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『武術と生きる日々』文芸社刊、脱稿!

 来年一月に発売される新刊の原稿も一稿を直し、二稿目の修正と仕上げも終わり、会社に直接持っていって、無事、私の手を離れました。

 御承知の通り、この本は共同企画出版という形式で、初回刊行分の製作費用などを全て私が支払う実質的には自費出版本です。

 出版の経緯は書いてきましたから、繰り返しになるので割愛します。

 しかし、皆様のお陰で費用の頭金も支払うことができ、ひと山越えました。まだ、12月5日までに電子書籍の費用も支払わねばなりませんが、結果的にお金を作って本を出すというもの書きの初心者に戻って書いたことは、自信にも繋がったような気がします。


 さて、そんな苦労して出版にこぎつけた本ですが、これは私の初の自伝的なエッセイになりました。

 周囲の人達からは「早過ぎるんじゃないの?」と言われましたが、やっぱり、今、この時期に書いたから価値があるように思っています。ひょっとすると、二度とこういう本は書かないかもしれないと思って、気を入れて書きました。

 小学校の頃、中学の頃、親のこと、学生時代、修行時代のこと、K野先生のこと、貧乏生活のこと・・・何だか、書いても書いても、まだまだ書きそびれたことが思い出されて、半分も書けなかったように思います。

 親父と一緒に写った写真、唯一の試合の写真、今年の夏に田中泯さんにお願いして一緒に写った写真も、掲載してもらいます。

 恐らく、私の人生も折り返し点はとっくにターンしていると思いますが、無事に完走できるかどうか・・・いや、そもそも、よく今までやってこれたな~?と感心してしまうんですが・・・。

 正直、私は“武術”に取り憑かれてしまった人間で、最早、“武術”と離れて生きることなど考えられなくなってしまいました。それは多分、“武術”に選ばれて、何かなすべきことがあるんだろうと解釈するしかないのです。

 好きでやっているのかどうかすら、もう、定かではありません。ふと、「俺は何をやっているんだ」と思う瞬間が周期的にやってくるのです。

 でも、少なくとも嫌ではない。飽きるということもない。

 例えば、刀。

 先日は、刀屋さん(横浜名刀店)で、ふと目についた“南蛮鉄を以て此れを鍛え、甲を截断する”と茎(なかご)に銘切りしてある刀(藤原綱廣)に視線が釘付けになってしまいました。

 甲を截断ということは、「鉄が切れた」という意味で、要は“斬鉄剣”だということなんですね。

 小林刀を探そうか?と思っていたところだったんですが、この刀が非常に気に入り、買うことにしました。

 刃文も気に入って、これは乱れ刃の焼きが飛び焼き(玉のような刃文から離れた焼きが出ていること)や、棟焼き(峰の方にも焼きが入っていること)もあり、非常に華やかで明るい調子が気に入ったのです。皆焼(ひたつら)というほどに全面に焼きは入っていませんが、日本刀博物館で見た村正にも似た感じがします。

 南蛮鉄(洋鉄)を使っているというので日本刀の材料である玉鋼(和鉄)を使っていないのかもしれませんが、私は異風のものが好きなので、特に気にしません。

 茎(なかご)には、目釘穴が沢山あいていたので、磨上げてあるのかも知れませんが、刃渡りは二尺一寸ちょっとと短く、拵えも付いていません。古くからのものを軍刀拵えにしていたものかもしれません。

 日本刀というのは作られてから数百年経過しているものがざらにあるので、時代によって形を改造されていく場合が多いんですね。

 私も以前は長い刀が大好きだったんですが、最近は実用を考えて二尺一~二寸くらいの短目の方が実用的かもしれない?と思うようになっていたので、まさにバッチリでした。

 数年前だったら、この寸法の刀には全然、興味がわかなかったんです。

 今は、早くこの刀を引き取って、この刀の機能を一番引き出せるような拵えを工夫して作ってみようと思っています。


 まあ、このように、刀のことになると夢中になってしまう。

 そして、夢中になっていると、新体道の剣術のDVDを貰ったり、書店で鹿島神流の稲葉先生の演武(素晴らしい!)が収録されているDVD付き写真集を見かけて買ったりするんですね。

 何か、運命に操られているんじゃないか?ってくらい、次から次に関連して出てくる。

 あ~、これって、今度は剣術をやれってことなんだね~?

 こういう研究テーマが何か降ってくるみたいにやってくるんですよね。だから、永岡書店の空手道合気道のDVD教本の仕事をした時も、「空手・合気の研究をしなさい。そのために最高の先生に会わせてあげよう」みたいな感じがしたし、実際、物凄く濃密な研究ができましたよ。

 出会った先生はすべて師匠だと私は思っていますよ。いや、出会ってなくても本読んだだけでも話を聞いただけでも「師匠だ」と思う場合もあります。

 武術・武道にすら限らない。

 私にとっての出会いと別れは、何だか凄く運命的に操られているみたいな気がして仕方がないんですよ。

 これは、一月に出る本『武術と生きる日々』を読んでもらえば、「へ~、なるほどな~」と納得していただけるかもしれません(12月に電子ブックでは出るらしいです)。

 最終の直し原稿を会社に直接持っていって、担当編集の方と初めて顔を合わせてお話した時(剣道をやってらした方だったので、半分以上、K野さんの困ったちゃんっぷりを話して爆笑)も、版下を組んでもらっている人がたまたま極真空手をやっている人で、私のことも知っていたらしく、いつもは仕事として中身も読まずに組んでいたのに、今回はじっくり読みながら仕事されていたとか、ありがたい話を聞きました。

 文芸社さんの専務の方も武道が好きで私のこともご存じだったそうで、「えっ、この人の本、うちから出るの?」って興味津々だったそうです。

 う~ん・・・私は達人や名人にはなれないかも知れないけど、有名人にはなれそうな気がしますね~(って、それってどうよ?)。

 思えば、最初に企画担当の方から「長野さんが最も自信のある長野さんにしか書けない原稿を書いてください」と言われた時まで自伝にするつもりなんか全然なかったんですが、ふと思いつきで書いてみて、できあがったものを読み直すと、まさしく、この本は私以外の誰にも絶対に書けない本になりました。

 来年は、0から出発するつもりで頑張っていこうと思います。

追伸;編集担当の方と話していた時、「K野さんってメチャメチャ面白過ぎる人なのに、どうして、誰もいじらないのかな~? いっそ、僕が本人の代わりに自伝書いてあげましょうかね~? いや、それとも彼を主人公にした格闘漫画なんてどうですかね? 主人公が毎回、メタメタに負けるんだけど、やられながら“気づき”を得て格言がバ~ンとか出て終わるんですよ。主人公が負けるってのが斬新でしょ?」って話していたら腹抱えて笑ってました・・・。う~ん、この企画、いけるかも・・・?
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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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