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ジンさん逝く・・・

 個性派俳優の山田辰夫さんが胃ガンで逝去されました。

 インディーズ系の映画作品にも多く出演されていた山田さんですが、何と言っても、ファンの間では『狂い咲きサンダーロード』の主役、ジンさんの印象が強いでしょう。

 この作品、小林捻侍演じるホモのスーパー右翼が頭の悪い暴走族を洗脳して手なずけるところが、現実の暴走族からヤクザへ・・・というパターンを描いていました。

 監督の石井聰互は、博多出身で『高校大パニック』を自主製作。これが認められてプロデビュー作としてリメイクされた『高校大パニック』(浅野温子のデビュー作)でプロとなった・・・というところは、何やら『死霊のはらわた』でデビューしたサム・ライミ(一般的にはスパイダーマンの監督として有名)監督を思わせますね。

 石井監督の初期作品である『狂い咲きサンダーロード』は、タイトル通りにかなり狂った作品でした。

 私は、当時、岡山理科大学の映画研究部の部室でビデオで観た記憶がありますが、物凄く予算がかかっていないであろう、ほとんど自主映画と言うべき作品の中にTVで見慣れた俳優が若干名出てくる点で、「あ~、これはプロの作品なんだ」と、何となく納得したのを覚えています。

 そして、捻侍さんが登場するシーンでは皆で大爆笑して見たものでした。

 ですが、この時、山田辰夫という俳優は誰も知らず、松田優作のようなスター性もなく、いかにもチンピラっぽい、気は強いけれどケンカの弱そうな雰囲気、しかも頭の悪い“ジンさん”なる主人公に誰も感情移入できなかったのです。

 が、後に、「それが山田辰夫なんだよ!」と知ることになったのは、クライマックス。

 ジンさんは仲間も無くなって、片手も失って、完全な敗残者になろうか?と思われる時になって、「やってやろうじゃね~の・・・」と不敵に笑って武装してバイクで乗り込み、敵を殲滅してしまうのです。

 が、「この人も死ぬな~」と思うくらいボロボロになった身体でニヤッと笑ってバイクで走り去る・・・う~ん、山田辰夫、カッコイイじゃな~い。

 確か、マッドマックスやらエクスターミネーターとかローリングサンダーとかいったバイオレンス映画が流行っていた頃だったと思うんですけれど、石井監督って『逆噴射家族』でコメディも撮れる人だと認知させましたけれど、だいたいがヘンな作品ばっかり撮ってますよね。

 中には『ザ・マスター・オブ・シアツ 指圧王者』というケッタイな作品までありますけど、キャラの立った監督としては日本一かも知れません。

 それにしても、『狂い咲きサンダーロード』というのは、何の生産的才能もないボンクラでダメな人間であっても、“やってやろうじゃないの精神”さえあればヒーローになれちゃいまっせ(死ぬけど・・・)というメッセージを送る気持ちは絶対なかったと思うんですが、奇しくもそういうメッセージを受け止めてしまった人間が少なからずいるんじゃないか?と思うんですね~。

 山田辰夫さんは、その後、やっぱりほとんど主演作はないままに個性派名脇役として数多くの作品で顔を見ました。ちょうど、BSフジで『雲霧仁左衛門』をやっていて、出演されていました。

 けれども、その度にジンさんの勇姿が脳裏に蘇ってきたものです。


 山田辰夫さんの御冥福を祈ります・・・。


追伸;歌手の川村カオリさんも乳ガンで亡くなられてしまいました。聞くところでは女性の20人に一人が罹るガンなのだとか? 私の親類もこの病気と闘っています。川村さんは38歳だったとか。人生の半ばで逝ってしまうというのは残された者はつらいと思うのですが、俳優や歌手は、ファンの心の中でずっと生き続けていくでしょう。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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