝ちだという単純な価値観を蔓延させて、「負け組の貧困層」という負け犬根性を植え付けて、若者に無力感、敗北感を定着させることの方が問題なんじゃないのかな〜?

 金に換算できないものは無意味だという阿呆な価値観に縛られ過ぎてると思いますね。

 だから、今の日本って、若者が自分の才能を信じてチャレンジするスピリットを潰すような安定志向ばかり煽って、20や30で老後の心配ばっかりやってるように仕向けてるみたいに見える。

 貧困なのは生活水準じゃなくて“心”でしょ?

 私も、五年前に生活のためにラブホテルのルームメイクの仕事やった時だって、39歳のオッサン雇ってくれるところ中々なかったから、これが最後だと決めて面接受けましたからね。

 恥ずかしいとか何とか言ってられないし、肉体労働で賃金も安かったし、休み無しで働いても月に18万がやっとでしたよ。

 でも、それで不満は無かったよな〜。お陰で道場も続けられたし、もの書きの方も復活したし、もの書きのネタまでできた。中途半端なプライドも捨てられた。プラスになったばっかりですよ。

 慣れたら面白かったし、二年ぶりくらいに見たら別のホテルに変わっていて、凄く寂しく感じましたよ。それくらい愛着が出ていた。

 働いている人達も、昼間仕事持っていて子供の養育費の足しに働いているとか、旦那の稼ぎが少ないから家計の助けに働いている・・・なんて人ばっかりでしたよ。

 本当にね〜。仕事があるだけ有り難いもんですよ。その有り難みを忘れてるんじゃないでしょうかね? 単に、高収入になりさえすれば問題解決みたいな論理展開には首を捻りますよね。

 いや、もちろん、私も過去の肉体労働で腰痛持ちになってしまったし、弊害もありましたけどね。将来の展望も全然無くて腐ったりもしましたよ。でも、そんなの誰だってあることだから、自分だけ不幸だと考えるのは馬鹿らしい・・・。

 バイトを辞めてからは、道場ともの書きに専念して何とかやってこれているけれど、武術の研究から得たことを解説指導することでお金を頂戴する・・・ということを仕事として納得してやっていく決心がついたからです。

 だって、価値があることなんだと思えるようになったからですよ。以前は、どうも、武術を教えて金を貰うということに抵抗を感じていたんですよね。

 他人の身体をどうやって破壊するか?という技を教える訳ですから、そんな積極的な価値は認められないでしょう? それに、やっているうちに精神がねじ曲がる人が結構いますからね。

 物事を深く考えたり、主観と客観を両方考えて検討したりする精神的な知性も磨いていかないと、「肉体鍛えて技を体得しさえすればそれでいい」なんて考えている人間は、間違いなく精神と肉体のバランスを崩してしまいますよ。

 実際、武術の世界にはそんな精神疾患に陥っている人がざらにいるし、やっているうちに人格障害みたいな性格に豹変する人が結構います。特に気功をやるとそうなる。

 結局、重要なのは心の強さ。自分の本心に向き合う修行として武術に取り組むのでなければ、心身のバランスを保てない。その意味では凄く厳しいものですよ。

 命のやり取りを前提にした“戦い”をテーマにしているんだから、そんな甘い考えでやるべきじゃないし、上達してもそれを周囲に誇らしげにひけらかすようなものであってはならない。

 でも、現実には武術家と称している人達って、自分がいかに強いか?というのをアピールすることしか考えないでしょう? はっきり言って、上達して力を獲得することによって精神がバランスをとれなくなっていっている・・・。

 この点については今後、もっともっと訴えていかなくちゃいけないと思っています。軽い気持ちで取り組めば害にしかならないんですよ。

 多分、こういう主張をしている点を支持してくださる人が多いんじゃないのかな〜?と思うんですね。

 丁度、今日、クエストさんから三ケ月毎の売上の印税計算書が届いたんですが、発売されてわずか12日間しかなかったのに新作DVDがビックリするほど売れてて、おまけに前作も大分売り上げがアップしている。

 こんなに期待して買ってくれる人がいるんだ・・・と思うと、感謝しない訳にはいかないし、期待を裏切らないように頑張ろうという労働意欲も出ますからね。

 考えてみたら、生活上のピンチに陥った時は、必ず誰かが助けてくれました。まるで、私に「君は武術研究の仕事を続けなさい」と言われているみたいでしたよ。

 結局、物事は自分の受け止め方でまるっきり結果が違ってくるんだと思うんです。だから、どんなマイナスの出来事であっても、自分の受け止め方によってプラスに変えることができるんですよ。

 光市母子殺害事件の遺族、本村洋さんの場合が、まさにそうだったんじゃないでしょうかね? あんな人生最悪の目に合ったのに、忍耐強く事件の真相、法制度の盲点について勉強することによって、少年法と被害者の人権について大きな貢献を果たす立場になっていった・・・。

 私は、何度か、「もう、こんな嘘と嫉妬だらけの武術の世界からはおさらばしよう」と思ったことがありましたが、やっぱり身体が練習することを要求してくるんですね。

 それで、惰性で続けていると、不思議なことに武縁ができる。つまり、優れた武術家と出会ってしまうんです(我欲のある人は勝手に離れて縁が切れる)。本当に自分から望んで会いにいってる訳じゃないんですよ。偶然としか言えない。本当に、不思議で不思議で仕方がないんです。

 でも、「この世に偶然はない。すべてが必然」なんて言うけれど、まさにそんな感じなんですよね。

 もう、やるしかないでしょ? 私は武術に縁があるんですよ。それだけの話。

 このままやれるだけ頑張って、その後は田舎で暮らすかな〜?なんて考えていますけど、私は普通の人が欲しくなるような物に金かけたいと思わないからね〜。物欲が日本刀とか趣味に偏ってしまう。

 だけど、日本刀の外装は自分で自作してますでしょ? こういう工芸品を作るような仕事をやってみるのもいいかも知れない。

 あ〜、そうだ。武道医学とカイロプラクティックだって、せっかく勉強したんだから役立ててみるのもいいかも?


 やれやれ・・・今、テレビ見ていて、討論というより、政治論争みたいになっているな〜?と思ったら、一気に興味が失せてきましたよ。

 生活って、もっと切実に日常的な問題でしょう? 実際に貧困生活に喘いでいる人間にとって、社会や組織の構造論をいくらしゃべっても関係ないとしか言えない。

 評論家って、口じゃ立派なこと言うけど、現実に物事を成し遂げる実行力がない。それなのに、上から目線で「無知で無力な大衆を啓蒙してやろう」みたいな自惚れた態度を隠さない。口先三寸で仕事してる分際なんだから、もうちょっと謙虚になんなさい!って言いたいな〜。

 いつも思うことですが、『朝ナマ』って、現実的な対策を考えないで政治論争に話がすり変わっていってしまう。見事なまでに解決策が出てこない。いや、誰かが具体的な策を提示しても、よってたかってダメ出しして潰しにかかる。右や左の思想が飛び交う我欲のぶつかり合い・・・。

 何をやりたいんだろう? 討論のための討論。最初から何も生み出さないことを前提にした論争ショーを目指しているのなら、一般人は入れない方がいい。

 未成年がテーマを決めて自分の思いを語っていた『しゃべり場』の方が、ショーとしてもずっと面白かったし、エンタメとしては『怒りオヤジ』の方がずっと出来がいい。

 この前、エドはるみが出ていた時の『怒りオヤジ』なんて、エドはるみの真面目な人柄が出ていて非常に良かった。人間、怒った時は本質が出るから・・・(相手が完全にイッちゃってる人だったから徒労になったけど・・・)。

 やっぱり、苦労して頑張った人って、魅力的ですね〜。若いうちの苦労は買ってでもしろって言うけれど、経験自体が勉強になる。金は無くなるけど、経験は消えない財産なんですよ。

 この点について、語られなかったのが残念・・・。
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