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『ダンス白州2008』行ってきました!

 今年はお呼びは無くて、ちょっと寂しいな~(シクシク・・・泣)と思っていたんですけれど、支援会員になったので足を運んで参りました。

 とは言えど・・・新刊本の仕上げ作業と重なってしまって、ちょっと無理かも?と思って、師範代には「ひょっとすると俺は行けないかもしれない」と話していたんですが、「行っていいじゃないですか? “向こうで仕事すれば”(ギョエ~!)・・・」という編集担当の“鬼の一言”で、行って参りましたよ。夏、恒例の白州へ・・・。

 しっかし、まあ、韮崎からの路線バスが無くなってしまっていて、ちょっと交通の便が悪くなってたり、タクシーも値上がりしていて不況は地方にこそしわ寄せがいくものなんだな~?と思いましたね。

 宿に到着してから、しばらくマッタリしながら過ごしました。翌々日に写真撮影する本の原稿と睨めっこして打ち合わせしたり、会員さんが持ってきたクエストから出ている『武神館・九鬼神伝流』のDVD見たりして過ごしました。

 余談ですが・・・武神館の初見先生の技は、70代後半に至って尚、進化している事実が確認できて、「武術はマッスルじゃない。若さの勢いじゃない」と称えている私の理想を体現している武術家のお一人の技に、20年前に武神館の末席に入れていただいていた有り難みを感じました。

 私が直接教わった野口先生もお元気で何よりです。初見先生に離反した人も少なからずいる中で、一貫して師を敬い支え続けている野口先生のような立派な先生に習えて良かったと思います。野口道場では練習後に奥さんがスイカをさし入れしてくれたり家庭的な雰囲気の道場でしたよ。あのまま続けていたらどうなっていたかな~?(普通の社会人になっていたかもしれないな~?)

 私だって教わった先生方には全員、感謝の気持ちだけは失わないようにしています。人間的に軽蔑するしかない人もいましたが、教わった事実は消えませんから、感謝する気持ちまで捨てていいとは思いません。甲野氏を批判し続けているのも感謝する気持ちがあるからですよ。本気で嫌っていたら無視するだけ。私が首尾一貫して言い続けてきたのは、「嘘つくのいい加減に止めろよ。本当のことを言えよ」ってだけですよ。

 自分に嘘ついて周囲を騙くらかして生きていくのって、一番、不幸なことなんじゃないでしょうかね? 「勝ち組」なんて言葉が流行っていたけど、無目的に金さえ入ればいいって考え方自体が貧し過ぎる。日本の本当の貧困は心に余裕が無くなって目先のことしか見えなくなってることじゃないでしょうかね? 『ハゲタカ』で泯さんが「金なんて、ただの紙っぺらじゃないか」って言ってのけちゃうところがカッコ良かったですよね。

 さてさて、その夜、ヒカシューのリーダー、巻上さんのコンサート(と言うべきなんでしょうか? 様々な楽器?を駆使したお好み演芸会のような気もする超絶芸達者ぶりを堪能)を見るべく、同行した会員二人と懐中電灯を持って夜の道をテクテクと、通い慣れた?街灯がほとんど無い道を歩いていきました(こういう田舎の道を歩いていると、確かにベトベトさんとか現れそうだな~と思いました。脇へ退いて「ベトベトさん、先へお越し~」と言うと消えるのだそうな)。

 いや~、やっぱり暗いな~。暗いと距離感掴めないな~。道を間違ったみたいで少し遠回りしてしまいましたよ。地区の盆踊り大会があったらしく、呑気な歌が聞こえます。

 会場に到着してゴザに座ると、暗い中で「ようっ」と声が? アレ?と思ったら目前に座っていた人が田中泯さんでした。

 ここ数カ月、御無沙汰していましたが、TVの『ようこそ先輩』と『時代の響き』(これは素晴らしい内容でした。DVDで発売して欲しいくらい)と、『ファッション通信』(1カットだけだけど、もの凄い存在感にビックリ)を拝見してました。九月には横浜で踊られる予定と聞いているので、今度は何としても都合を合わせて見に行きたいと思ってます。

 さて、巻上さんのコンサートは、先日の渋谷クラブ・クアトロでのライブをイメージしていたら、ぜんっぜん、別! 正直、唖然! 何と形容すりゃいいのか、さっぱり解りませんが、最高に面白かったです。後から登場したダンサー軍団も素晴らしかった。よって、「機会があったら、一回、見てね」。(後楽園遊園地の仮面ライダー・ショーを思い出したのは私だけ? ちなみに、町田、橋本のレコード屋さんに無かったヒカシューのアルバム『生きること』、ゲットしましたぜっ)

 帰り道、山の天気は変わりやすいと警戒していた通り、小雨がポツポツ降ってきましたが、何度も来て心得ていた私は、ちゃ~んと百円ショップで雨合羽(レインコートね)を三人分用意していたんですよ。役立って良かった。備えあれば憂い無しですね(すぐ止んだけど・・・)。

 翌朝は、石原志保さんの踊りを見てから帰る予定。なにぶん、仕事が立て込んでて長居できなかったのが残念(コンテンポラリー・ダンス界の女王、木佐貫邦子さんのダンスが見れないのが残念)ですが、メイン会場の栗林で開始まで待つ間、泯さんに挨拶するとともに、写真も撮らせていただきましたよ(この期に及んで田舎者のサガは直りませぬな~。フハッ! あっ、急に水木しげるの生霊が憑いた? “写真参照”20080815_001.jpg
 ふ~む、並んで立ってるのに遠近法みたいだな~?)。

 で、石原さんのダンスは、八月十五日という終戦の日にちなんだドラマ性の高いものでした。昨年と同じらしいんですが、昨年は私は神経性腸炎でポンポンが痛くなって宿で唸ってて見損なっていたんですね。神経細いからな~、元々・・・。武術業界では鉄面皮で有名なんだけどね。

 まあ、今年は、ただ見るだけだから気楽です。

 それはそれとして、ダンス後に見物している人達も交えてダンスについて話し合うということだったんですが、自分で言うのも何ですけど、私の頭の中ではギャグ回路ができあがっていて、物凄く迂闊なことを口走ってしまいそうで、会場で氷の視線を浴びてしまったらマズイと思って、そのままコッソリと帰ることに致しました。

 いや~、最初は、「『恐怖!奇形人間』の土方巽さんのTシャツ着て行こうかな?」ぐらいのチャレンジ魂(悪フザケとも言う)で行こうかと思っていたんですけどね。世の中、シャレの解る人ばかりじゃないからな~(そういえば、以前、「もっと、武道家らしくしてください」と元会員から言われましたけどね。私に裏表使い分けろって要求すんの?)。

 それで、実際、ダンスの感想がどうかってことを書きますとですね。

 防空壕の中に潜んでいて、外に出てきて竹ヤリを持って天に吠えるんだけど、辺りは焦土と化していて、灰になった同胞を見て声無き叫びをあげる戦災孤児の少女・・・のように私は感じたんですね。いや、設定としては母親とか老婆だったのかも知れませんが、私には少女っぽく見えました。

 うちの母親の戦争体験談とかもイメージにあるからなんでしょうか? それとも、ロシア軍がグルジアに武力制圧かけてる時期だからなのか・・・(ジャーナリストの車に銃撃している映像を見た時はゾッとしました)。

 もっとも、今回のダンスが演劇的でテーマ性が明確にあっても、やっぱり私の関心は、ダンサーの“動き”に向いてしまうんですよ。

 それも、やっぱり武術的な連想がわいてくるんですよね。

 中国南方に伝わる狗拳(犬拳ってことです)や、行者拳、鴨拳を連想し、竹ヤリを見れば、「竹ヤリは先端を火であぶって水分が抜けると堅くなって強度が上がるんだよな~」とか、そんな物騒なことばっかり考えてしまう(職業病?)。

 そういえば、栗林でマッタリしている時に、去年教えた少年から、「あっ、合気道の人だ」と言われたんですが・・・、私、合気道は一時間半しか習ったことないんですけどね(確かに合気道的な技をやったからな~。拳法だと殴り合いはじめちゃうからね)。

 いや、それにしても石原さんは田中泯さん生き写しみたいな感じがしますね。錯覚したもん。泯さんが踊っているように見えてきたんですよね。何度も見てきていますけど、毎回、そのそっくり感度は上がってきていて、今回は本当に血縁の人なのか?と思えるくらいソックリでしたね。

 動きがどうこうと言うだけじゃなくて、意識のブッ飛び具合が凄い。アレを芝居でやれって言われてできる役者がいるんでしょうか?

 泯さんが役者で登場している作品を見ていて、共演している役者さんがビビッてるのが読めるんですよね。演技の論理を超えたところにある表現だから、太刀打ちできないし、役者の演技論の文法では解釈できないから困惑してしまうんでしょう。その困惑ぶりが覗いて見えるところを私はニヤニヤしながら見てしまうんですけどね。

 泯さんは、足の土踏まずのところを痛められていたそうですが、そんなところを痛めるというのは、一体、どんな踊りをやったのかな~?と、私はついつい稽古内容を想像してしまうんですよね。アキレス腱を切ったとかギックリ腰、膝関節周辺の腱、脊柱起立筋を痛めたとか、そういう故障の仕方なら解るんですけど、土踏まずの腱を痛めるというのは強く石を踏んだとか、そういうことでもないと普通は故障しませんよ。

 私も縮地法の研究やってた頃に土踏まずのところを伸ばして少し痛めたことあるんですが、これは足の踏み方と重心移動を工夫していて、“やっちゃった”って訳で、普通の武術の稽古でここを痛める人は滅多にいないでしょう。使わないんだから(あっ、そうだ。思い出した。沖縄空手の訓練法の中には足指を目一杯使ったり足の甲を着けて歩くカニ歩きの訓練とかやる人いるから、あれだと痛めるかも?)。

 いかに苛烈な訓練を積んでいるか?ということが想像できるだけでしかありませんが、想像するのと実際にそれをやるのではまったく次元が違う。

 泯さんと私が並んだ写真を改めて観てみると、私が単に破壊力が生み出せる身体を求めて内功を蓄積させて膨張したメタボ体型になっているのに対して、泯さんは無駄な肉をそぎ落として丹念に鍛え磨き上げられた名匠の作った日本刀みたいに見えるんですよね。

 名刀は、自己主張しないものです。ただ、端然と佇立するだけで自然と一体化して気配が消える・・・やっぱり、このオジサンは凄いわ・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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