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十文字鎌槍、入手!

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 15日に本の印税が入ったので、横浜の刀剣店に十文字鎌槍の残金を支払いに行って、現物を持って帰りました。

 とは言っても、この槍は長さが2m50cmくらいになってしまうので、電車に持ち込むのは無理でしょうから、穂先だけ持ち帰り、柄は送ってもらいました。

 柄が到着してから、早速、穂先を装着して突きの練習をしてみました。

 槍の操作で柄を手の内で滑らせるのは当然として、右手を捻って突くとドリルみたいに穂先が回転しながら突き出されるんですが、十文字鎌槍だと横に張り出した鎌状の刃が円形に回りながら突き出るので、面白いです。

 楽しくなって、ちょっと強く突き出したら、穂先がスポーンと抜けて床にゴスッと当たってしまいました。慌てて畳を見たら、回転の遠心力で目釘がスッポ抜けてしまったみたいでした。いや~、一人暮らしで良かったな~。

 でも、このでかい槍は壁に立て掛けたりできないし置き場所に困ったな~と、思っていたら、カーテンレールの上に置けそうだったので、乗せてみました(オシャレ~)。

 う~む、なんか、武家屋敷みたいだな~? 「クセ者っ!」って、天井刺してみたくなる。今度、甲野さんから真剣で勝負挑まれたら、この槍で突っついてみようかな~?

 まっ、これで、短刀・脇差・定寸刀・大太刀・薙刀・槍と、日本刀は一通り揃ったので、これからは本格的に日本の伝統武術の総合研究をやっていきたいと思っとります!

 思えば、ちょっと前までは日本刀一振り買うのさえ夢物語に思えていたのに、人間は本気で願っていれば夢は叶うものなんだな~と思いますね。

 でも、刀に関しては、静岡のMさん、剣術師範代のSさんのお陰です。本当に人の縁は不思議なものだな~と思いますよ。


 話は変わりますが、十文字鎌槍を買ったのと同時に、物凄~くお世話になった人への贈り物用に“打ちおろし(研ぐ前段階のヤスリ成型したもの)”の刀のローンも組んでもらって、こちらも持ち帰りました。

 こっちの刀は、二尺四寸五分の坂一貫斎繁綱・・・私の三尺二寸五分の大太刀を打ってもらった刀匠の作品です。

 大太刀の出来の良さと注文打ちに応じてもらえるところから、武用刀として以前からお願いしようと思っていたんですが、店内に展示してある作品を購入しました。

 もっとも、打ちおろしの状態で注文するのは私ぐらいなものでしょう。

 研ぎから拵え製作まで全部やらねばなりませんから、私みたいなDIY趣味があって、尚且つ、ヒマがある人間でないと無理ですし、私の場合は刀のカスタマイズをする作業そのものから武術の技の工夫もしているので、製作作業が技に、技から製作作業に・・・と、フィードバッグさせています。

 だから、同じ作り方はしない。一振りごとに細工を変えてみたりしているのですが、これは自分の研究のためにやっているので、別に他人のために作ったり仕事として商品を作る感覚はまったくありません。

 でも、以前、元会員の刀の拵えを製作してみて、ちょっと自信もついたので、どうせ贈るからには既製の刀ではなくて、私が自分で作ったもの(刀身は無理だけど)を贈りたいな~と思ったんですよね。

 刀を予備の白鞘に入れてみたら、鞘も柄もピッタリだったので、縁金具や工具を引っ張り出して、ミニ・カンナで、物凄いスピードで削りまくって、柄の下地は仕上げてしまいました。

 鞘も柄も寸法が長過ぎたので、適当にノコギリで切り詰めて、銀の切羽の穴を精密ヤスリで広げて中心(なかご)に嵌め込み、鍔は模擬刀のやつが余っていたのを付けてみたらピッタリだったので、これを流用しました。

 贈る相手は武術の先生なので、居合の稽古に使ってもらおうと思っていて、繊細に飾るより、少し武骨な感じに仕上げた方が喜ばれるのではないか?と思った訳です。

 しっかし・・・私は手慣れてきたので、ほとんど勘で作業していて異様にスピードが早くなってきていますね。本格的に職人化しつつあるような・・・? マジで武用刀の拵え製作受けちゃおうかな~?

 以前だったら2~3日かかっていた作業が、ほんの2時間弱くらいで、できるようになっています。これだと完成するのに一週間もかからないんじゃないかな~?と・・・。

 翌々日、材料を東急ハンズに買いに行きました。最初の研ぎに使う天草産出の“天草研ぎの砥石”と、ダイヤモンド・シャープナー、塗料やハケ、木材、エイの革・・・等々。なるべく安く揃えたつもりだったのに、あっさり一万八千円を越えました。

 天草砥石は¥1300くらいだったんですが、これが備水砥石になると一挙に¥3000を越してしまい、更に上等な砥石になると0が増えて桁が違ってきています。

 上質な砥石は“ひと山いくら”の世界だという噂も本当かも知れませんね。刀の研ぎを本格的にやろうとしたら砥石揃えるだけで刀が何振りも買えますよ、マジで・・・。

 まあ、実用上は荒研ぎして刃がつけばそれで十分なんで、美術刀剣みたいに仕上げるつもりはないんですが、最近、日本刀の美に目覚めてきて、できる限り磨いていきたいと思うようになったんですね。研ぎも研究の一環で一生修行でしょうね~(あ~、研究領域が広過ぎるぅ~)。

 刀の外装は、柄木を削って縁金を装着したんですが、持って構えた時にやや前方に重心が行き過ぎている感じがしたので、以前から試してみようと思っていた、柄木に鉛の重りを入れて重心を調整する方法をやってみました。

 これは、柔らかい朴の柄木だったから、削るのが簡単なのでやる気になったんですが、堅い桜材だと重りを入れるスペースを削るのが大変なので、これまで実験してみなかったんですよね。私、かなり短気なんで、根気強くやる作業は嫌いなんですよ、実は。

 大太刀の時は真鍮板を装着しましたが、あまり重心のバランスを調整するところまでの重さはないですから、柄の強度を上げる役くらいにしか役だってない。桜材を削るのもちと苦労しました。

 しかし、今回は彫刻刀でサクサク削れて、後はヤスリでシャカシャカと物凄いテキトーに勘でやったんですけど、苦労しないで重り用のスペースを削って、釣の重りに使う薄くて長い板鉛(昔、買い溜めしていたので、その余りを丸めて利用。廃物利用だ)を装着し、真鍮板の余っていた分を使って蓋にしてみました。

 これは持った感触もいい感じです。明らかに重みが変わりました。柄だけを持った時に重心が後ろに寄っています。重りを仕込んだのも、刀の中心が嵌まる穴の先なので、これなら完成すると重心点が後ろに寄って頃合いになる筈です。

 柄の長さも結構長くしたので、居合だけじゃなくて柄捕り技とか柔術にも使いやすい筈です。普通の居合修行者は嫌がるでしょうが、刀は斬るだけのものではなく、柄当て・柄抑え・八寸の延べ金などの柄を活用する技も有るし、鞘・鍔・下緒もすべて武術として利用できるようになっているんです。

 ところで、柔術の短棒を使う技に“八寸拉ぎ”というのがあるんですが、何で、この短棒が八寸とされているか?というと、これは刀の柄の長さが八寸くらいだからなんですよね。

 つまり、柄の部分を利用して逆技やからみ技を使う技から発展して、柄の部分だけで技をかけるようになり、それが更に短棒になっていったと考えられます。その名残が八寸拉ぎになったんでしょう。

 これは、小笠原玄真斎の秘技と伝わる“八寸の延べ金”が、柄の持ち手を滑らせて刀の届く距離を延ばす秘訣として様々な流儀に口伝承されてきているのとも通底していると思います。


 さて、柄材も朴を使っているので折れるとマズイので、今回も針金で巻いて強化しておきました。真鍮板が柄折れ防止にも役立つでしょう。

 ここまでやってから、コバルトブルー染めのエイ革を張り付けました。柄の全長が長くて革の端っこが足りなくなったんですが、切れ端を張り付けて補いました。柄糸を巻けば隠れて見えなくなるから大丈夫でしょう。

 柄糸とかは例によって水道橋の尚武堂さんに買いに行きました。目貫とシトドメ(下緒を結ぶ栗型の穴に嵌める装飾兼補強用の金具)、切羽、刀の手入れ具も買いましたが、これまた一万八千円くらいになってしまいました・・・。ふぅっ、自作するのにも金はかかるな~?

 帰宅して早速、柄糸を合わせてみたら、まだ柄が太過ぎる。後から作り直すのも面倒なんで、少し考えてからエイ革を剥ぎ取り、針金を巻き取って、さらに柄木を削りました。

 やっぱり贈り物だから、見栄えもできるだけ良くしておかないと・・・。


 得物を自作するというのは、昔の武術家には結構いたそうです。

 古武術の流派には、稽古で使う木刀や防具なんかは自作させるところも、今でもあるみたいです。奥義の秘伝書が隠し武器の製作法だった・・・なんて話も本当にある。

 剣道でも竹刀をバラしたり組み立てたりは私が中学の時は習ったんですけど、今はどうでしょうかね?

 実際、自分で作ると構造が解るから、長所と短所も解るんですね。

 昔、『おんぶお化け』という日本昔話みたいなアニメがあって、おんぶお化けを育てているのが村の鍛冶屋のお爺さんなんですけど、村のみんなが野武士と戦う話があって、刀を作ってくれと頼まれても、「いくさの道具なんか作りたくない」と断る。

 でも、野武士に蹂躙される村の衆を見かねて刀を打つと、それが凄い名刀になったり、お爺さんが金鎚一つで野武士の刀を打ち折ってしまい、「わしは鍛冶屋だから刀の弱点は知っとるわい!」と、いつも温厚なお爺さんとは思えない勇猛さに驚いたもんでした。

 実際に自分で作ってみると、予想以上に技の工夫に繋がる点が多くて、これも最初は趣味でやっていたのが、今は研究の一環になっています。

 日本刀は勝手に作れないんですけど、ナイフくらいだったら作れるから、游心流の技に則ったタクティカル・ナイフをデザインして作ってみようと思ったりしています。

 海外の軍隊経験のあるマーシャルアーティストは、タクティカル・ナイフを自分でデザインする人が結構いるみたいですね。近接戦闘ではナイフの方が拳銃より怖いなんて言われますからね。

 実際、体術が得意だと短い刃物の方が使い勝手がいいと言う人が多いです。間合を潰すと長物はうまく使えなくなりますからね。

 そういえば、日曜日が雨天だと私の部屋で練習するんですが、この前はガスガンを使った銃の操作法と狙い方、撃ち方を練習しました。

 ガスガンは、44オートマグ・クリント1、ハイキャパ4.3デュアルトーン、ワルサーP38ステンレスシルバー、ワルサーP99、SIG・P226、スタームルガー・スーパーブラックホーク44マグナム。電動エアガンはベレッタ93R(100連発マガジン付き)、長物はウィンチェスターM1873。

 ハワイで実銃を撃ってきたK師範代は、「持った感じは本物と大差ないです」と言っていたくらい、最近のガスガン、エアガンはリアルにできていますから、これで練習しておいて、年に一回はグァム島に射撃訓練に行く・・・という具合に游心流はやっていきたいですね。

 銃の場合も、エキスパートは、自分の銃をカスタマイズして使うのが常識です。

 私も買ってきて大抵は手を入れていましたけれど、最近のものは仕上げも性能も良いので、敢えて手を入れる必要がありませんね。

 ガスガン、エアガンの規制が始まってからGunショップは元気が無くなって売り場も縮小されたりしていましたが、それも安定して、やや改善されてきているみたいです。

 日本人は刃物や銃に対しては恐怖心と嫌悪感が先走ってしまう人が多いですが、扱い方は知っておいた方が良いと思いますよ。銃は無理としても、最近は刃物の扱い方を知らない人が多いな~?って思いますよ。

 人に渡す時に刃先を向けたまま突き出す人なんて昔はいませんでしたけどね。

 これは危機管理意識の面でも重要だと思うんですが、知っていると不必要に不安がらずに済むようになると思うんですね。武器だって道具なんですよ。

 銃が無くなればいいと言う人は多いですが、私は絶対、駄目だと思いますよ。警官が銃持ってなかったら、腕に自信のある犯罪者は暴力ふるい放題になりますよ。

 犯罪者に倫理を説いても意味ないんですよ。話して解るのなら警察は要らないし、そもそも言葉が通じない相手にはどうすればいいのか?

 法律だって、現実に力で従わせる制度があるから守られてる訳ですからね。平和は銃で守られているという現実のリアルをきちんと理解しておかなくちゃいけないですよ。

 で、銃が持てない日本に住んでいる私は、武術に護身術としての力と戦略を求めて修行してきているという次第です。

 武術は自ら求めて戦いを望まず、ただ理不尽な暴力に備えて日々の修練を欠かさずに生きるライフスタイルなんですよ。

 公園で練習していると、時々、話しかけてくる人もいるけれど、興味本位の人は相手にしない。私は人を観て教えます。慎重に選んでいても、上達するに従って人格が破綻する者が少なくない。

 だから、今後は最初から興味本位の人間には教えない。持って生まれた素直さというのは教育して体得できるものじゃないんだと思いますからね。

 そして、武術というものが単なる身体を鍛えるとか格闘の技能を体得するだけのものではない、ということを理解して人生に役立てて欲しいと本心から思っています。
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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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