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八月セミナー“推手と聴勁”

 月一回の江古田ストアハウスのセミナーも、最近は人数が増えてきてやや手狭な感じもするくらいになってきましたが、常連で来られている方は、何だかもう会員と変わらない感じになってきていますね。

 で、実際に入会希望者も毎回いらっしゃるくらいになってきています。

 正直いって、広める気持ちが無くなったとは言っても、やっぱり求められるのは嬉しいものですよね。

 今回は、総合格闘技の大会にも多数出て活躍されていた方が参加されていて、私は二度お会いしたことがあって楽しみにしていて、会員にも「今度のセミナーは面白い人が参加されるから、いろいろ聞いてみるといいね」とか話していたんですね。

 でも、「アレッ、なんか昔と印象が違うな~」と思って、たまたま会員で知っている人もいたんですが、その人も「アレッ、あの人?」と驚いたくらい印象が変わっていたみたいです。

「昔はもっとギラギラして虎みたいな怖い感じの人でしたけどね」と、その人も言っていた通り、私も以前にお会いした時は人を寄せ付けない感じに思えたような記憶があったんですが、良い意味で凄く優しい感じがしましたね。

 よく言いますよね。「本当に強い人は優しいよ」って・・・。

 私も、これは本当のことだと思います。私が知ってる武術の達人は、例外なく優しいし明るいし穏やかな感じか茶目っ気のある人なんですよ。

 ただ、ちょっとした瞬間に凄くどう猛な眼をすることがありますけどね・・・。

 だから、外見だけ見て優しそうだからと思って無礼な真似をしてブチのめされりすることもありますからね(うちの先生はそうだったな~)。

 これは、私の印象なんですけれど、武道やっていて格闘技の試合にも出ている人というと謙虚で真面目な人が多く、試合の無い武道や武術をやっている人は自惚れて嫌な性格だったりする場合が多いんですよ。

 やっぱり、自分が痛い思いをしないと他人の痛みは解らないですよね。

 苦労して成功した人は自然に謙虚になるし、苦労知らずで周囲に持ち上げられた人って尊大で人を人とも思わない無神経な性格になったりする。

 だから、「子供に苦労させたくない」と、過保護に何でもやってあげる親は逆に子供をダメにしてしまうと思うんですよね。「鉄は熱いうちに打て」というのが本当の教育だと思いますよ。

 そのほうが多少の試練に出くわしてもへこたれない人間になるでしょう?

 私も外圧とか内乱とか色々とあるんですけど、お陰様でプレッシャーに押し潰されないように鍛えられてきましたからね。


 さて、今回のセミナーのお題である推手なんですが、これを技術と解釈するとあんまり意味が無くなってしまうと思うんですよ。

 あくまでも聴勁の感覚を養成するものとして取り組まないと、形を覚えても何もならないですよ。

 それを理解してもらうために、今回は化勁・発勁・逆関節・崩し・固定して打撃・・・といった具体的な武術の用法とからめて解説指導しました。

 特に、“差し手”で構えを崩しながら制圧していく方法は、武術の戦闘理論上、極めて有効性の高いものです。が、これを実際に使うと相手に致命傷を与えかねないので、どこまで教えていいか?というのは事前に少し考えていたんですけどね。

 その意味では中国武術の接近密着戦法の具体的やり方を解説したんですが、通常の推手とは違って寸止めで打撃を止めないと危険なので、注意して練習してもらいました。

 もっとも、参加者が多いので剣や棒の練習は取りやめておきました。事故が起こるとマズイですから、原理を実演解説しただけに留めておきました。

 ちなみに、最近、シダックス講座では游心流居合術及び無刀捕りも指導していますから、学びたい人はこちらにどうぞ。(流石に公園ではできないよ~)

 私は、中国武術は非常に優れた護身術だと思っていますが、いかんせん、ほとんどの道場は套路の練習だけで終わってしまうので、個々の技がどのように使われるのか?ということが判らないまま何年も練習している人が多いと思います。

 そういう意味で、今回の参加者の中にも太極拳を習っている人が何人かいらして、参考にしてもらえたみたいです。

 やっぱり、本やネットで情報ばっかり流通すると、隣の芝生が青く見えて、せっかく良いものを習っているのに体得しないままあちこち見て回る人とかでてきてしまうんです。

 どんな流派だって、良いものがありますからね。他流と比べて欠点だけ上げつらうのは、もったいないと思うんですよ。

 私は空手・柔道・剣道・合気道・少林寺拳法・新体道・躰道・・・いろんな流儀に触れてきましたけれど、役に立たないと思ったことはただの一度もありません。

 これは、私が「史上最低のヘッポコ達人」と認定している甲野善紀氏の技であってさえ、ヒントになることはいくらでもありました。

 多方向多要素異速度同時進行把握、フェードアウト技法、水鳥の足、なじみ、一足立ち、無拍子打ち、井桁の術理、四方輪の術理、捩らない動き、受けず躱さず真っすぐ入る、身体が割れる、足裏の垂直離陸・・・う~むむむ・・・頭イテェ~ッ!

 何が言いたいのか、さっぱり解りませんけど、甲野氏のやっていることって、「脱力すること・膝を抜いて沈む瞬間の重心移動を用いる・相手の軸を切り崩す・相手を居着かせる」という合気道や中国武術で当たり前に用いる技術をパフォーマンスに流用しているだけなんで、仕組みが解ってしまうと素人でもその場で八割以上は再現してしまえます。

 だから、簡単なので体得するのには初心者向けでいいんですよね。直接習いに行っても体得できない人ばかりなのが不思議なんですが・・・(教える気がないんでしょう)。

 でも、簡単な術理でも組み合わせれば高度な戦闘理論への応用が効きます。一見、複雑そうに見えても原理そのものはシンプルなのが多くの武術流派の技法の真相なんですよ。

 組み合わせればどんどん複雑になるだけ。その組み合わせるやり方を手順として覚えるんじゃなくて、感覚に任せるのが武術の極意なんですよね。

 今回のセミナーでは、その取っ掛かりとしての推手のやり方を指導したんですが、相手の推してくる力の強さと方向を読み取って、力の働かない方向へとずらしながら逆に相手の隙を生じさせて反撃していく・・・。これが本来の聴勁から化勁・発勁へと繋いでいく戦法なんですよ。

 この皮膚感覚を養成する練習法として、今回は“独り推手”という私が工夫した練習法も指導しました。これを日頃からやっていると、自覚しないまま結構、上達していきますからね(近日発売のDVDに収録予定です)。


追伸;次回セミナー9/14は、『型の分解』をやります。型稽古に何の意味があるのかと思っている人も目からウロコが落ちまくる驚愕の武術稽古法の革命になりますよ。

追伸2;会員さんにお知らせです。次回日曜日(8/17)の定期稽古会は、九月発売予定の本及び自主製作DVDの撮影を兼ねて、江古田ストアハウスにて昼12:00~夕方6:00まで行います。日頃、来れない方も是非、おいでください。
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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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