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六月セミナー“軸”と、ちょっとオコゴト

 五月の脱力に続いて軸を用いた崩し技や打撃等をテーマにやった今回は、また初めての人が多かったです。

 私は真面目に学びたくて来ている人の邪魔になったら迷惑なので、腕試し目的とかそういう常識の無い勘違いしたバカは徹底して排除することにしています。

 今回のセミナーでは申し込み規定通りにしていない方もいて、規定通りに書いてくれとメールしても返事が無かったそうなので、怪しいと思い、「当日、確認しても隠すようだったら断ることにしよう」と、事務長と事前に打ち合わせしておきました。

 こういうのを厳しいと思う人もいるでしょうが、他人の家を尋ねて自分の名前や素性を言わずに上がろうとしたら警察呼ばれても不思議じゃないですよね。

 就職の時も自分の履歴を書いて出すじゃないですか? こういうのは礼儀以前の常識ですから、それをおざなりにしていたら、相手に「非常識な人間だな」という印象を与えて自分が損するだけです。

 今回は、特に他意は無い様子でしたから参加を許可したんですが、毎回、一人か二人は書かない人がいるんです。だから、こちらが不審に思う場合、当日、参加を断ることも有ります。

 教えているのが武術ですから、人は選びますよ。他所のセミナーみたいに金さえ払えば教えるなんてやり方はできません。

 そこまでやっても、「あんなヤツに教えるべきじゃなかった」と、後で後悔したりすることは何度もありますから、誰彼構わず教えたら、とんでもない犯罪者を生み出してしまいかねません。

 武歴を書いてもらっている理由は二つあって、指導の参考が一つ。もう一つは、隠していても自分が修行した流儀の特徴は身体のちょっとした構えや動きに無意識にも出る。

 自慢げにわざとやって見せる人は御愛嬌ですが、「あ~、この人、武歴には書いてないけど意拳やってるな」とか、「意拳だとこの受け方はしないから、太気拳だな」とか、隠していてもバレるんですよ。

 30年以上、いろんな流儀を見てきてますからね。私ぐらい沢山の流儀の技を見聞してきている人は、滅多にいないだろうと思います。なめてもらっちゃ困ります。

 だから、申告しているのと違う流儀の動きをする人が結構多いんですが、それもまた、「何で隠すのか? 知られて困る経歴が有るのか?」と疑念を植え付けるだけで損するのは全て自分なんですけどね。

 私が隠し事するのが嫌いな人間なのは察しがつくと思います。だから、正直な人には良くするし、偽る人にはこっちも隠して教えない。気づかないフリして観察したりします。

 だって、武歴を偽って習いに来るということは、私に対して嘘言ってる訳ですね。失礼でしょう?

 公開して欲しくないことだったら、そう言えばちゃんと守秘義務は守ります。仕事でやっているんだから当然です。

 けれども、私が武歴を申告することに拘るのは、場合によっては宗教がらみの場合も有るからなんですよ。

 例えば、オウム真理教の残党には中国武術の団体を装って活動している連中がいたそうです。中国武術の業界にはオウムに指導していた人もいます。実際、「実はオウムにいた」と告白してくれた人も過去に二人くらいいました。

 本当のことを告白するというのは勇気の要ることです。差別されるのを恐れて言えない人が多いでしょう。

 自分から言える人なら問題は無いと思いますが、隠したままであれば企みが有るってことでしょう? 悪用される可能性の有る人に教える訳にはいきません。

 また、統一教会系の武道団体(韓国系)だって有るし、カルト的な団体も結構有るんですよ。そういうところに所属している人には私は教えない。金出せば何でも教えてもらえるなんて思ってもらっちゃ困ります。

 それから、左翼活動家にも教えない。人を傷つけるのが判っているんだし、何らかの思想や理念を持っている人は、正義観から容易に暴力を正当化してしまうものです。

 理想の社会システムとされていた社会主義の国で、何故、人民が抑圧され逆らう者が拷問されたり殺されたりするのか? 理想の社会システムも、所詮、人間が運転するものであり、ファシストが上に立てば容易に独裁国家になり果ててしまうということです。

 人間を動かすのは理ではなくて、感情・欲望、そういう“想い”なんですよ。世の中を何とか良くしたいと思いながら、どんどんドツボに嵌めて行ってしまうのが政治家の王道パターンですよ。阿部さんなんかいかにも実直そうだったもんね。政治家には向いてないでしょう。

“想い”が人を動かすという点を認識した上での合理性を考えなければいけない。

 優れた武術家は、皆、想いが人を動かしているということを知っていますよ。だから、私は辞めないで続けてこれたんです。

 私が一番教えたいのは、かつての私みたいに理不尽な暴力に晒されて絶望の日々を送っている人。そういう人に「理不尽な暴力に負けるな。自分の人生は戦って切り開け」と、希望と勇気を持たせたい。

 武術は護身術であると共に“護心術”であるべきだと思っています。いや、そっちの方が理由としては大きいですね。


 今回は、セミナーが終わって喫茶店でしゃべっている時に、アキバの通り魔殺傷事件が起こったのを知りましたけど、今の武道や格闘技をやっている人は、現実にそんな事件に遭遇した時に対処するにはどうしたらいいか?なんか悩まない人が多いでしょう。

 つまり、自分が学んだ技を実際に使うことを考えている人は滅多にいないと思うんですよね。試合で使えるかどうかしか考えない。スポーツの発想ですね。

「それはそんなに悪いことなのか? 武術は戦えなくちゃ意味が無いのか?」って言う人もいますよ。実際に指導者クラスでも・・・。

 ハッキリと私の考えを断言しておきますが、護身の役に立たない戦えない武術は悪い武術です。ダメな武術です。無意味な武術です。

 そもそも、それでは武術とは言えません。

 アキバや茨城、戸越銀座の通り魔男や、かつてのバスジャック少年、あるいは急行列車の中で女性乗客をレイプした男とか、あいつらは別に大した戦闘能力なんか持ってない、むしろ、その辺のひ弱い男に過ぎない。

 精神を病んだ戦闘のプロとか、そんな相手ではないんですよ。叩き殺すつもりで立ち向かえば、多少の怪我は負ったとしても素人でも制圧してしまえる程度のヤツですよ。

 何で、そんなヤツがチンケな刃物振り回したくらいで、何人も殺されたりしなきゃならないのか?

 刃物は振り回していなかったけれど、私は何度か女性に痴漢したり暴力ふるってる男を見て「やめろっ!」って怒鳴って割って入ったことありますよ。

 で、大体、「何だ、このヤロー?」って、こっちに向かってきますよね。でも、割って入る時点で、もう“半殺しにしてやる気でいる”から、相手もこちらの気迫が尋常じゃないのに気づいてびびって逃げますよ。

 女、子供、老人を狙うようなヤツはミジンコみたいな気の小さいヤツなんですよ。だから刃物持ち出したりするんです。

 私はいつも刃渡り70cmくらいの刃物(日本刀)ぶん回しているから、あんなチンケな刃物見ても笑っちゃいますよ。急所刺されなきゃ死なないから、ハラ括って飛び蹴りかませば倒せるよ。

 私はだから、一度も手は出していませんよね。こっちは日夜、暴漢を殴り殺す研究しているんだから、そこらの兄ちゃんごときに負ける筈が無いと思ってるから、相手もヤバイと思うんですよ。

 だから、重要なのは暴力に対して怯まないで相討ち覚悟で立ち向かうことだと思いますよ。

 だって、私はそういう時のためにやっているんですよ。自分のためなら先に逃げたほうが良い。コンビニに暴走族みたいなのがタムロしてたら別の店に行きますからね。自分からは行かない。でも、抵抗する力も術も持たない人が暴力に晒されているのを見て見ぬフリはできないでしょう?

 男同士なら助けようとか思わないし、酔っ払いがケンカしてるのも無視しますけど、女性や老人、子供がやられているのを見て見ぬフリするような腐れ金玉野郎にはなりたか~ないですよ。

 暴漢を制圧する能力が有る人間が逃げていたら、誰が制圧します? 警察が来るまで待つ? その間に何人も犠牲になるでしょう。

 昔のヤクザは、そういう時に弱い人を助けたりしていたから尊敬されていた面も有りますよ。今は一方的に弱い者をイジメるから暴力団としか呼ばれない。

 武術って、修練する過程で、その覚悟を養うことに意義が有る。だから、戦えない武術を趣味として楽しんで練習することには全く何のメリットも無いのです。

 たわけた妄想話にうつつを抜かしていなければ特に害も無いかも知れませんが、それこそ毒にも薬にもならない単なる娯楽でしかありません。

「僕はど突き合いが楽しいんスよ~(あっ、そう。良かったね)」 それだけの話。

 中途半端な技なんか体得しても何の役にも立たない。命を護るのは技や術よりも先に意志が無ければならないんですよ。


 私は、そんな不合理な話をしてますか?

 セミナーの最後に、製作したばかりの日本刀で実演解説しましたが、これも、ちょっとでも気を抜くと大怪我してしまいかねない真剣を使うことで、「武術は覚悟を養成するものです」という点を皆さんに伝えたかったんですね。


 さてさて、今回は、敢えて苦言を書きましたけれど、参加者の御感想をお待ちしております。次回のセミナーは「読み」がテーマですが、これは武術に関心の無い人の参加はお断りします。かなり突っ込んだところまで解説するつもりなので、無用の長物にしかならない人には教えたくないからです。この点、お含みおきください。


追伸;アキバの通り魔は最初はトラックでぶつかってきたみたいですが、車に追突されてきた時に、横に逃げるヒマが無かったら、上に飛び上がってください。足が接地した状態でぶつかれば衝撃力は百パーセント作用してしまいますが、空中に浮いた状態であれば、ぶつかった衝撃を逃がして被害を最小限にできる筈です。この差で命が助かる可能性も有るでしょう。万が一の時に試してみて欲しいと思います。また、刃渡りの短いナイフを持つ相手には週刊誌やカバンや上着を楯にして、ベルトを引き出して相手の目を狙って弾くように振り出す戦法がお薦めです。やってはいけないのは、背中を向けて逃げること。視線を外すと危険です。今回は警察官も後ろから刺されてしまったみたいですね。闇雲に逃げるのでなく、まず犯人の位置を確認することが重要です。正面を向いて抵抗の姿勢を見せれば相手は必ず怯みます。犬や猫でもそうやりますよ。背中を見せて逃げた瞬間に襲い掛かられますからね。それに、周囲の物をガンガン投げ付けたり、やれることはいくらでも有りますよ。昔、池袋で通り魔が出た時は通行人が牛乳瓶のプラケースを楯にして立ち向かって数人で抑えたそうですが、今回もやる気が有れば制圧のチャンスは有ったと思います。それと、通り魔男はネットの掲示板に書き込みしていたそうですけれど、こういうのは劇場型の演技性人格障害が有ると思われますね。事件を起こして注目を浴びたいという欲望が有る。こういう事件はまだまだ続いて起こると思われますし、ネット上でケアするシステムも必要なんじゃないでしょうか。ナイフを規制したら包丁を使うだろうし、意味がない規制をするより犯罪を犯すような人間の精神面のケアをすることが重要ですよ。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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