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千恵蔵御大の実力は?

 60代以上の年配の時代劇ファンの方なら、チャンバラの上手い名優として、坂東妻三郎、嵐寛十郎、大河内伝次郎、市川右太衛門などの名前を挙げるでしょう。

 で、ディープなチャンバラ・ファンだと近衛十四郎を挙げる人がいます。

 ケーブル・テレビのお陰で私が生まれる前の昔の時代劇もかなり見られるようになったんですが、総じて昔の時代劇俳優はチャンバラが上手いですね。

『琴姫七変化』なんて、資料本でしか知らなかった作品も今では普通に見られます。この作品の主役の松山容子って知ってる人は少ないと思いますけど、実は30代以上の日本人なら大体、知ってると思うんですよ。

 それは、ボンカレーの箱の表紙に載っていた人だからです。

 この人がチャンバラやっているのを見たのは、この年になって初めてなんですけど、やっぱり主役を張るだけあって、かなり上手いです。柔術で対戦するシーンもありましたけど、相当に訓練していないと演じられないと思いますよ。

 それはそれとして、以前、殺陣に関する評論本を読んでいて、片岡千恵蔵は殺陣は苦手だったと書かれていて、「あ~、そうなのか?」と思っていたんですけど、その千恵蔵御大が主演した『素浪人忠弥』という白黒の時代劇を、この前、東映チャンネルで見たんです。

 忠弥というのは、由井正雪の乱の時に正雪一派に与していた槍術の達人、丸橋忠弥のことですね。“丸橋”という名字が、新陰流系剣術の極意、“まろばし”の当て字と思われることから、新陰流系統の流儀を修行していたのではないか?とされます。

 義侠心の篤い人だったとされ、狡猾な由井正雪に利用されただけの悲劇の剣豪として描かれることが多いです。

 この作品、クライマックスの槍を揮って奮戦する千恵蔵御大が、物凄いんですよ。

 道場で群がる捕り方を槍でウンカを払うように倒していき、庭に出て、さらに屋根に登るんですが、屋根の上で槍を揮っての大殺陣は唖然とするばかりです。

 刀ならどうとでもできるかも知れませんが、槍となると長さといい重さといい、ごまかしが利きません。2mを楽々超える長さの槍を屋根の上で揮うというのが、どれだけ至難の技か?

 私も十文字鎌槍持ってるから解るんですけど、刀の何倍も大変ですよ。しかも、足場の悪い屋根の上なんだから・・・。

 以前、小説『それからの武蔵』を映画化した『剣豪二刀流』で千恵蔵御大の武蔵を見て、「あれっ、上手いじゃん?」と思ったんですけど、今回の『素浪人忠弥』の殺陣には本当に驚かされましたよ。

 そういえば、千恵蔵御大が殺陣が苦手みたいに書かれていた本では、「加藤剛は動きが堅くて全然ダメ」みたいに書かれていましたけど、私は全然そうは思わなくって、背筋がピシッと伸びた実直な剣風が人柄ともリンクしていていいと思うんですよ。

 もっとも、若山先生や滝田栄を高く評価していたのには我が意を得たりと思いました。

 私の場合、自分が武術やっているから、チャンバラの観点じゃなくなってくると思うんですけど、やっぱり、評論するなら自分もそれなりに修練してみることをお勧めしたいですね。

 やっぱり、やってみなければ解らないということは基本認識として持っておくべきですよね。この本では「日本刀は10kgもあるから素人には振り回せない」みたいに決めつけて書かれていて、私は思わず、「それは違います。実際の真剣は1kg前後でしかなく、ちょっと重い木刀くらいだから、振り回すだけなら素人でもできます」といった手紙を版元に送ったことがありましたけど、当然ながら返事は来ませんでしたね。

 でもね~、あまり極端な間違いが書かれていたらマズイんだし、「貴重な意見をありがとうございました」くらいの返事を出す器の大きさが見せられないもんかな~?と思いましたよ。

 私、本のアンケート葉書を書き送ってもらったものは全部、目を通していますよ。中で貴重な意見だと思ったら返事出したりしますもん。

 だって、世の中には誰にも知られないように研究している人も必ずいるものだし、特に武術業界では有名な人より無名な人のほうがレベルが高かったりする場合が多い。

 松田隆智先生や青木宏之先生は、私が全然無名だった頃から才能を認めてくださいましたよ。

 本当に洞察力のある人は相手の本質を観て将来性を先物買いするもんですよ。

 専門誌に一切出ないのに何冊も本出して売れてるというのは、前代未聞でしょうね。だけど、これは私の力じゃありません。私は、読者が求めているものを発表してきただけ。

 私は基本的に“武術オタク”だから、オタクが求めるものが解る。自分が求めるものを書けばいいだけなんだから、苦労はしませんよ。

 専門誌が売れなくなっているのも、読者の要望を見極める努力をせずに、一方的に洗脳して買わせようという上から目線の考えから抜け出せないからでしょうね。

 何しろ、武術の雑誌なんて30年前から内容が変わってないんですよ? 読者が実践して経験値が高まっていけば見捨てられるのは当たり前ですよ。そこが見えていない以上、先細りはしても発展はしないでしょうね。

 武道関係の出版社の人も、このブログを読んでいる人がいると思いますから、敢えて書きますけれど、今のままでは軒並み会社潰れますよ。

 私、いくつも書店回ってますけど、武道の専門雑誌を置かなくなっている書店はどんどん増えています。売れないから取り次ぎ店が受けなくなったんだろうと思います。

 これはどこの出版社でも同じですが、武道は特に顕著ですね。

 内容が特に薄くなったということじゃないんです。読めば、それなりに興味をひく記事はあります。

 ただし、売れなくなるというのは、固定読者が経験値を高めていくことによって、読むべき内容が無くなったと判断して遠ざかっているんだと思いますよ。

 はっきりいって、従来の、単なる流派の紹介記事では、もう読者をひきつけることはできないでしょう。初心者を開拓しようとするにはマニアック過ぎるし、経験者を満足させるには突っ込みが足りない・・・だから、売れなくなっているんですよ。

 編集している側が読者の視点を無視して上から目線で書いているのが一番のガンです。

 それに、インターネットでいくらでもディープな情報が集められるでしょう? 玉石混淆の状態であっても、単に情報を提示するだけならインターネットには敵わない。

 だから、私のところに習いに来る人の中にも、平然と「ブログを読んでいるから本は買ってません」という人もいたんです。本に書けない危ない領域でもブログでは書いてしまってますからね・・・。

 だけど、実をいえばブログにだって書けないことは沢山あるんですよ。私の性格をよく知っている人だったら、私が何でも簡単に教えてしまうように見えても、実際は昔気質で肝心なところに関しては信頼関係を優先する人間だと認識している筈です。

 そんな具合なので、「技を隠して教えてくれない」と文句を言う人もいたりするんですが、それは、私がその人の態度や日常的な行動を観察して「教えるべきじゃない」と判断しただけなんですね。

 精神面の未成熟な人や礼節を弁えない人に簡単に人体を破壊できるような技を教えてはいけないでしょう? こんな簡単なことも理解できずに人を恨む・・・。私は自分の判断が正しいことを確信するだけです。

 武術を学ぶ場合に最も重要なことは、「謙虚に学ぶ」という、これだけです。

 傲慢な態度を一度でも見せたら、もう、私は一切教えませんね。傲慢な心根の人間は技を体得すればするほど、その傲慢な心が肥大化していくばかりです。そうやって誇大妄想狂になって現実が見えなくなり、世の中に適応できなくなりかねないからです。

 自然体でいるということは、実はとても難しいことですよ。どんなに計算してボロが出ないように言動に注意していても、その“あざとさ”は簡単に透けて見えてしまうものです。文章にも出る。

 私はわざと相手が怒るようなことを書いたりしますが、感情が揺さぶられた時には、大体、二つの対応に分かれますね。

 不快感を示して反論する人か、あるいは感情を圧し殺して関係ないことを書く人。

 普通は前者を嫌がる人が多いと思いますが、本当に信用できるのは前者です。感情を圧し殺す人は計算高く人を利用することを考えるタイプだから、信用しないほうがいい。

 もっとも、素直にハラを割れない人というのは本人も可哀想だな~と思いますよ。だって、ハラ割って話せる親しい人がいるということが、人間にとって、どれだけ幸せなことか・・・。

 人との間合が近くなると、ケンカになったりトラブルになったりすることも多くなりますよ。でも、それを怖がっていては何も発展しない。

 私の武術は接近密着戦法が主体ですが、触れ合わないと技も術も成立しない。遠くから気で相手を操ろうなんて馬鹿なことをやっていれば、自家中毒を起こすだけなんですよ。

 そうそう、千恵蔵御大の槍捌きは、離れた相手を突くよりも、柄を使って払い倒す方が多かった。槍穂と石突で前後を突き、柄で払い倒す・・・誠に正しい槍術の見本を見せてくれていました。

 最後は、屋根の上から勝ち誇って罵倒する裏切り者目がけて一直線に槍を投げて筋を通す・・・。裏切り者も、まさか屋根の上から槍に貫かれるとは夢にも思わなかったから罵倒したんだろうけどな~。悲愴感の中にも一抹のカタルシスを残す作品でした。傑作!

追伸;『武術と生きる日々』の配本リストの追加分を文芸社さんから送っていただきました。関東中心ですが、書泉グランデ・ブックマート・ブックタワーや、八重洲ブックセンター、三省堂本店、ジュンク堂、紀伊國屋といった書店には多く配本していただけるようで、安心しました。文芸者販売部の個別交渉で入荷していただけた様子で、本当に頭が下がります。私の地元の相模原市橋本駅でも啓文堂さん、ミウィ有隣堂さんで複数入荷していただけたみたいでありがたい限りです。今回の本は身内には文句を言われていますけれど、第三者には面白いと好評です。是非、御一読ください。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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