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身体の操作の要は意識を感覚化すること

 いや~、今日は、かなりガッカリした話から・・・

 ここ数カ月、専属本部道場開設のために物件を探してきて、店舗スペースがよいところがなく(狭いし高いし)、貸し家で探してみたところ、中々よいところが見つかって、十中八九、「よしっ、ここに決めた!」というつもりでおりました。

「庭付き一軒家だからネギとかプチトマトとか作ろうかな? 小型犬飼ってもいいんだったら、ポメラニアンにしようかな~? 本当はトラキジの日本ネコが好きなんだけどな~」とか、既に借りたつもりで考えていたんですが・・・

 何と、仮申し込みに不動産屋に行ったら、ビックリ仰天! 先を越されて決まってしまったと言うんです・・・。

 これって、二度目なんですよ~。こりゃ、どういうことかいな?

 金曜日に物件を見せてもらって、「日曜日に仮契約に行きます・・・」と話していたのに、「あっ、さっき決まりました」って・・・何だよ、それ?って感じですが、こんなやり取りが実は二度目だったので、正直、「ここは商売する気があるのかな?」って思わずにはいられませんでしたよ。

 偶然なのか、貸したくないのか・・・二度も続けてだと不審に思えてしまうんですが、流石に、こういうのは、嘆いても仕方ありません。

「まだ、借りない方がいいよ。今、無理して借りると金に困ることになるよ~」という、天のお達しだと解釈するしかありませんね~。

 お陰で、もうスッカリ、借りる気持ちが失せてしまいましたよ。ここ数カ月、物件を探し回った揚げ句なんで、他に条件に合うところが有るとも思えません。

 せっかく、新体道の青木先生が書いてくださった書を額縁に入れて、後は飾るのみと思っていたのに~・・・。

 仕方がないので、当面、今のまま続けて、金をもっとためて自由に物件を選ぶ余裕ができてから再度探すことにしますよ。

 しかし、練習意欲だけは高まっているので、このテンションを落とすのは嫌なんですよね。私は、常に進歩している実感がないといたたまれない性格なんですよ。停滞するのが大っ嫌いなんです。

 それで、引っ越し以来、片付けていなかった部屋の不要品を処分して、少しでも練習できるスペースを確保してみようと思います。

 それが一番、無駄に金も使わずに済むし、今のところ下の階も空いていて、二階でドンドコやっても苦情は来ないから、まあ、いいでしょう。

・・・という次第で、日曜日の本部定期稽古会(江古田でセミナーをやる第二日曜以外の日曜の午前10:30~12:00)は、雨天は私の部屋(それ以外はJR横浜線渕野辺駅集合、鹿沼公園内にて)で行います。

 また、近日中に室内での会員予約制個人指導(メールにて申し込みください。日時は調整します)も再開することにします。どちらも会員のみ限定(入会は面接審査有り。入会金10000円添えて申し込みください。その他、会員規約有り。金さえ払えば必ずしも入会できるとは限りません。うちは人柄重視)としますが、個人指導は一回10000円だったのを、諸物価を考えて初期設定の一回2000円(一時間半)に戻します。

 指導内容は、基礎錬体・交叉法・合気・発勁・居合・手裏剣等・・・です。決まった内容ではなく、希望に合わせてやります。


 料金設定は定期稽古会の参加費と同じで、セミナーよりかなり割安です。最近御無沙汰しているという会員の方もドシドシ御参加くださいませ。最新研究内容を指導します。

 学生サークル活動や劇団、ダンススタジオなどの出張指導の場合も問い合わせしてください。こちらは入会云々とは別として、交通費がいただければボランティアでやっても構いません。

 え~、それから、引き続き道場候補地を探しておりますので、相模原渕野辺近辺にお住まいのお心当たりの方はお知らせいただけると有り難いです。使っていない倉庫や借り手のつかないお店などを格安でお借りできれば有り難いです(流石に無料で貸してとは申しません)。道場の時間貸しも有り難いです。

 宜しくお願い申します。



 さて、それでは辛気臭いことはスパッと忘れて前向きに行きましょう!

 私の本を読んでこられた方なら、私が昨今の身体操作ブームに批判的懐疑的な人間であることは流石に自覚されていると思います。

 率直にいって、ただ身体操作に長けているだけであれば、ヨーガの行者、ストリートダンサー、体操・新体操の選手、サーカス団員といった人達に勝てるものではありません。

 無論、「そういう身体が柔軟に動かせるだけのものが身体操作ではないのだ」と言いたい人もいると思います。

 例えば、「ダンサーはどんなに身体が動かせても武道家のようなパワーやスピード、闘う技能はないだろう」と言って見下したようなことを言う人もいます。

 しかし、よく考えてみたら当たり前のことで、ダンサーは武道家としての専門訓練をしている訳ではないので、突き蹴りの威力やスピードが出せず、闘う技能も持たないのは当然ではありませんか?

 書道家だったら絵も描けると思いますか?

 専門的訓練を受けて技能を体得していなければできないのが当たり前なのです。

 けれども、一つの分野だけを集中してやってきた人間が優れているというのは思い込みに過ぎません。

 動けない人間よりも動ける人間が専門的な技能を用いる方が効率が良いのは当然のことです。関節や筋肉の可動域が広い方が技能を駆使するのは楽なのです。これ、当たり前。

 身体操作能力の高い人が武術を学ぶと上達スピードは驚異的なものがあります。ですが、ここで誰もが実は誤解していると思うのです。

 身体の動きというものは、決して機械的に考えてはいけないということなのです。本当に身体操作能力の高い人というのは、身体の隅々まで細かく意識を巡らせて感覚化することに長けた人のことなのです・・・。

 私がプロのダンサーを高く評価するのは、指先にまで意識が巡って形を真似るのが非常に上手いからなんですね。言葉で説明しなければ理解できない人は、実際にはどんなに説明しても細かいところは抜け落ちてしまうものなんです。

 武術の真の奥義とは、この身体感覚の鋭敏さが無くては体得していくことができないものなのですが、それは、普通に武道をやっている人には案外、難しいことなのです。

 どうしてか?というと、武道は下手をすると感覚を殺してしまいかねないからです。


 本にも書きましたが、武道を専門的に長年修行してきた人というのは、身体つきを一見しただけでそれと判るように、筋肉が不自然に発達しているものです。

 何故なら、専門化した同じ動きばかりを長年続けてきているからです。

 だから、身体つきを観察しただけで、その人がどういう闘い方をするか?を予測するのは特に難しいことではありません。

 つまり、一つの動きに特化しているからそうなるのであって、それは体癖となっているんですね。

 それも、まず、マイナスに働いてしまう場合の方が多いのです。しかも、長年、真面目に熱心にやってきた人ほど、取り除くのが難しい体の癖になっているのです。

 ある特定の動きだけは上手いけれども、応用が利かないのです。それは自分では自覚していないでしょうが、身体のバランスを崩しているからなんです。

 20代前半の頃の私は胴体は細くて腕ばかり太く発達していました。

 どうしてか?というと、独り稽古中心だったので筋肉を鍛える訓練くらいしかなく、中学で学んだ剣道の影響で、何年も太い木刀を何千回も振るようなことを日課にしていたからです。

 今も私の前腕と上腕の外側の筋肉は不自然に発達していますが、30代以降は胴体と腿を鍛える馬歩や立禅をやるようになったので腕だけ太いという感じではなくなりました。

 それと脱力技法を中心に研究するようになったので、筋肉に極力力を込めないようにしていたので、弛緩した体型になってしまいました。見た目が悪いので、ちょっと絞るようにしようかな?と思っていますが、明らかにパワーもスピードも上がって身体も思うように動くので、下手に絞って良いものか?と思ったりしています。

 46歳という年齢で、あまり筋骨たくましい身体をしているのも不自然でしょう? 私はナルシストじゃないので、何か、自分の肉体を美しくする?ということを画策するのがこっ恥ずかしいんですね。

 ただ、心肺機能が相当衰えているな~という実感をヒシヒシと感じるようになってきたので、健康のためには少し絞った方が良いだろうな~と思ったりしています。

 私は元々身体は固いし、身体能力も低い人間です。

 ところが、武術に関してはかなり柔軟に動くことができます。整体師の友人が「長野さんの身体だと、あんなに動ける筈がないんだけどな~」と不思議がっていたくらいです。

 どうして、動ける筈がない動きができるのか?というと、私は身体の隅々まで意識を巡らせて感覚を鋭敏にする訓練を続けてきたから、全身を協調させて使うからなんですね。

 この身体の感覚の度合に関しては、他人と比較することができませんが、個人による差が物凄く激しいものがあります。

 一般的に言う“気”というものも、ここに関連する意味合いがあり、これは身体感覚の操作という観点から考えると非常に重要な意味を持ちます。が、その感覚そのものが無い人にとっては単なる誇大妄想にしかなりませんし、感覚が有る人にとっても幻覚として脳の誤作動を招きかねないので注意を要します。

 ところが、武道をガンガンやってきた人は、むしろ普通の人より感覚が鈍くなっている例が多いものでした。それは、自分自身の筋肉の収縮に意識が向いてしまって、少しも相手を観察して対応しようとしないからのようです。

 より強く、より速く、突き蹴りを出す・・・。といったことに意識が集中し過ぎて、相手の状況をまったく無視してしまっている人さえいました。つまり、自分勝手に無駄に動いているのです。

 こういう状態で闘えば、相手とガチンコ勝負にしかなりません。間合もタイミングもへったくれもありません。より強く速い力で粉砕すればいいのだというものです。

 武道や格闘技の試合は、ほぼ、こういうやり方で競われるケースがほとんどです。誰も疑問を感じないばかりか、むしろ、そういうやり方を奨励していたりします。

 これは武術としてはおかしなやり方なんですね。第一に、こういう闘い方は、肉体が麻痺していた方が都合がよいものになってしまいます。

 アドレナリン全開で痛みを感じないみたいなやり方ですね。鈍いから我慢強くなる。

 しかし、痛みを感じなくなっているということは、致命傷を負っても気づかないということになります。

 これは危ない。痛覚というのは、生命の危機を知らせるための感覚なんですから、それが麻痺してしまっては取り返しのつかない事態にならないとも限りません。

 武術は護身が目的です。ということは、生命の危機に対する感覚が麻痺したら困る訳なんです。

「そんなこと言っても、一発打たれてへばってしまうようなひ弱な肉体では困るだろう?」と反論するフルコンタクト空手の指導者も多いようですが、素手の拳骨を耐えられても、ナイフの刃が少し潜って筋膜を貫いて内臓に達したり、太い血管を傷つければ、即死は免れても病院に到着した時にはお陀仏になる確率は低くありませんよ。

 人間の身体は思うより急所だらけなのです。腐った生ゴミに焼き鳥の串挿しておいて、ちょこっと刺しただけで数日後に絶命に到ったりする訳です。

 それは、精密な機械の配線を一か所切るだけで機能を殺してしまうようなものです。

 一発も食らわないに越したことはありません。

 ですから、詳細に調べていくと、武術に伝わる稽古法というのは、身体の隅々にまで意識を巡らせて身体感覚を鋭敏にしていく内容が少なくないのです。

 そして、二人組んでの約束稽古は、「相手の動向を読む」という洞察力を磨くことが最大の目的なのです。単なる技の練習ではありません。

 クエストから出ている新体道(観の眼の育ってきた会員は「これは凄い!」と大絶賛)や嫡流真伝中国正派拳法(武術の極意である読み・交叉法の教材としてこの上無し!)のDVDでは、この読みの訓練法のあれこれが紹介されています。

 私は、この“読み”を除いた武術は、もう武術でも何でもないと断言することに何の躊躇も覚えません。

 単なる合理的な身体操作では絶対に体得できない武術の奥義、それが“読み”であり、その“読み”を養成するシステムが組み込まれた武術こそが、真に評価できる内容を持っている・・・と、私は申し上げておきたいのです。

 極論すれば、技なんか何をどう使っても良いのです。「身体を捻ってはいけない」だの「大腰筋を使う」だの、揚げ句に「回し蹴りはダメ」といった瑣末な事柄に囚われるのは、本質に目が向いていない証拠です。

 そういう要素還元主義の考え方に陥ると観えるものも観えなくなってしまいます。もっと全体をトータルに多角的に観察し考えていかなければなりません。

 そこに“読み”が介在していれば武術として発展していけるし、介在していなければ、単にスポーツ格闘技に技術が取り込まれてダシにされるだけで終わってしまい、本当の価値に気づかないまま捨てられてしまうだけでしょう。

 かつての剣術、居合術、柔術、合気術、拳法・・・あらゆる武術に普遍的に通底している根本原理・・・それが“読み”なのです。

 それを抜いた武術ブームなどは、まったく意味のないことです。

 そして、“読み”とは、自分ではなく、“相手が主導”なのです。相手の働きかけに反射反応して適切な対応をするのが武術なのです。間違っても自分をメインに考えてはなりません。

 だからこそ、自分の我を捨てて心を無心にすることでしか適切な反射反応の感覚を養成することができないのです。

 私は、身体操作ブームは、早く終わって欲しいと思っています。“からだデッカチ”なことばっかり考えている人達は、単に効率的な身体操作しか追求しようとしていない。

 そういう御利益追求主義の卑しい心根は不健全です。

 身体操作は当たり前のこととして、その先にある“心法(読み・人間観察)”へと進んでいって欲しいと思っていますから、私は今後、そういう方向性での武術研究を進めていくつもりでいます。

 そうでないと、拝金主義ならぬ“拝筋”主義に陥った人達が武術を歪めていってしまいそうな危険性を感じてならないんですが・・・。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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