コンテントヘッダー

WOWWOWドキュメンタリー田中泯

 常設道場開設を諦めたものの、その分、稽古の質を上げることに専念しておりますが、やはり、日々の修行の積み重ねというのは大切なものだな~・・・と痛感。

 シダックスの講座を写真撮影用に取材(相模経済新聞)してもらった日、記者の方が帰られてから、人数も少なかったので、受講生と推手をやったんですが、至近距離から逆関節取ってきたり肘打ちを繰り出してきたり、以前とは比べものにならないくらい厳しい技を出してくるので、内心、魂消ました。

「Yさんから教わった技を試してみたんですが、やっぱり先生には通じません・・・」と困った顔をしていましたが、そりゃあ、そのYさんに教えたのは俺なんだから、通じないのは当たり前なんだけどね~。

 でも、腕を捌いて瞬時に背後に回り込みながら首にスリーパー決められたのには驚きましたよ~。小癪な真似するようになったな~。

 彼は絞め技知らないもんだから、チョークスリーパーになってて、しかも、そのまま喉仏を絞めようとするから、“やべっ!”と思って、秘技首抜けの術を使って首を抜いたんですけど、この技が使えない一年前だったら危なかったですよ。タップするしかない。

「えぇ~! 絞め技、今、完全に入ったと思ったのに~?」と驚いてましたけど、私に関節技や絞め技は通用せん(豪語)のですよ! でも、ちょっと焦っちゃったよ~。

 それにしても、何か、みんな、異様に上達してるぞ? 本人、気づいてないみたいだけど・・・。

 師範代の一蹴りで二連蹴る技なんかも龍王院弘の双龍脚(キマイラ・シリーズ)みたいになってるぞ? 私の眼でも二回くらい観えなかったので、ビックリした。モーションが消えたまま蹴れるようになりつつある・・・。

 50歳のSさんも、動きがサイボーグっぽくシャカシャカッと動いてババババッと回り込みながら打撃を繰り出していって、これ食らったら相手は何が何だか認識できないまま昏倒するだろうな~?

 何か、スゲーな~・・・と、ちょっと感動しちゃいましたよ。私もちゃんと練習しようと思いました。


 さて、先日、WOWWOWで放送された田中泯さんのドキュメンタリー番組を録画してもらって観ました。

 しっかしま~、泯さんって、こういうドキュメンタリー番組にいくつも採り上げられていますけど、毎回、ため息が漏れるような異能の人ですね~。

 毎回、「ええ~? マジっすか?」っていう驚きが有ります。

 特に今回は、土方巽さんの生誕記念パーティーの時に取材スタッフがいらしたので、一瞬、私も背中だけ映っていましたから、何か、特に感慨深く観れました。

 それにしても、「農地開拓している広さは東京ドームの4/5くらい」みたいなコメントを聞いて唖然としてしまいましたよ。

 機械とか使っても大変なのに、泯さん達は人力で開墾してきたそうですし、私なんかは子供の頃に田舎で稲刈りや田植えの手伝いをチョロッとやっただけで腰が痛くて悲鳴をあげてましたし、せいぜい、畑を少し耕すとか薪割りやる手伝いしかしていないんですね。

 それでも少しは経験があるから、それを専門で日常的に続けていく大変さだけは想像がつきます。

 今、それをやろうとしたら、多分、数分でへこたれるでしょうね。

 高校の頃とかは夏のキャンプとか喜んでやってたし、割りとアウトドア指向もあったんですけど、都会で長く自堕落な生活を続けていくと肉体も精神もブヨンブヨンになっていきますね~。

 最近、夢で昔飼ってた猫とか犬とか鳶(小学校に勤務してた母親が学校に迷い込んだのを持ってきて、おっかなびっくりで小屋作って飼ったけど、エサが合わなかったのか、すぐ死なせてしまった)とか出てきて、田舎暮らしを思い出したりするんですね。

 やっぱり、作家だけで食えるようになって、武術は趣味で教えながら天草で晩年を過ごすというのが良いかな~?と・・・、泯さんの生きざまを見ていると、どうしてもそういう想いが湧きます。

 それがまた、いいこと言うんだもん・・・。

「中心はどこにでもある」

 つまり、「東京でないとダメみたいな決めつけじゃなくて、田舎でも魅力があれば人は集まって来る。そうすれば中心はできる」という論理。

 まったくもう、おっしゃる通り。地方で町起こし村起こしやっている人達にとって、こんな力強い言葉はないですよ。

 ただ、田舎で生まれ育って都会に出てきた私なんかは、田舎の嫌なところも熟知しているので、そうおいそれと田舎に戻ろうとは決心できないんですね。

 一番、ネックになるのは話の合う仲間がほとんどいないってことですね。

 帰省した時にいつも思うのは、親兄弟とは話が合わないということ。そして、私の場合、仲のよい友人も郷里にはほとんどいないのです。

 だから、家の中で昔の思い出を懐かしんで過ごすだけ。

 刀とか手裏剣とか持参した時は練習して気を紛らわせたけど、こういうのはあんまり持ち歩けないし、親兄弟から変人扱いされるだけ。

 だから、こちらでよっぽど大成功して、行ったり来たりできる経済力がないと帰るのは無理だな~と思っている訳です。

・・・とまあ、こういう凡庸な悩みを持つ私にとって、泯さんの凄さは、何といっても、あの、人を惹きつけてやまない人間磁力?みたいなところに有ります。

 正直、私は怖い!

 あの磁力圏内に入ったら、アントラーの磁力光線に捕らわれたウルトラマンみたいになってしまいそうなのです。

 これは凄いですよ。恋愛でもあ~は、ならない。

 何と言うか、「昔気質のヤクザが親分に惚れる」とか、「植芝盛平が出口王仁三郎に師事する」とか、“悪魔に魂を取られました”みたいな感じ?・・・かな~。

 今回の番組を観ていて、泯さんに師事した石原志保さんの、「女優として共演した泯さんに惚れ込んで弟子入りし舞踊家の道に進んだ」という逸話に、「なるほど、話には聞いていたけど、そういうことだったか・・・」と、妙に感慨深かったと共に、「解る解る・・・」と頷いていました。

 多分、泯さんもまた、暗黒舞踏の祖・土方巽と出会って人生観が根本的に変わった感覚があったのではないか?と思います。

 番組中では、泯さんの立派さというか凄さ、偉さという部分しかクローズアップされていませんでしたが、そういう“まとめ方”は、わかりやすくて視聴者受けはすると思うんですけれど、もっと、彼の中の闇の領域・・・漆塗りの黒々としたブラックの中に青や赤、茶、紫の色合いが混じっている・・・あの深く沈んだ精神領域を掬いあげていたら、もっともっと凄味があったと思うんですけどね。

 たとえば、土方巽生誕パーティーの時は、結構、泯さんも荒れていたと思うし、それはつまり、「お前ら、ドキュメンタリー撮るんだったら、俺のこういうところも撮れるか?」という挑発の意識もあったと思うし、そこをアッサリ切ってしまうのも何かな~?

 ドキュメンタリーって、光ってるところだけじゃつまんない。きわどいところがあってこそ面白いと思うんですけどね。

 だから、私なんかキワキワのことばっかり文章で書くでしょ? 単なる偉人伝じゃ、つまんないでしょ?

 芸術家の価値って、露出狂みたいに自分の生皮剥がして筋肉も骨も内臓もズルッと晒して見せるところにあると思うんですよ。

 私も最近、反省してることがあって、あまりにもタヌキになり過ぎてるな~・・・と、自分で思ったりする訳ですよ。自分の感情をコントロールし過ぎているかな~と。

 それに、先日、久しぶりにTVで観た『たそがれ清兵衛』の印象が強かったから、今回のドキュメンタリーがぬるく感じてしまったのかな~?とも思うんですが・・・。

 やっぱり、ドキュメンタリーよりドラマの方が逆に本質が出る場合があるのかな~?とも思うんですよ。

 一つ、提案として、「田中泯さんに主演して欲しいストーリー」を出してみます。

 それは、松田優作が企画から関わって主演し、それまでのハードボイルドなイメージを打ち破った『探偵物語』の後日譚。

 あのドラマの最終回は、街の仲間を次々に殺された工藤探偵が、飄々とした顔を捨てて復讐して回り、最期はナイフで刺されて生死不明になって・・・エンドロール前に赤い傘をさして街を歩いている幻影?とも思える姿で終わる・・・アレです。

 松田優作が癌から生還したら主演しようと考えていたという彼の出世作、遊戯シリーズの新作脚本が基になっているという藤原竜也主演の『カメレオン』を東映チャンネルで観ましたが、これは非常に面白かった!

 この話も『探偵物語』の最終回と構造的に同じなんですけど、仲間を惨殺されて怒りに燃えた主人公が殴り込みするところとか、かつての優作を彷彿させています。

 ただ、藤原竜也は顔が優し過ぎるし若過ぎるんですね。演技は素晴らしかったんだけど、キャラクターが違うかな~?と・・・。

 だけど、泯さんだったら、もし工藤探偵が生きていたとしたら・・・という設定に年齢的にも風貌的にもピッタリだと思うんですよ。

 無論、別にそのマンマ『探偵物語』の続編として描く必要はないと思うんですが、新宿に記憶喪失の初老の男が現れて、かつての工藤探偵を知る人間達の間で「工藤ちゃんが戻ってきたんじゃないか?」と噂されて・・・みたいな展開でストーリーはどうとでも転がせるでしょう。

 まあ、記憶喪失ってところは松田優作唯一の監督作『ア・ホーマンス』みたいですけど、人間としてのしがらみとか感情とかから超然としたキャラクターが泯さんには合うと思うんですよね。

 そして、暴力団とかに襲われている人を助けちゃったりして、必殺仕事人みたいに簡単に倒してしまう・・・実は男は戦場を渡ってきてPTSDで記憶喪失になっていたけれども、身体が覚えた戦闘術は勝手に出てしまい・・・。

 あ~、何か、そういうハードボイルドな作品が観たいな~・・・。『鉄コン筋クリート』のネズミの声を演じた泯さんは、きっとハードボイルドが似合うと思うんですよ。

 ちょっと、これ、小説で書いてみようかな~? 何か面白いのが書けそうな気がしてきたよ・・・。

 余談ですが、お友達の編集者に小説の原案話していて、ゴジラの時代劇版の話していて、「やっぱり、決闘シーンが必要だから、メガロドン(ホオジロザメの先祖で15~20mくらいある)とか大蛸とか出てきて三つ巴で戦うんですよ。それにウツボ船(UFO)が出てきてSF作品になって・・・」とか、はしゃいで喋っていたら、「それって、小学生が考える話ですよ・・・」と言われちゃいました・・・グッスン・・・。

 あっ、そうだ! もう一つ、バッチシのが有ったよ。

『七人の侍』の志村喬が演じたリーダー格の勘兵衛役。これはもう田中泯さんしかいないでしょ? で、菊千代はオダギリジョーで、堤真一、真田広之、阿部寛、ジャニーズの若手の誰か、竹中直人とかではどうか?

 野武士も個性的な人を色々出すといいですね。

 リメイクには二の足踏む企画だと思いますけど、今だからこそできることもあると思うし、景気付けにいいんじゃないですかね?


追伸;常設道場は当分延期にしましたが、週一で借りられそうなところが相模原市内で見つかりました。練習日とか決まったら発表します。

関連記事
スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー
著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

FC2カウンター
リンク
最新記事
カテゴリー
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

月別アーカイブ
ブログ内検索