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海上自衛隊特殊部隊隊員の死亡について

 海上自衛隊の特殊部隊の訓練中、隊員が死亡したというニュースが出て問題視されています。

 自衛隊の特殊部隊と言えば、私は『野性の証明』の特殊工作隊を思い出してしまうんですね。

 あの作品(映画)のクライマックスは原作とは違っているんだそうですが、通常の自衛隊隊員を秘密を護るために暗殺してしまう描写は、まるで時代劇の忍者みたいな非情さでした。

 それを県警の刑事(夏八木勲)が「あいつらはキチガイだ! 何故、自衛隊同士で殺し合うんだ?」と憤慨しますが、元特殊工作隊員の味沢(高倉健)は、「あいつらは人殺しなんか何とも思っちゃいないんだ。俺と同じだ・・・」と自嘲気味に言います。

 そもそも、軍隊というのは祖国防衛のために敵を殺すことが使命なのです。国を衛るための命令なら同じ国民であっても殺す。それが軍隊というものの本質であり人道は眼中にないのです。

 軍隊で言う“戦い”とは、“殺し合い”を意味する訳で、祖国の防衛のためという大義のために、“敵を抹殺すること”を目的にし、それを先鋭化させたのが“特殊部隊”である筈です。

 例えば、警察庁においてもSATやSITの存在は長く秘密にされていましたし、それが自衛隊であれば存在しないほうがおかしいと言わざるを得ません。

 拳銃を持って立てこもった犯人をSATが囲みながら、撃たれた警察官を助けることもできず、流れ弾でSAT隊員が運悪く死亡した事件も記憶に残っていると思います。

 人道を優先して犯人を説得しようとしたがために、警察官が犠牲者になった現実を考える必要があるでしょう。

 類似の事件では西鉄バスジャック事件も思い出します。あれも犯人が未成年だからという理由で無傷で取り押さえようとしていましたが、牛刀で無抵抗の乗客を刺し殺しているんですよ? アメリカだったら、さっさと狙撃されているでしょう。

 私は、凶悪な犯人の人権なんか考えることはないだろうと思います。殺人を犯そうとしている者は狙撃して被害者を出さないようにするのが正しいと思います。

 過激だと思われる人は何か勘違いしていますよ。人を殺そうとしている者は殺される覚悟もしていなきゃいけない。ならば、悪事を働かせず、被害者も出さないようにさっさと命を縮めてあげるのが天の配剤というものではないですか?

 北朝鮮にしろ中国にしろ、軍隊のトレーニング風景などはニュースなどで平然と公開しています。これは「我が国の軍隊はこんなに戦闘力があるんだぞ」という威嚇をしている訳です。

 それは、「いざとなったら暴力で制圧するぞ」という意味であり、倫理観を持ち出して是非を論じる余地はありません。聞く耳は無いという意思表示なのですから・・・。

 軍隊というのは人間性を剥奪して殺人マシーンと成り切れる者が優秀とされるところなのです。

 以前は、「自衛隊は体力に自信があれば食うに困らない、いい商売だ」という就職先として地方出身者の間では一定の人気がありました。

 まず戦争に駆り出される心配がないから・・・という理由でGunマニアの選ぶ就職先としてダントツ一位だという話もありました。

 後はやっぱり、武道をやっている人。自衛隊の徒手格闘術は日本拳法をベースに独自に実戦性を高めた優秀な格闘技であるとしてマニア間で人気があったのです。

 で、今回の15人組手での隊員の事故死が、配置換えを願いでた隊員への見せしめとしてヤキを入れられたものではないか?というニュースでしたが・・・。

 この、“見せしめ的な組手”については、あり得る話だと思いました。

 どうしてか?というと、私も中学時代の剣道部と大学時代の古武道部の時に体験したからです。

 特に大学の時は六尺棒で顔面打たれて口切って歯がグラグラになったし、今でも、あの時の先輩の「いや~、悪い悪い・・・」と薄笑いを浮かべていた顔は忘れませんよ。

・・・と言えば、私はこの事件を批判すると思うでしょう?

 でも、特に批判しようとは思わないんです。

 どうしてか?というと、あの時、わざと顔面を棒でぶん殴られたお陰で、闘志が燃えて、「よ~し、この先輩が及びもつかないくらい絶対に強くなってやる!」と思いましたし、楽しい練習だけで良い思い出に終わっていれば、私はここまで武術を続けてこなかったかもしれません。

 メラメラと燃え上がる憎悪の炎が、私の武術熱の燃料となっていたのですし、お陰で普通だったら経験できない面白過ぎる経験を沢山してきました。挫折を繰り返すことが、折り返し鍛錬される日本刀みたいに私の武術を形作ってきたのだと思うのです。

 だから、恐らく、今、この時の先輩に会っても恨むような気持ちは出ないと思いますし、「あ~、先輩、お久しぶりです。お元気ですか?」と言えると思うのです。

 何故なら、この先輩は、「武道をやるのは就職に有利だからだよ。卒業したらやらないよ」と言っていたからです。多分、今、会ったとしても私は専門家になっているのですから、腕前を競う対象にもならない筈で、仕返ししたいという気持ちは起きないですよ。

 六尺(180cm)の赤樫の棒でぶん殴られてグラグラになった歯は、自分で抜いてしまいましたが、目玉が潰れたのでなかっただけマシですよ。


 学生時代は武道のクラブの先輩というと鬼のように強い人に見えましたが、今となっては大学生の武道クラブの部員と言っても武術については何も解っておらず体力に任せて闘うしか知らないもので、カワイイね~としか思わないんですよ。

 私の住んでる相模原市渕野辺は青山学院、桜美林大、麻布大といった大学があるので、武道をやっているらしき学生もよく見かけますが、やっぱりスポーツとしてやっているようにしか見えません。

 最近はかつてのバンカラな武道部員みたいな連中は姿を消してしまって見かけないですしね。

 余談が過ぎましたが、15人と順番に一人で組手をするというと普通の人は驚くでしょうが、空手系の武道だと時々ありますし、海外の武道だと普通にやるでしょう。

 ですから、自衛隊の特殊部隊の訓練だと言うのなら、それは当たり前なんじゃないか?としか思わないのです。

 そもそも、そういう訓練に耐えられないなら除隊すべきだし、実際に厳しい訓練に嫌気がさして逃げ出す自衛隊員の話もよく聞きます。

 国の防衛を果たすための訓練ならば、そこに感情的な倫理観や常識を差し挟むのはどうかと思うのです。

 まして、特殊部隊であれば、敵と殺し合いをしなければいけない。その訓練なら並の体力精神力の人間がふるい落とされるのは必然でしょう。そうした訓練をくぐり抜けられない者が、もっと厳しい戦場をくぐり抜けられるでしょうか?

 大相撲の“かわいがり”の末の虐待死事件とはまた事情が別だと思います。相撲は殺し合いじゃないのですから、死ぬまでやらせるのは明らかに行き過ぎています。

 が、特殊部隊の訓練であれば、敵を殺すか自分が死ぬか・・・その訓練を常識の範疇で判断するのはお門違いだと私見します。

 多分、私の意見に納得される人は少ないでしょう。非道で冷酷な考えだと非難する人もいると思います。

 ですが、仮に、その辺の大学の武道サークル程度のぬるい訓練にしてしまったら、どうなりますか? 苛酷な訓練をくぐり抜けてきた精鋭が揃っている外国の特殊部隊とかち合った時に、まともに戦えますか? あっという間に全滅してしまいますよ。

 私が武術に求めたのも身を護れる技能を体得することが目的でしたから、趣味として練習を楽しみたいということは実はあまり考えていませんでした。

 幸か不幸か、私は持病があって体力的に厳しい稽古に耐えられなかったから、稽古法を自分で工夫せざるを得なかっただけで、丈夫な身体に生まれついていたらガシガシ限界に挑戦したかったですよ。

 私は、日本人はもっと強くあって欲しいと願います。かつての侍たちのように平和の中であっても戦乱を忘れず、いざという時に身を護れる術と覚悟を備えていて欲しいと思っています。それも一般人のレベルでそうあって欲しいと思っています。

 ですが、今の日本人は世界でも最も脆弱な民族になり果てているんじゃないか?と、そんな気がして仕方がありません。

 上司に叱られた程度で易々と自殺してしまうような人間がゴロゴロしている。どうして、頑張って見返してやろうとしないのでしょう? さっぱり理解できません。

「それは、長野さんが強い人間だから、そう思うんだ。普通の人間は弱いもんだよ」と、以前、社会運動をやっている人から窘められたことがありましたが、私は丸で納得できませんでした。

 私は全然、強い人間じゃありませんよ。ただ、弱い人間に甘んじていたくないだけ!

 だから、武術を選んでずっと続けてきたのです。弱いままの自分でいたくなかったから、30年以上も続けてきているのです。

 もちろん、武道や武術が手放しで良いものだと人に勧めるつもりはありません。嫌な面も沢山見てきました。

 中学校で武道を体育の正課にするという文科省の決定にも賛同しません。一体、誰が教えるのか? 武道なんて一朝一夕に身につくものじゃないんだから、未熟な人間が指導すれば害のほうが大きいのではないか?と思うからです。

 特に、大学の武道クラブのシゴキで事故死する例の大半は、実質的に傷害致死事件だろうと思っていますから、もしそれが中学にまで広がったらどうするのか?と心配です。

 結果としての良し悪しは、過程の評価の材料とは必ずしもなりません。けれども、目的が定まっていれば、そのために必要な為すべきことも必然的に定まります。

 中学校で武道を体育の正課にする・・・これは目的が曖昧過ぎる。もし、礼儀作法を身につけさせるのが目的ならば、伝統的な礼法そのものを学ばせたほうがいいでしょう。

 どうも、体罰を容認させるための苦肉の策みたいな印象を受けるんですが・・・。


 さて、一方で、海上自衛隊特殊部隊の訓練中の死亡・・・という事件に関しては、見せしめの意図があったとしても、果たしてそれを問題視できるのか?と私は思うのです。

 殺し合いを前提にした部隊の訓練だという点をよく認識しておいたほうがいい。そういう外道な場に立ち入った者に人道を当てはめて論じること自体が“論外”でしょう。スポーツクラブか何かと勘違いした論議を聞くと、阿呆ではないかと思ってしまう。

 もちろん、私は戦争絶対反対、軍隊なんか関係ないと思っている人間ですから、結論として是非を問われれば、非と答えますけどね。

 国のために戦ったりなんか絶対にしない! 私が戦うのは自分と自分が守りたい人達を守ると決意した時だけです。だから、国を守る軍隊なんぞには与しない。

 でも、それは私の事情です。私が自分の生き方としてそう選ぶと決めていることであって、それが正しいとか他人に勧めるつもりもない。

 そこで提案。

 どうしても国防のための特殊部隊が必要だと国の偉いさんが考えるのなら、日本の優秀なロボット工学技術を見せつけて諸外国をビビらせるアーマード・トルーパー部隊を作ればいいと、私は本気で思っていますよ。

 ハッタリで作っておいたって「日本人なら作れるだろう」って、外国は勝手にビビッて、たやすくチョッカイ出せなくなりますよ。そのくらいのトンチを使ってもらいたいもんです。この領域なら日本に敵う国はないんだから、本気で研究開発すればできますよ。

 そうすれば、少なくとも前時代的で無益な歩兵訓練で貴重な人命を失わずに済む。

 亡くなられた方には本当にお気の毒と言うしかありませんが、この機会を無駄にすることなく、本当に中身のある国防と“日本人(日本国ではない!)”を防衛するために為すべきことが何か?という論議をしてもらいたいと思いますね。

 私は、あくまでも独りで戦うと決めているので、他人に「戦え」と言うつもりはありませんが・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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