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松田優作を知らないヤツとは口をききたくない!

・・・というのが10代後半から20代の頃の私でしたね。

 だから、松田優作が『ブラックレイン』で凄い演技で圧倒的な存在感を示してみせた時は、「あ~、これで日本の俳優が世界を変えていける」と、凄く嬉しくて、だからこそ、その直後の松田優作の死が、いろんな意味で悲しくって仕方がなかった。

 確か、11PMじゃなかったかな~? 司会の高田純次が呆然とした顔で優作の死を伝えたのを聞いた時、私もまた呆然となり、いつの間にか『最も危険な遊戯』のビデオを観返していました。繰り返し、何度も何度も・・・。

 それはまるで、「嘘だろ。優作はこうして生きているじゃないかよ」と思いたかったのかも知れません。

 多分、私より上の世代の男で松田優作が嫌いという人はいないんじゃないか?と思います。

 それは、ブルース・リーが嫌いな男がいないというのと同じような意味で、男にとっての憧れの存在であった訳です。

 俳優にウルトラマンや仮面ライダーのようなヒーローのイメージを持って憧れられた最後の存在だったようにも思えるんですよ。

 何といっても、初めて松田優作を見たのが『太陽にほえろ』のジーパン刑事。拳銃嫌いで空手で悪漢をぶっ飛ばす長身の兄ちゃん・・・。

 やっぱり、男は喧嘩の強い男に憧れるもんなんですよ。

 そして、『蘇る金狼』でのピカレスク・ヒーローを見て、ハードボイルドに目覚めた。

 多分、それから私は本格的に松田優作信者になった。

 浪人していた時に福岡のテアトル西新という名画座でオールナイトで見た松田優作特集では、『最も危険な遊戯』『殺人遊戯』『処刑遊戯』『野獣死すべし』を見た。

 また、特撮物の珍しい作品のオールナイトで見た『狼の紋章』が、凄く好きで、これが切っ掛けで自主映画の世界に入り込むことになった。

 その後の、『ヨコハマBJブルース』『陽炎座』を見た頃にはファッションまで似てしまった。

 もっとも、優作はアクション離れしていってしまい、TVにはほとんど出なくなっていた。

 そんな時に新作のアクションをやるというので、『ア・ホーマンス』を見た。

 監督もつとめた優作の唯一の優作映画。『ア・ホーマンス』は賛否両論だったが、私は監督としての松田優作の孤高の志しの高さと前衛的なセンスの良さを感じて、実は優作主演作品の中でも最も好きな映画である。

 俳優が監督した作品は、どこかバランスが悪い。映画全体の見せ方を理解していないからではないか?と思う。とっ散らかって纏まりがついていなかったりして、素材が良くても壊れた感じになってしまう。

 ごく最近、そういう映画を見た。題材に関心があったので期待したのだけれど、ちょっと違うな~と思ってしまった。

 しかし、『ア・ホーマンス』は物凄く計算された緻密さと丁寧さが感じられる。それが画面を通じて伝わってくる。

 大学映研時代の先輩が遊びに来た時に、少し用事で出掛ける時に『ア・ホーマンス』のビデオを見てもらっていて、帰ってきた時が終わり頃。先輩は何と、泣きながら見ていて、「優作はカッコエエな~・・・」と感動していた。

 多分、先輩は、作品の内容以上に、作品にかけている優作の魂に触れて泣けてしまったんじゃないか?と思う。

 ちなみに、この先輩が「長野君。本気で映画やりたいんやったら、やっぱ、東京に行かんとあかんでぇ」とアドバイスしてくれたから、私は岡山の大学を辞めて上京する決意をした。

 まあ、今のところはまだ映画の仕事はやっていないけれど、割りと近い将来にそういうチャンスがやってきそうな気がしている。私は運を引き寄せる力が強いから・・・。

 余談ながら、大学を辞める時に映研の仲間が「プロの物書きになってください」と祝いに万年筆をくれた。そっちの約束は果たしたけれど、映研時代の仲間の思いが力をくれたんだと今も感謝するばかりだし、期待に応えるよう、もっと活躍したいと思う・・・。


 それにしても・・・松田優作が死んでから20年も経過したのか?と思うと、それだけ自分も年食ったんだよな~と思うばかり。

 優作の死んだ39歳という年齢も大分、越えてしまった。あと3カ月くらいで47歳になる。技はまだまだ伸びているという実感があるけれど、肉体そのものは確実に老いていく・・・。

 記憶の再生速度が明らかに遅くなり、老眼も進んでいると実感する。

 だけど、私はまだ生きている。生きていれば新しい仕事ができるし作品も作れる。人を育てることもできる。コツコツと生きていれば、私も死んだ後で多くの人から憧れられるような爺さんになれるかもしれない。

 伝説はこれからだ・・・。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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