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武術を騙る恥知らず

「天網恢々、粗にして漏らさず」という言葉があります。

「世を欺くと天罰が当たるものなんだ」という昔の人の素朴な倫理観が、人を戒めていた訳ですね。「おてんとうさんは、いつも見ていなさるから、悪いことはやっちゃなんめえ」っていった自戒の観念ですね。

 ですけど、現代では「バレなきゃ何やったっていいんだ」みたいなエゴイズムを正当化する風潮のほうが強くなっていると思います。

 だけど、所詮、嘘は嘘。意図的に捏造された嘘は、いずれは真相が明らかになって厳しく糾弾される。それが自然の摂理なのを、我々は潜在意識下ではきちんと理解しているものです。

 自分を正当化するために嘘を言って他人に責任を押し付けて周囲の共感を得ようとしても、その嘘がバレれば余計に自分の立場を悪くするだけ・・・だから、一度ついた嘘がバレないように次々に嘘をつき続けていかなければならなくなる。

 こうやって、嘘に嘘を塗り固めて他人の信用を得ようと、不自然に浅ましく嘘人生を歩んでいる愚かな人が、どうしたものか、武術の世界には結構多いものです。


 先日、相模原駅前のビルの書店をのぞいた時に、中国武術の新刊本が出ていたので、購入しました。著者は古流柔術を専門とする研究家で著書も何冊も出している人物です。

 武士の情で実名は明かしませんが、この人物は、かつてTVのエンターティンメント番組に登場した時に、「グレーシー柔術などは古流柔術の亜流に過ぎない」などという上から目線発言をし、型演武でタケシ軍団員を痛めつけておきながら、乱取りになると柔道経験のあるラッシャー板前の大外刈りで投げつけられ、「勘弁してください」なんて土下座して謝って見せたりして、すっかりお笑いキャラになってしまっていました。

 後に業界裏話で聞いたところ、この番組出演のヘボさ加減に愛想をつかした弟子達が道場を辞めてしまったのだとか・・・。

 芸能人の武道・格闘技の経験者というと、余技でしかないだろうと軽く見る武道関係者が少なくありませんが、芸能界というのは一流中の一流の芸達者が集まっている業界なのであり、プロの武道家・格闘家に比肩できるような人物がゴロゴロしているものです。

 特にタケシ軍団は普通に強いと思いますよ。軍団員のほとんどが武道や格闘技の経験もあると聞きますし、北野たけしの監督した映画を見ると、非常にリアルな喧嘩テクニックを演出している場面がよくあり、「この人は喧嘩強いだろうな~」って感心して見てましたから、弟子も喧嘩テクニックに精通していると予測すべきです。

 なので、この高慢ちきな古流武術マニアのボンボンが簡単にやられてしまったのも不思議ではないと個人的には思っていました。


 それはそれとして、この人物の書いた中国武術の本ですが、従来、ほとんど日本では紹介されたことのなかった南派武術について解説したり、「あ~、よく資料をあたって研究しているな~」と、私は資料研究が苦手なので感心しないでもありませんでした。

 元々、この人物は資料研究が得意なようで、腕前が大したことなくても、それはそれで貴重なことではないか?と思っていました。甲野氏のような例もあるからです。

 けれども、ちょっと内容にダメ出ししておくと、八卦掌の源流が陰陽八盤掌であるという説も解説していますが、この説は松田隆智・高橋賢共著の『神秘の拳法・八卦掌』で解説されていたものの、後に陰陽八盤掌は八卦掌を改編して発表されたものであり、歴史などは捏造されたものであることが中国の武術研究家によって明確にされて否定されているそうです。

 つまり、古い資料の情報をそのまま検証しないで解説してしまっており、資料本の情報に頼り過ぎている問題点は感じます。武術の世界で本に書かれていることをそのまま鵜呑みにするのは非常に危険なのですが・・・。

 でもまあ、そういう間違いは私も時々やってしまうので、ことさら責めるつもりはありません。

 それよりも、私がこの本を読んでいてムカッとしたのは、伝統武術を上位に置いて、散打や表演武術をことさらに貶めるような書き方をしている点でした。

 中国散打の世界の事情も知らず、この人物は散打の内容を洞察する眼力もないのに、「散打は中国拳法本来の武術性を失っている」と決めつけていますが、中国の散打がシュアイジャオをベースに足揣脚(サイドキック)と圏捶(ロングフック)という伝統的な中国武術の打撃法を主体に攻防を理論化している事などまったく知らない様子です。

 日本でも中国武術を学ぶ多くの人が、実際に自由攻防をおこなって技の実用性を高めていこうと努力してきていました。

 それは、「中国武術は理論倒れで弱い」という日本の武道界の通念を払拭しようとする気概の表現でもあったのです。今でも、いろんな格闘技大会に参加して中国武術の実戦性を証明しようとしている人達はいるでしょう。それを、自らやりもしない人間が否定的論説を権威者ぶって発表するのは非常に失礼なことです。

 表演武術にしてもアクロバット的に誇張されてはいるものの、その基本動作は紛れもない中国武術のものであって、それらはいくらでも武術として応用展開できるものだと私は断言できます。

 要は、闘い方を練習しない点に問題があるのであって、指導者の多くは実際の用法も知っているケースが多いのです。外国人には教えないだけです。

 伝統の型に拘って動作の研鑽をしなければ、それらはどんどん時代遅れになるだけで、伝統を重視し過ぎて武術としての真面目を失ってしまう方が本末転倒で、伝統武術の名誉を汚す後ろ向きな認識でしょう。

 型稽古のみを研鑽している人が実際に闘って強かった・・・という実例を、私はただの一つも見たことも聞いたこともありません。その逆に型演武は超人的なのに、まともに闘うと冗談みたいに弱っちくてメッタ打ちに叩きのめされてしまった例なら、何度も見たり聞いたり体験したりしています。

 この人物は、はっきり言って、自分が闘って勝てないから実際に打ち合う散打を否定し、自分が優れた身体能力を持っていないから表演を無意味と言いたいだけではないか?

 まさしく典型的な“伝統武術権威主義者(流儀の伝統をかさに着て威張りたがるだけで戦いの本質を追究しない者)”の主張でしかないのです。

 公に批判する以上は、反論される覚悟はしていなければならないと私は考えています。

 私は、この人物の覚悟の程を知りたい。よって、ここに私の知る、この人物の過去の行状について“告発”しておこうと思います。

 実名を明かさないままの告発では意味がないと思われるでしょうが、事実関係を整理すれば誰のことかは判明するでしょう。敢えて実名を書かないのは、甲野氏のような世間的に名の通った人物ではなく、マニアックな読者しか知らないであろう人物だからです。

 しかし、それでも武術の研究をする者として、決してやってはならない行為をしている人物を、そのまま放置しておくことは私にはできません。

 おこがましい思い上がりかも知れませんが、武道業界の人が見る確率の高いであろう私のブログに書くことは、それなりに業界に波紋を起こし自浄作用に繋がるだろうと思っていますし、「影で恥ずべき行為をしていながら権威者ぶる問題人物も、真相は必ず誰かが見抜いているのだと知らねばならない」という戒めとして、心ある人達に響けばそれで良いと思っています。


その一、「流派の宗家を騙りたがる悪癖」

 この人物の最も困ったところは、「伝統的な流派の宗家を名乗りたがる」という点にあります。普通、こういう性癖は相当な高齢の武術愛好家に見られるものなのですが、この人物の場合、大学生の頃から名刺に~流宗家とか刷っていたという話をかつて聞いたことがあります。

 十数年前、板橋の佐藤金兵衛師範の道場を訪ねた時、佐藤師範から、この人物が送りつけたという手紙のコピーを見せてもらったことがあります。

 そこには、佐藤師範が継いでいる古流武術の宗家を自分に譲って欲しいと書かれていました。

 ちなみに、この人物は佐藤師範の孫弟子に当たりますが、「大東流は恐れ多いから別の流派でも・・・」などという手前勝手な理屈で図々しいことを書いていました。無論、こんな失敬な要求には応えなかったと佐藤師範は言われていました。

 ちなみに、この人物が自分の本で紹介している古流武術の流派では、この人物が勝手に師範や宗家を名乗ったとして呆れたり怒ったりしている所もあると聞きます。

 要するに、典型的な“宗家病(流派の代表を名乗りたがる異常な権威主義を求める病気)”の患者というしかありません。これが進行すると自分で勝手に流派を継いだという捏造話を吹聴するようになるものです。

 もっとも、私が本を読んでいて苦笑してしまったのは、「日本の中国武術界」と題したページで、「当時は、ブームに乗ってひどく低劣な本が出たり、経歴を偽ってマスコミに登場したりする者もあった」と書いていて、私は「オメーのことだろ?」と、思わずツッコミを入れてしまいました・・・。


その二、「誇大妄想の気がある」

 この人物は、「古流柔術の実戦力を確認したいから、実戦的な合気道の道場を紹介して欲しい」と、とある武道具店に頼み、紹介してもらった道場で散々に投げ飛ばされてしまったと聞きます。

 まず、実戦的な武道と試合してみたいのなら、普通、極真空手とか太気拳とか、そういうところに行きたがるものなんじゃないでしょうか?

 合気道なら安全で大したことはないだろうというイメージがあったのかもしれませんが、自分の実力を考えるべきですね。

 どんな流儀であれ、長年修行している人は、それなりの技量があるものです。そして、どんな流儀でも強い人もいれば弱い人もいるもの。

 さらに言えば、何もやったことがない人であっても、本気で人を殺傷しようという意志を持っていたら、そうそう容易く勝てるものではありません。

 仮にも伝統武術を学んでいて、誇大妄想に浸ってしまうのは、いかに真摯な稽古をしていないか?という悪い証明なのです。「俺は強い」と思った時点で、もう棺桶に片足突っ込んでいるくらいの自戒をしていて丁度いいくらいだと私は思っています。

 この点、極真空手をはじめ、厳しい試合を多く体験している人ほど性格が謙虚で常識を弁えている人が多いように感じています。やはり、痛みを知るのは大切なことです。自分が痛みを知らねば他人の痛みに共感することは難しいでしょう。


その三、「捏造体質がある」

 この人物の最大の問題点が、この“捏造体質”です。

 具体例を挙げます。

 この人物がかつて日本の伝統武術について概論をまとめて本を出したことがありましたが、その中の“揚心流覚悟之巻”という絵伝書の写真キャプションに、「牧堂文庫」と記してありました。

 牧堂文庫というのは、熊本出身の古流武術の研究家で、『剣道五百年史』(島津書房より復刻版が出ています)という著作のある冨永堅吾氏の所蔵していた伝書類を蔵にまとめているもので、冨永氏の号が“牧堂”ということから、「牧堂文庫」と呼ばれ、御子息が管理されていました。

 ところが、この絵伝書は長崎の図書館に所蔵されているものだという指摘をある古流武術の研究家から聞きました。

 これが本当であったら、完全な捏造行為です。

 私は、かつて甲野善紀氏の無住心剣術研究の手伝いをした時に、私の郷里の熊本にある牧堂文庫を訪ねたことがあり、冨永牧堂氏の御子息が、奇しくも私の父が世話になった高校の校長先生であったという事実が判って、当時、訪問者を断っていたのを特別に許してくださり、親しくしていただいていたので、確認を取るために、この本の問題箇所のコピーを取って送り、照会していただきました。

 すると、牧堂文庫を管理されている御子息の冨永文男先生は、わざわざ文庫に所蔵されている当該箇所の写真コピーも添えて、「写真も違うし、そもそもその人物は訪ねてきたこともないので捏造という外はありません。牧堂文庫の名前を勝手に使ったものでしょう」と書かれた返事を手紙で送ってくださいました。

 これで、この人物が捏造をした証拠は揃いました。

 後日、機会があって、私はこの一件について本人を手紙で窘めたことがありますが、無論、それっきり何の返事もありませんし、私も取り立てて法的に何かしようという程の気持ちもありませんでしたから、それっきり放っておきました。

 余談ながら、この人物と付き合いのある古流柔術の研究家から電話がかかってきて話した時、この人物の捏造話をしたところ、「俺もやめた方がいいと言ったんだけどさ~」と、捏造を知っていたような言い方でした。私だったら、ぶん殴ってでも止めますが・・・。

 ともあれ、経歴詐称する武術関係者を非難しながら、実際は自分もそうだという訳で、まったく武術を騙る山師の典型的人物なのだな~と、呆れるばかりです・・・。

 私が既存の流派名を名乗らず自分で流派を立ち上げた理由がお解りいただけると思います。こんなクソ連中と同列で見られるくらいなら、「長野は正当な流派で学んでいない」と悪口言われるほうが、ずっとマシだと思っているからです。


その四、「あ~、よかった・・・発言の真意?」

 ちなみに、この人物は、私から捏造を暴かれて手紙で窘められたことが余程、怖かったらしく、十年ちょっと前に、ある中国武術団体を主宰する人が物凄い誤解をして「長野が『武術(ウーシュウと読む。日本初の中国武術の専門雑誌。現在は休刊したまま)』の編集長になるらしい」と思い込んで、あっちこっちで吹聴していたらしく、その噂がこの人物の耳にも入ったのでしょう。

 当時、まだライターの仕事を頂戴していたので、その時も確か会社にいたと記憶しているのですが、この人物が編集部に電話をかけてきて、電話に出た社員に「長野さんがウーシュウの編集長になるって本当ですか?」と聞いており、「いや、そんな話はありませんよ」と社員が答えると、「あ~、よかった・・・(ガチャン)」と切れたようでした。

 本当に会社で笑ってしまったんですけれど、勘違いして噂を流す人もですが、噂を信じるヤツもバカですね~。

 だいたい、社員でもないライターが、いきなり編集長になれる訳ないでしょう? 普通、雑誌の編集長というのは編集者の仕事を十年くらい経験してからでないと抜擢されませんよ。フリーライターをヘッドハントして編集長に任命するなんて、そんな阿呆な真似をする出版社があったら、とっくに潰れていますよ。

 この人物が私がウーシュウの編集長になる?ことを心配したのは、要は、捏造している自分が問題人物とされて雑誌に出してもらえなくなることを恐れたからでしょう。

 いや、下手をすれば自分が捏造したことを雑誌の中で暴露されてしまうかもしれないという恐怖心もあったかもしれません。ウーシュウでは、一度、本を何冊も出している中国武術家の経歴詐称を暴いて糾弾していますから・・・。

 何しろ、私はライター時代から今に至るも、平気のへーざで武術界の著名人をこき降ろしていますから、“身に覚えのある人達”は、さぞや怖いでしょうね。

 この人物の名前を書かないのも、判る人だけ判ればいいと思ってるからで、そもそも、社会的な影響力の少ない批判する価値すらない人物だと軽蔑しているからなんですよ。

 たまたま本を読んでムカつかなかったら、何にもしていません。「あ~、また本出したんだな~」としか思わない。その程度の人物だとしか思っていませんから。

 だから、この人物も、もっと謙虚にして、偉そうに余計なことを書かなければ悪事をバラされなくて済んだのに・・・(実名書かなくとも判る人にはピンとくるでしょう)。


・・・とまあ、こういう次第なんですが、こんなインチキ親父が“正統伝統武術家”を自称していられるんだから、私が「伝統武術はやめた方がいい」と最新刊で書いた理由が解りますでしょう?

 もちろん、日本でも中国でもマトモな流派門派を地道に継承されている方は少なくないんですよ。でも、そういう人達は自分から宣伝しないから、地方でひっそり続けている場合が多くて、公に専門雑誌とか電話帳とかで弟子を募集したりしない率が高いんです。

 だから、武術メディアは、こんなクソッタレみたいなのが野放しにされてるどころか、クソッタレ連中との腐れ縁に支えられて雑誌出してきてるような業界なんだから、「マトモな師範に出会える確率は相当に低い」というしかないし、そもそも、名前が知られてるとか専門誌に載ってるからとかいうのが判断基準にならないんですからコワイですね?

 私もライターやってた時に専門誌で連載している武術家?にも結構会いましたし、高小飛先生みたいに実力もず抜けているけれど性格の良い人(ユーチューブに動画があるようですから関心のある方は見てください。発勁で相手が吹っ飛ぶ様子は凄いですよ)もいらっしゃいますけど、中には「うひゃ~、こんなヤツとは二度と会いたくないな~」と思うようなゲロゲロな性格の厭味な人物もいました。

 伝統武術好きな人って社会性に問題を感じる人が非常に多いように感じますね。どうも、コンプレックスが裏返っているように思えてならないですね。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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