コンテントヘッダー

宗教・精神世界・気を取り巻く状況

 私が宗教に関心を持ったのは学生時代。今から25年前のことです。

 高校生くらいから超能力やUMAに興味があったので、大学に進んだ頃から『ムー』とかを愛読するようになり、その延長で“精神世界”にも関心を持つようになりました。

 そんなある日、当時、岡山市の繁華街でアンケートに答えたことからビデオセンターというところに連れていかれて、初めて本格的?な宗教概念に触れることになりました。

 御承知の人も多いと思いますが、このビデオセンターというのは、世界キリスト教統一神霊協会、略して“統一協会”の信者獲得のための伝導所だったのですが、当時は新興宗教の実態などには無知だったので、「は~、面白いね~」くらいの気持ちでした。

 宗教というよりサークル活動みたいな感じだったので、洗脳して信者を獲得する催眠宗教の老舗みたいなところだとは知らなかったのです。

 ところが、私を誘った人と討論している時に、私はブルース・リーが影響を受けたというインドの哲人クリシュナムルティに凝って何冊も本を読んでいたので、彼の説く“徹底的に否定を繰り返す中から最後に残る真実を観よ”という一種の論理的思考によって真実に到る方法論を実践している最中だったので、完全にその人を論破してしまいました。

 が、ぐうの音も出ないくらい私に論破されてしまった彼は、突然、「あなたは私の信仰心を試しにきた悪魔だ!」と叫び出してしまいました。

 以後、脅迫的内容の手紙も来ましたが無視していましたら、それっきりになりました。

 この時の体験から私は宗教や心理学の本を片っ端から読み漁るようになり、「人間はいかにして洗脳されていくのか?」という心のメカニズムについて勉強するようになりました。

 不思議なことに、そんな宗教に対して否定的な見方をする私には、様々な宗教的団体の勧誘が次から次にやってきました。エホバの証人・日蓮正宗・創価学会・阿含宗・オウム真理教・ザイン・・・等々。

 私は、今でも特定の宗教理念を信仰している訳ではありません。が、成り行きで入信の儀式を受けたこともありますし、信仰心はなくとも、今は宗教の存在意義を否定しようとも思っていません。

 そもそも、宗教とは何か?と考えた時、それは「自分の頭で考えたものではない既存のイデオロギーを考え方の基盤とすること」ではなかろうか?と私は思うのです。

 ですから、社会主義・共産主義も無神論(唯物論)という宗教だと考えられると思いますし、思想哲学に絶対的権威者としての神や仏をいただくことが宗教の根源ではないかと思うのです。

 つまり、“絶対権威主義”なのです。

 人間は自分が信じる権威を否定されると猛然と反発するものですし、宗教戦争の根源にもこの心理が作用しているものです。

 アメリカの大統領選挙になるとキリスト教原理主義者の票獲得が論じられますし、日本だって、創価学会員票を獲得するために公明党を味方につけた自民党・・・みたいな構図がある訳です。

 選挙は数の論理で動くものですから、そのことを批判するつもりはありません。TVは視聴率を気にするし、出版社も部数を気にするもの。数字の大きさが権威の強さを決めるのが世間の法則というものですし、私もこの年になって青臭い批判をするつもりもありません。

 数字が神様ですからね。それが現実です・・・。

 でも、宗教にしろ精神世界にしろ気にしろ、本来、世間的なルールとは無関係な純粋に個としての人間の内面に向き合うものだった筈です。

 それが商業主義に呑み込まれて金を生む錬金術へと変わり果ててしまっている点に問題がある。

 お布施という名前の膨大な寄付金であったり、数百万~億を超える法外な料金のセミナーや、実体のない気を込めた石ころや水が馬鹿らしいほどの金額で売り買いされたりする現場・・・そういう無内容のものが金に変わっていく様子は異常というしかない。

 税制改革が論議される時に必ずといってよいくらい宗教法人の優遇税制が問題にされていますが、なぜか毎度スルーされていってしまう・・・。これは政治家がいかに宗教団体に支えられているのかを間接的に証明していると私は思います。

 莫大な資金と人が動く政治にとって有力な宗教法人を敵に回したくはないのです。

 ここ最近はアムウェイなどのネット・ビジネス(マルチ商法と言ったほうが通りが良いでしょう)の広告塔をはたしていた政治家が槍玉にあげられたりしていましたが、これも一種のスケープゴートでしょう。

 政治家や芸能人、プロ・スポーツ選手といった知名度のある人間を広告塔に用いるのは企業戦略としてどこでもやっていることですし、表向きに発信されずとも宗教団体内の機関紙にそのような著名人が登場するのも毎度毎度のお定まりのことです。

 私は何も金が汚いとか文句をいいたい訳じゃありません。きちんと世の中に還元されていく活きた金の使い方がされるなら良いと思います。

 でも、現実にはそうなっていないでしょう?

 金融危機、世界恐慌前夜と叫ばれていても、金が無くなっていっているんじゃなくて、適正に循環していないことが問題なんですよ。それを不安を煽っていたら誰もが用心して金を使わないようになる。

 市場を流通する金が足りなくなれば景気も悪くなる。悪循環ですよね。

 市場が人体でお金が血液だとすれば、現在は人体のいたるところで血栓ができてしまって血管が詰まり、人体のあちこちで細胞が壊死している状態ですよ。

 わかりますか? 町を見渡してみてお店や工場がどんどん閉鎖されてテナント募集の看板が目立っているとは思いませんか? これは市場にきちんとお金が循環しなくなったからですよ。

 パソコン上でお金だけを動かすような不健康なことをやり過ぎたからだと思いますよ。

 この“血栓”が心臓や脳に回ったら致命傷になります。マネーゲームをやめて、きちんと仕事で金を稼ぐ世の中に戻していかなくちゃダメですよ。

 何か、今の世界的な経済危機は、「きちんと働いて金を稼ぐ」という健全な姿を忘れて誰もが一獲千金を求めてマネーゲームにうつつを抜かしたシッペ返しだと思いますし、その予兆としての“宗教・精神世界・気のビジネス”の狂乱が1980年代から続いてきたことと無関係ではないだろうと思うのです。

 雑誌なんかも広告費でまかなっていかないと売上だけじゃやっていけない。だから、提灯記事しか書けなくなる。すると、つまらないから益々売れなくなる。

 もうね~、八方塞がりだと思う人がほとんどでしょうね。

 だけど、不況で消費が落ちてるからこそ、娯楽産業の価値は逆に上がると思いますよ。暗い世相だから、明るく楽しいものが求められる。本当に面白いものなら売れるよ。

 だって、よく考えてください。いくら不況だって言ったって、戦後の荒廃して食うものすら無かったような時代に比べれば現代は天国そのものですよ。

 ノラ猫なんか丸々肥えてるじゃないですか? 全然、大丈夫ですよ。

 本来、宗教や精神世界、気の世界というのは、こういう暗い世相でこそ価値が求められるものだった筈なんです。だって、意識の世界を扱っているんですから。

 私がやっている武術も、身体を鍛えてどうこうというものではなくて、やっぱり意識を扱うものなんですね。自分の内面との対話であり、人と向かい合う中で相手の内面を探るある種のコミュニケーションの手段という側面もある。

 それが“読み”です。

 格闘技だと“我の押し付け合い”で相手を圧倒するレベルで終わってしまう人が多いですが、中には相手を読んで闘っている人もいます。

 武術の場合も、自分の技に埋没してしまって少しも相手を観察しない人のほうが多いのですが・・・。

 11月1日付読売新聞朝刊の「日本の知力 宗教で考える 特別編」を読んで、山折哲雄氏(「現代の荒廃 試される和魂」)の論と上田紀行氏(「今こそお寺ルネサンス」)の提言には、なるほどな~と感じるものがあったんですが、内田樹氏の意見には「?」としか思えなかった。

 この違いは、結局、宗教に対する理解度の差なのかもしれないと思われました。

 内田氏の論は身体論と(個人的な)宗教観を無理に繋げて自己の得意な領域に引き込んで論じてしまっているような強引さと、最近流行のスピリチュアル・ブームと超能力などもゴチャ混ぜにして論じているような統一の無さ、整合性の欠如が目立っていたのです。

 結果、宗教の根源に対する認識の甘さや、その周辺領域に関しての見識の低さを露呈してしまっていました。

 そもそも、新聞記事の企画意図にそぐわない人選だったと言うしかないでしょう。つまり、「宗教を知らない人に聞いちゃった」ということです。

 もっとも、メディアはしばしば、このような人選ミスをおかすものです。

 そして、学者という知の権威にとっては、「それは知らない」と言うことが難しいものなのかもしれません。専門外のことでも無理して自分なりの見解を答えてしまうかもしれません。それは知の権威としての威厳を示したいとする欲求があるからでしょう。


追伸;游心流のホームページがリニューアルされています。かなり見やすくなっていると思いますので、是非、ご覧ください。

追伸2;来年の年間セミナー一括予約半額セールは終了しました。お申し込みいただいた方、ありがとうございました。本年のセミナーは11月9日(格闘技に活かす武術)と12月7日(総まとめ)の残り二回となりますが、予約金を支払いながら都合で参加できなかった方のために補習セミナーも計画しております。初めての方も参加できますので御希望の方は問い合わせください。

追伸3;教材DVD及び、発勁・合気・丹田のセットDVDは、神田神保町の高山本店でも販売しております(一割引き)。都営新宿・半蔵門・三田線の神保町駅を降りてすぐ、神田古書センター一階です。都内近郊にお住まいの方はどうぞ。アスペクトの武術シリーズ本クエストのDVDシリーズは、書泉グランデをお勧めします。見逃していた方はどうぞ。
関連記事
スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー
著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

FC2カウンター
リンク
最新記事
カテゴリー
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

月別アーカイブ
ブログ内検索