古武器まで寄ってきた?2008-07-01 Tue 23:39
短刀、脇差、定寸刀、大太刀、薙刀、十文字鎌槍と揃って、日本刀の研究にはほぼ困らなくなったんですが、古武術の研究上、どうしても避けて通れないのが、古武器と呼ばれるものです。
代表的なものは、何といっても“鎖鎌”。 レプリカはいくらでもあるから入手するのは苦労しないと思っていたんですが、実用を考えていないというか、実際に現物を見ると作りに問題があるものしかないんですね。 とは言っても、日本刀と違って、昔の実際に武器として作られた鎖鎌なんか滅多にあるものじゃないんですよ。 だから、「ホームセンターで鎌と鎖を買ってきて自分で作っちゃおうかな〜?」なんて考えたりもしたんですけど、“自作の鎖鎌”ってのもねぇ〜? 時節柄、「あぶねぇ〜な〜」って思いますでしょう? それで、本格的に探す気もなかったんですけど、何とな〜く、「そろそろ鎖鎌も欲しいな〜(なんてことは普通は考えないよね〜)」なんて考えていたんですね・・・。 いつものように日本刀の代金支払いに横浜の刀屋さんに行ったんですが、ショーウインドーに何か色々と珍しい骨董武器が並んでいるじゃないですか? 社長さんの話では大金持ちのコレクターの方が高齢で健康を害したことから手放すことにしたんだそうなんですが、骨董品としての古武器ばっかりだったんですよね。 それがア〜タ・・・鎖鎌もヒョイッて無造作に飾ってあったんですが、螺鈿細工の柄に樋入りの鎌刃、それに、たいていの鎖鎌は鎖分銅が柄尻に繋いであって、片手で鎌、片手で鎖を振るという構造になっているんですが、何と、この鎖鎌は鎌刃の峰に鎖が繋がっているではないですか? この形は、二刀神影流の鎖鎌と同じですが、要するに、片手で鎌と分銅鎖が使えるということなんですよ。 二刀神影流は二天一流(円明流)の影響でできた流派とされていますけれど、「片手で鎖鎌が扱えるのは機能的だな〜」と思っていて、「できればあの形の鎖鎌があればいいんだけどな〜」と思ってはいたんですが、まさか、ピッタシ・カンカンの鎖鎌があるとは思いもしませんでした。 何しろ、貴重なものですから、いくらぐらいするのか予想もつきません。恐る恐る社長さんに尋ねると、指を一本差し出されたので、「う〜ん、十万円か〜? 高いとは言えないけど、ちょっと今の経済状態ではきついな〜」と思っていたら、何と「1万円」の間違いでした。 「買いますっ!」 私は嫁さんいたら「このバカがぁっ!」って包丁で刺されて死ぬね? 今、密かに自伝?の出版計画(アスペクトの新刊とは別です。こちらは自腹を切って勝負に出ましたぜよ。俺も男だっ!)を進めていて、その原稿を書いている時に思ったのは、「俺って光見ると向かって行っちゃうミジンコみたいだな〜?」ということ。 目の前に強い関心を持つモノ、ヒトに出会うと後先考えずに突き進んでしまう。この超極端に走る習性が“捨て身”を求める武術に向いていたのか?・・・と、ポジティブ・シンキング! 家に帰って詳細に見てみると、この鎖鎌は武用を考えて作られた古いものじゃないですね。鎖もこのままだと片手で用いるには長過ぎ。機能的に考えて作られてはいません。 でも、鎖はつけ換えればいいし(って、骨董趣味の人には出てこない罰当たり発想)、やはり鎌刃のほうに鎖が繋がっているのは貴重です。 ついでと言っては何ですが、ケースに飾られていた鉄刀(鉢割り。千葉チャンが柳生十兵衛や服部半蔵演じていた時に使っていた十手みたいな武器)と、南蛮一品流の隠し武器“千鳥鉄(ちどりがね)”まであって、こちらはレプリカではないオリジナルで、これは貴重ですよ〜。 鉄刀は、先端が少し割れたようになっていたので、精密鉄鋼ヤスリでジョリジョリと削って滑らかにしてみますと、黒塗りの下の地金が出てきたんですが、当然、鉄で出来ているから銀色だと思っていたのに、何と、ゴールドなんですよ。 いや、もちろん、本物の金なんか使う筈がないので、これは真鍮(黄銅)ですよね。鉄刀なのに鉄じゃないのか〜・・・と思ったものの、「いや、真鍮の地肌を出したら金色に輝いてカッコイイかも?」と思って、早速、ヤスリでスリスリして表面の黒塗りを擦り落としてみたら、金色に輝くオシャレでゴージャスな鉢割りに早変わり! 最近、武侠ドラマ『碧血剣』で、怪剣客“金蛇郎君”が持つ蛇みたいにクネクネとして先端が蛇の舌みたいに二股に分かれていて敵の剣刀をスパスパ断ち切ってしまう五毒教の宝剣“金蛇剣”が、“金色に輝く剣”なんで、金色にピカピカしている武器って、何かカッコイイな〜と思うようになってて、これはこれでカッコイイな〜と思ってます。 だけど、真鍮は注意しないと緑青(緑色の錆び)が出たり黒ずんだりするから、時々磨かないといけませんがね。 千鳥鉄という武器は、鉄の筒にモスマンみたいな形の平たい鉤分銅が鎖に繋がって収納される武器で、刀にからめたり、樹木や塀に引っかけて登ったりするのに用いたと思われる忍者の道具みたいな武器です。乳切木や振り杖の小型のものと思ってもよいでしょうが、鉤付きの分銅なのと柄が鉄筒になっているところが特徴的です。 こちらは鎖も練り鍛えた棒鉄を曲げて繋いでいく伝統的な和鉄を使った製法になっていて、非常に貴重なものだと思います。これは和鉄でないとできないやり方で、古式の本物かレプリカかを見分けるポイントが、この鎖の違いなんですね(レプリカだと溶接された鎖)。 使用法は西洋の戦闘用フレイルみたいな使い方を想像するでしょうが、分銅の重量が軽いので、打撃力で攻撃するフレイルとは違う用法なのが予想されます。分銅が軽いものの両側に鉤があり、鎖も短いのですが、届かないと思っていた間合を狂わせてしまうので、対日本刀の秘密武器として工夫されたのが想像できるでしょう。 私は、冷静な判断力が消滅して5歳の餓鬼に戻って、大人買いしちゃいましたよ。 ま〜、「刀のローンも大分あるのに、俺って阿呆やな〜」と・・・。 でも、こ〜んな珍しい古武器は、それを伝える流派でないと入手できないだろうと思っていたし、レプリカで持ってる人が多いと聞いていたんですよね。 実際、偽造した現代物をわざと錆びさせたりして古めかしくしてマニアに高く売り付けて儲けた・・・みたいなことした古武術家もいたって聞いたことあります。 尊敬していた人だったから、本当にガッカリしましたよね。故人だから武士の情で名前は伏せますが・・・。 この話をしてくれた人は、「でもね〜。長野さんだって、貧乏に苦労してたらやるだろう?」なんて言うので、「い〜え、絶対にやりません! だって、詐欺じゃないですか」と言ったら、苦笑しながら「長野さんは堅いな〜」なんて言っていましたけど、いくら貧乏でも犯罪おかして許される道理はないんですからね。 私は武術が好きだから、武術文化を汚すような真似はできないですよ。嘘ついてインチキやって名前が売れて金が儲かっても、それは天に唾吐く行為でしかない。 武術の文化を命懸けで作り上げてきた無数の先達に対して失礼千万で万死に値します。 NOVAの元社長が捕まったけど、嘘ついて金儲けて勝ち組を気取っていても真実が明かされて残るのは汚名だけじゃないですか? 阿呆か・・・。 貧乏でも、嘘つかないで懸命に頑張って生きている人間のほうがずっと美しい。 もちろん、犯罪おかしたら人間終わりだとまでは思いません。犯罪に問われなくとも間違ったことをやってしまうのが人間だと思いますよ。 でも、間違ったことをやって反省する心が無くなってしまったら、それこそ終わりですよね。そういう利己主義の発想しかないから、自分がうまくいかないことを外部に責任を求めてしまう・・・。 そういう考え方しかできない人が多過ぎるような気がしますね。 不倫なんかもそうです。生涯、唯一の相手と誓って結婚しておきながら、何で裏切るような真似するのか私は理解できません。守れない誓いならしなきゃいいじゃん? 本気で惚れてないから、簡単に誰とでも付き合えるのかもしれませんが、私にはそういう感性が皆無なんで、さっぱり理解できません。でも、私の感性のほうが現代的には変だと言われるので、別に他人に強要するつもりはありませんがね。 以前、師匠の奥さんから「長野さんの道場に主婦の人が入ってきて好きになったらどうするの?」と聞かれた時、「絶対に好きになりません」と答えたら、じぃ〜っと顔を見ていて、「う〜ん、長野さんはそうだろうね・・・」と納得されました。 う〜ん・・・喜んでいいのかな〜? でもまあ、日本刀に続いて古武器まで増えてきたら、やっぱり、道場兼自宅兼資料館みたいなものを建築したいものですね。というか、こんな珍しい古武器が入手できたのも、宿命的な感じがしますよね。 やっぱり、自分だけの趣味としてじゃなくて、こういう研究を世の中に活かしなさいってことなんじゃないか?とでも思わないと、納得がいかないし、やり甲斐もない。 毎度の余談です・・・予言が次々に的中していると言われるジュセリーノが、8月6日に東京でM6,5の大地震が起きて、9月13日には愛知県でM9,1の大地震が起きると言ってるけど、どうなるかな〜? 四川の大地震に岩手でも起こったから、もう、いつどこで大地震が起こっても全く不思議じゃなくなりましたよね。以前は予言なんて与太話と一笑に伏していたものの、今は地震なんかの災害が起こるのは常識の範囲内だもんな〜。 まあ、その時が来たら動じないで運を天に任せて冷静に行動しましょう。 |
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