コンテントヘッダー

武術の動画を見て・・・

 日曜日は午前中に公園で練習し、その後は駅前のジョナサンで食事しながら数時間ダベるというのが、我が遊心流のパターンなんですが、ユーチューブの武術武道系の動画の話題が出たので、師範代が携帯で見せてくれました。

 読者からの質問があったので、ある大東流師範の合気技も見てみたんですが、うちのセミナーで教えて初心者でもすぐに体得してしまえるレベルの内容だったので、ちょっとガッカリしてしまいました。

 型稽古でいかに不思議な技をやってみせても演芸にしかなりませんからね。そういうレベルで武術を語っていても、極真空手を一年くらいやっている人が本気でローキック食らわしたら潰されてしまうと思いますよ。

 私もDVDやセミナーで演芸レベルの合気技をやっていますが、これは合気の原理解説のためにやっているだけで、これをもって戦えるなんか思っていませんからね。

 遊心流式の合気技は、交叉法と発勁ができることが前提であって、武術的攻防の中での「相手の体勢を崩して抵抗できない居着いた状態に陥らせる」のが目的なんです。

 だから、“止めは発勁で息の根が止まるまでパンチパンチパ~ンチし続ける”という暗黙の了解で、練習では危ないから崩すだけで終わっている訳ですけどね。

 武術のほとんどが型稽古中心になったのは、技の性質上、仕方がなかったんだと思いますよ。

 極真だって顔面へのパンチは禁止されてるし、ほとんどの武道や格闘技がグローブやプロテクター装着して、ルールも厳密に設定しますでしょう?

 本来の殺し技としての武術をそのまま競い合ったら死人や怪我人が続出してしまいますからね。アルティメット・ルールだって徐々に細かくルールができてきてますでしょ?

 それは当然だと思うんですけど、だからといって型稽古の中で技を覚えて実戦を語っていくのでは誇大妄想に陥りやすいと思いますね。現実から遊離していますから。

 刀で斬る技に関しては、やはりものを斬ってみる訓練は必要だと思いますね。据え物斬りが現実的でないと言うなら、動いているものを駆け寄って斬るとか・・・現実に起こり得る状況に近づける工夫をすればいいのです。

 やらない言い訳をするより、やってみて試行錯誤した方がいいですよね。

 私は自分で試して確認したことを書いているので、やってない人間からとやかく言われても何とも思いません。

 来年からは、できれば海外に射撃の研修に行きたいと思っています。現代で武術を研究する以上、銃の操作は絶対に覚えておかなくてはならないと思うからです。拳銃は、オートマチック、リボルバー。ライフルはボルトアクション、オートマチック。ショットガンはポンプアクション・・・こういうのは知らないと使えませんからね。


 さて、太気拳の動画もいくつか見ました。私はやっぱり、岩間統正先生が一番、納得できますね~。差し手の用法は芸術的と言っても過言ではないと思います。

 ほんの微かな接触の中で合気に通じる相手の重心操作を果たしているのに、相手はそれに気づいていない・・・。これぞ極意ですよ! 名人芸ですね・・・。

 剣術家が剣尖を触れ合わせただけで相手の中心線を奪ってしまうのに通じるものです。

 これが観えるようになっただけで、私は嬉しいですね。十年前は今ひとつ理解できませんでしたからね。

 やっぱり、本物を見ると違いが判りますね。


 え~っと・・・それから、太気拳VS極真空手の交流試合を撮ったビデオ映像も見ました・・・。

 この映像は、以前、深夜の格闘技番組で流されたものと、マスターに近いクリアな映像のものがありました。

 いや、これに関しては能天気に技術批評とかするのは遠慮するのが筋でしょうね。

 どうしてか?

 私は、ほんの僅かとは言えども実際に太気拳を学んだことのある者です。

 この映像は、盧山先生らの肝入りで澤井先生が太気拳と極真空手の相互交流の修行の一環として受け入れて企画されたものであり、本来、純粋に技術の研鑽のために実施されたものだったからです。

 当然、その内部資料であるビデオ映像は関係者のみに研究用に配られたものであり、外部に出さないことを条件にしていた訳です。

 ところが、裏ビデオとして高値で売られ密かに流通するようになりました。不心得者がいたということですね。

 それがTV番組で流された時は、太気拳側がやられているシーンばかり編集されていて、「太気拳というより、大変、危険ですね」というマーシーの駄ジャレで太気拳一門が激震したものでした。

 もう、番組が終わっているのでタネ明かししておきましょう。

 このビデオ映像は大槻ケンヂさんの格闘ビデオ道のコーナーで流されたものでしたが、実際に流すように指令したのは同番組のプロデューサーだったと聞きます。

 この人物は極真空手をやっている人で、だからビデオもマスターに近い映像のクリアなものを入手できたそうです。そして、当然、極真空手の人間なので、極真側が勝っている部分ばかり編集して流した訳です。

 つまり、意図的に太気拳をダシに使って極真空手の強さを印象付けようとしたヤラセだった訳です。

 真摯な気持ちで闘った人達の気持ちを無視してTVで見世物にするというやり方はいかがなものでしょうか?

 それに、ビデオを売ったり、動画に出したりするのも、嫌な感じがします。

 そのビデオに映っている人達は、今では一派をなしている人が多く、その人達のまだ未熟な頃の映像をさらすというのは、肖像権の侵害にはならないんでしょうか?

 いずれにしても、これらの映像を公に出した人間は、武を学ぶ者としての芯ができていないと言わざるを得ませんね。

 無論、極真空手が実戦空手の代名詞として、これまでいろんなマイナー流派の宣伝に利用されてきたのも事実です。

 私自身も、極真空手を長年修行している人に指導しているということを、どこか誇らしく思う面もあります。

 しかし、それはもっと広い意味での武の世界を学んでいきたいと考えて私のところに来てくれている人達なのであって、その純粋な気持ちを自己の売名に利用するような低劣な真似をやってはいけないと思いますね。

 何の道でも真剣に歩んできている人は尊敬すべきだと思います。

 例えば、私は自分のやってきた武術研究は余人には真似のできないことだという自信と誇りを持っていますが、では、もし普通に大学を出てサラリーマンになっていたとしたらどうか?と思うと、恐らく平均以下の実績しか出していなかっただろうと思います。

 職業に貴賎は無いといいます。実際に、40歳の時はラブホで掃除して糊口をしのいでたんですからね。精神的にはきつかったけれど、今思えば良い修行でした。

 人間は苦労してみないと他人の痛みは察することができません。人の足を踏んだ人間は、踏まれた人間の痛みは解らないのです。いや、踏んでいることすら自覚できない鈍重な人間も多いでしょう。

 必死にならなくても生きていける人間は、必死になることそのものができずにズルズルと人生を無駄に過ごしてしまったりするのです。

 優しいだけじゃダメ。厳しいだけでもダメ。物事はバランスが重要ですね。

関連記事
スポンサーサイト
このページのトップへ
コンテントヘッダー
著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

FC2カウンター
リンク
最新記事
カテゴリー
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

月別アーカイブ
ブログ内検索