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サバットはフランス人が考えそうだな~

・・・と、思いますね。

 うちの会員中、随一の技術分析マニアのOさんが、フルコムから出ている達人シリーズの『もっと強くなれる究極ハイキック修得術』で紹介されている技を早速使っていたのを見て、面白そうだと思って貸してもらったんです。

 新極真の緑健児先生の伝説の蹴り技や、蹴りの魔術師と呼ばれる塚本選手の蹴り技の秘訣と併せて、テコンドーとサバットのテクニックも収録されていたんですが、それぞれ勉強させられますけれど、私的にはサバットのセミナー風景が非常に勉強になりました。

 サバットといえば、『空手バカ一代』で飛鳥拳(大山先生のことだね)がビビリまくる作中で一、二を争う強豪がサバットの遣い手でした。

 また、初代タイガーマスクの得意技ローリング・ソバットが、サバットから転用されているという話も昔はあって、格闘技好きな人には、覚えている人もいるんじゃないでしょうか?

 そういえば、ザ・グレート・カブキの骨法由来のトランス・キックも、ちょっと似た技でしたね。

 アメリカで活躍していたカブキが日本で活躍するようになると、一躍、骨法がプロレスに採り入れられるようになってブームになったもんでしたね~?

 永井豪先生の『骨法夢伝説』って漫画もあったし、ダイナミックプロと骨法の蜜月がありました。超カルト漫画『地上最強の男・竜』の風忍先生も挿絵描いてたな~?

 猪木が骨法の浴びせ蹴りとかを学んで、ライガーに船木に少女コマンドーいずみ?まで骨法の掌打を使っていた・・・。

 あ~、あの時の久米捲き(鳳眼拳のことね)や柔法徹化拳の鳥居隆篤先生に教わったというカムイ改め徹しの技(発勁のことね)はどこへ行ってしまったんでしょうね?

 鷹爪流換骨拳はどこへ行ってしまったんでしょう? 武田流や佐川道場の先生は「あの裏切り者め~」と怒ってましたよ、H先生。

 あの、骨法司家って、どこへ行っちゃったんでしょうね?

 ママァ~、ドウ・ユゥ・リメンバァ~・・・


 おっとっと・・・ヤバイこと書いちゃったかな? 

 でも、誤解されると困るんですけど、私は、流派の捏造だの経歴詐称だのを糾弾しようなんて全然思ってないですよ。

 だって、それもまた武術界の伝統ですからね。嘘つきの巣窟みたいなもんだから、イチイチ批判しててもしょうがない。

 信じる者は騙される・・・それが武術界。情報を鵜呑みにしたらあきまへん!

 信じるのは自分の眼だけ! だから、眼力を鍛えて真実を洞察しなきゃならない。考えてみたら、いい修行になるじゃないですか? ね~。


 え~っと・・・サバットの話でしたね?

 JKDのセミナーの中での講習会の様子を収録したということなんですけど、私が感心したのは、相手をどう攻略していくか?という観点で技が組み立てられているという点。

 実にスマート。「実に理屈っぽいフランス人が考えそうな知的なマーシャルアーツだな~」と、感動しましたよ。

 日本人の武道やっている人だと、自分本位にしか考えない傾向があるんです。

 つまり、より強いパンチ、より強いキックを出す・・・ということばかり考えている。

 武術の身体操作法に皆が関心を持ったのも、やっぱり自分本位のものだったと思うんですね。自分の技のパフォーマンスを上げることしか考えていない。

 でも、戦うというのは相手がいてはじめて成立するんです。

 確実に勝つには、相手の戦力と戦法を分析して、それを攻略するために適切なやり方を工夫すべきなのです。

 無論、ルールがあれば、その枠組みの中でやれることは制限されてしまいますが、海外の選手は最大限の研究をして臨むのが常です。

 それは合理精神が浸透しているからなんじゃないでしょうか?

 日本の武道家は、自分の内面と向き合うことが修行だと考える傾向があり、それが勝ち負けよりも「自分を高める」という哲学的なテーマ性となっていきます。

 が、それ故に、勝負の構造的な研究がなおざりになってしまい、単純に「自分が高められて強くなれば勝手に勝てる」と信じ込んでしまっている。

 この考えは残念ながら完全な間違いです。

 どんな技でも万能ではありません。

 例えば、かつて地上最強の拳銃弾薬と『ダーティハリー』で紹介された44レミントンマグナム弾より強力な拳銃弾薬は、45ウインチェスターマグナム、475ウイルディマグナム、454カスール、50アクションエクスプレス、480S&Wマグナム、500S&Wマグナム・・・と、いくつもあります。

 50AE(アクションエクスプレス)が44マグナムの1.5倍、454カスールが2倍、500S&Wマグナムに至っては3倍の威力があるってんだからね~。

 そして、拳銃弾薬の何倍もの威力があるライフル弾薬も、最近は大戦中の対戦車ライフルみたいな重機関銃に使う50口径の弾丸を撃つバレットやウインドランナーといった2km以上先を狙えるアンチマテリアルライフルが出現し、その中には南アフリカのツルベロアームズが作った20mm口径の弾薬を撃ち全長が2mを超えるカノン砲みたいなライフルすらあります。

 しかし、こんなバカでかい銃になると独りで携行するのに無理が生じてしまいます。

『ダーティハリー』を観て大ヒットになった44マグナムが撃てる拳銃S&W.モデルNo,29も、それまでは狩猟用のサイドアーム(止めをさしたり緊急時に使う銃)くらいしか使い道がなく、重いし反動が強過ぎるし人気が出なかったそうです。

 要するに、ただ威力だけ求めても意味がなく、戦う相手に応じた適切なやり方を採らねばうまくいかない・・・ということです。

 実際、44マグナムが登場した当時も、「対人用としては357マグナムでも強力過ぎるくらいだが、狩猟用と考えれば、44マグナムで猛牛や大型の灰色熊を一発で仕留めるのは難しい」といわれて実用性に疑問符が掲げられていたくらい。

 西部劇に出てくるコルト・ウォーカーモデルなんかは44マグナムより威力があったというんですから、アメリカでも昔の人は強かったんですね~。

 大型野生獣の狩猟用拳銃としては、454カスール以上の威力がないと頼りにならないという熊撃ちライフルマンもいるようです。が、そうなると反動がキツ過ぎて拳銃で撃てるものではなくなる。

 基本、狩猟はライフルでないとダメなんですね。

 しかし、人間相手なら改造エアガンでボールベアリング撃ち出す程度でも殺傷力でますからね。

 ドゴール大統領暗殺を巡る正体不明の殺し屋と敏腕警部の対決を描いた『ジャッカルの日』で、ジャッカルは、何と標的射撃に使う低威力の22口径ロングライフル弾を撃てる単発式の組み立て狙撃銃を使います。

 威力が小さくとも弾頭の中に火薬の入った炸裂弾を使えば良い・・・という訳です。

 サバットの蹴りは、フルコンタクト空手やムエタイのような破壊力は感じませんが、靴先を的確に当てるテクニックに関して、実に巧妙に研究されていると思いました。

 相手の体勢と姿勢を読んで巧妙に技を極めていく戦術を駆使するところは、私が研究している読みを駆使した戦術とも重なるもので、JKDを創始したブルース・リーも研究していたようです。

 だから、私としてはサバットが一番、参考になりました。

 しかし・・・後でちょっと考え込んでしまいましたね。

 何でか?というと、読みを駆使するのは本来であれば日本武術のお家芸だった筈だからですよ。急所を晒した状態で、予備動作を丸見えにして技を繰り出すことに何の疑問も感じないままやっている日本の武道・格闘技の世界は、もう、本来の武術とは全然別物になっているな~・・・と思わずにはいられません。

 最早、パワー、スピード、スタミナ、精神力で勝負する時代ではなく、日々革新していくテクニックと確かなタクティクスがないと勝利することはできないでしょう。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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