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脱力の合気セミナー感想

 年間セミナーで一番、“人気があった”のが、この脱力技法による合気の回です。

 何しろ、初めてやった時に参加した他流経験者がビックリ仰天して「こんな簡単にできることだったのか?」と、“信じられない”を連発していたからです。

 しかし、それも最初のうちで、できるようになってしまえば、「こんなの実際に戦う時に使えるの?」と疑問が湧いてきて、関心が無くなっていくのが常でした。

 なので、うちの会員さん達は、合気の技にはほとんど関心を持たなくなっていて、むしろ、合気道の基本技をしっかりやった方が断然、実用的なんだと考えるようになっているのです。

 とにかく、うちのモットーとしては、「武術の技に神秘無し。いかなる技にも原理が有る」という考えですから、「私の技は科学では解明できない!」(by甲野善紀)といった考えには、「嘘つけーっ!」と、真っ向から反論してきた次第です。

 そして、“気のパワー”という、武術業界の決まり文句も使わないことにしています。

 スピリチュアルな言葉は詐欺の温床にもなりやすく、慎重に使用しないと誤解と盲信、疑惑と蔑視を生み出すだけだからです。

 もちろん、「気なんて嘘」だと言っているのではありません。私も会の中では気で説明することもあります。が、大体において“意念(意識)”によるイメージ的なものとして理解してもらうようにしています。

 こういう言葉の使用を安直にしていると、発勁と合気に気のパワーがくっつき、無敵の脳内ドラゴンボール状態となって、アンポンタンな集団催眠劇の世界となってしまいがちなのです。

 暗示作用による錐体外路系反射運動を「気のパワーです!」と説明していたら、妄想の世界に入り込んでいってしまいます。

 かつてメディアに大々的にキャンペーンを張った西野流呼吸法、その後、同様の団体も流道、合気功、神意拳、柳龍拳、牛丸天真・・・といった具合に、日本各地に登場していましたが、これは小規模の新宗教みたいな感じに近かったのかもしれません。

 でも、こういう技は催眠暗示を利用すれば誰でもかけられますからね。っつうことは、ラポールがない人にはかからない訳ですよ。

 だから、トランス状態に陥らせるような条件を設定してかけると多人数がバタバタ引っ繰り返ったりする訳です。トランス状態はエクスタシーがあって気持ちいい訳です。だから気持ちよく引っ繰り返る。それはそういうもんなんだとしておけばいいのです。

 事情通の間では、新体道が“気の武道”の元祖であるとして知られていますが、新体道の場合は実は武道界でも最も身体トレーニングの量をこなす団体なので、静かに気を練るイメージで入ってきた人達は面食らってしまったりしていました。

“お家芸”の遠当ても、メカニズム的には“気のパワー”ではなくて神経伝達と呼吸運動の生理反射を狙って“発声”で作用させる技であり、古武術でいうところの気合当ての延長線上にある技です。

 これも誤解する人ばかりなので、今回の剣武天真流DVDの撮影時に青木宏之先生は敢えてやらなかったですね。もう、キワモノ的な見世芸で人を集める時代ではなくて、本質的な価値を知ってもらいたいと思われたんだと推察します。

 さて・・・最近、この方面が顕著な武道団体というと、宇城塾が挙げられますかね?

 DVDや動画で見ると、もう武術というより催眠術に近くなっていて、ふた昔前の自己啓発セミナーにしか見えないんですよね。

 真面目な武道修行者は、こういう自己啓発セミナーの問題点には丸で無頓着で、“潜在脳力が開発される”といった宣伝文句に容易く乗ってしまいがちです。純粋な人は美しい言葉を並べられると簡単に信じてしまいますからね。

 しかし、自己啓発セミナーの手法は人を洗脳する技術であって、「ベトナム戦争でトラウマを負った人達を治療するために逆洗脳(デプログラミング)する研究が母体となったものです」と、科学的にも社会的にも素晴らしいものであるかのように喧伝されていましたが、事実は、人を洗脳してお金を吸い取るビジネスとして考案されたという真相があるそうです。

 なので、自己啓発セミナーは異様な高額料金(何十万~何百万)で実施されていましたし、アメリカで社会問題となって海外に市場開拓に出たのが真相のようです。

 これが80年代のニューエイジ運動や癒しのブームとからんでバブル景気の中で広まりましたが、バブルが弾けて景気が悪くなると衰退していきました。金を払いたくても払えなくなったからです。

 自己啓発セミナーの核になっているのはいくつかの心理療法(NLPとか)の技法です。催眠術も、本来は催眠療法として考案されたものですが、日本では見世物的な面ばかりクローズアップされたりして療法的な面がなおざりにされ、やはり集金システムばかりが発達して“催眠商法”という言葉が出てくるようないかがわしいものと見られがちになっています。確か、一時間一万円が相場だったそうです。

 催眠のテクニックは名刺で割り箸を切ったり、針や割り箸で風船を刺しても割れないといったパフォーマンスをやりますが、「イメージの力で病気は治り人生はうまくいく!」といったナポレオン・ヒルやマーフィーの成功哲学と合体させ、自己啓発セミナーと同様のものを発明したと称して商売をするところもいくつもありました。

 で、そういうところに有名なスポーツ選手やプロ格闘家とかが行ったりすると、これ幸いと広告塔にしたがるんですね。

 催眠を、“気功”と言いかえて教室を開いたところもありますが、催眠、気功とくれば、大概、次は“武術”を持ち出すところが多く、宇城氏の場合はこれの逆パターンだな~?と思って、悲しくなったものです・・・。

 以前、週刊誌でバッシングされたり(岡田監督がカルト団体に心酔しているという内容)していましたけど、こういう方向へ進んでしまって、尚且つ周囲に意見を言う人がいないワンマン状態だと、団体そのものが一種の王国化してきて、かつてのオウム真理教みたいな感じになってしまうんですよ。

 宇城氏は空手家として一流の腕前がありながら、やはりその腕前が逆に作用して自分が天下第一の実力者だと思い込んでしまったんじゃないかな~?と思いますね。そうした万能感覚が、あたかも自身が時代に選ばれた特別な人間ででもあるかのごとく誇大妄想を膨らませてしまったのではないか?と思えます。

 武道家、武術家には、そういう例が多い。高岡英夫さんなんて自分の著書のプロフィールに「20世紀最高の武道家」なんて書いてましたからね~。自分で書く?

 最キョウのキョウはケモノヘンに王と書く?

 自惚れは堕落の第一歩です。自分がナンバーワンだと思ったら、もう、必死で研鑽を積もうとはしなくなるもの。

 率直にいって、宇城氏の最近の動画を見たら、ビックリするほど実力が落ちてしまわれていてショックでしたね~。悲しくなりましたよ。あれだと太気拳の岩間先生や島田先生、躾道館の小林先生、新体道の青木先生、倉本塾の倉本先生、全空連の香川先生・・・といった先生方にはまったく及ばないと思います。

 10年くらい前に秘蔵ビデオを入手して見た時は全然、違っていたので、やはり、気のパワーに頼るようになったから集中力が衰えていったんじゃないかと思えます。

 惜しいことです。あれだけの実力者が道を間違えてしまったばっかりに・・・。


 さて・・・それはともかく、今回のセミナーでは、座捕り合気揚げから始まって、指合気、二人捕り、三人捕り、四人捕りと、立位での合気崩し(高岡センセイの技をパクッた)をやって、胸倉掴まれた状態を崩す技(甲野センセイの技をパクッた)をやって、それから合気のパフォーマンスで最も楽しい?“何人も手を繋いでいる状態を端っこの人に合気をかけると順番に崩されていく・・・”というヤツを実験してみました。

 何か、この何人も繋がってる状態にかけるというのは宇城塾で多用しているみたいでしたが、あそこは“気のパワー”で説明しているのに対して、うちでは“重心移動”と“将棋倒し”の理論で説明しています。

 これを体験すると、凄い勢いで引き崩されるので、「気のパワーは凄いっ!」と勘違いしてしまうんですけど、何人も繋がっているから力が加算されるという仕組みなんですよね。

 ただ、「外部で実演する時は“気のパワーどぅえす!”と言っとけば、お金儲けできますよ~(笑)」と言っておきました。

 そのうち、うちのセミナー受けた人が『秘伝』で達人デビューしたりして(苦笑)。

 でも、このパフォーマンスを一列じゃなくて円陣組んでやったらコントみたいになるよな~?と、前々から思っていたので、今回は私もやってみました。

 円陣組んで、トリャっと右手側の人にかけると、崩れる、次の人も崩れる、その次の人も・・・と一周して、左手側の人に引き崩されて私もピョ~ンと・・・名付けて「因果応報」ってのはどうっスか? 『覚悟のススメ』の技みたい・・・。

 これ、『ケンタッキーフライドムービー』の燃えドラのパロディのところで似たようなギャグやってたんで、一回、やってみたかったんス・・・テヘッ。

 う~ん・・・こんなことやってるから、うちの会はシャレの解らない人は続かないんだよな~。代表師範(俺だよ)に威厳も糞もない!

 でも、こういうパフォーマンスを、いかにも神秘的な秘技ででもあるかのように説明してエバってる人達の方がオツムテンテンだと私は思うんですけどね?


 それから、シャレばっかりじゃ参加者の怒りを買うかもしれないんで、脱力技法による実用技も見せておこうと思い、突き腕、蹴り脚を脱力した下段払いで打ち払う技も実演してみました。

 ただ、これは初心者には無理があって怪我する危険性が高いので、私が師範代にやってみせるだけにとどめておきました。

 ちなみに、この技は鹿島神流の国井先生が拳法破りの手で用いていたそうで、「手はハの字、足はソの字」に構えて、迎え手で突き蹴りを払い落とすと、相手は体勢まで崩れてベチャッとその場に潰れてしまったそうです。

 新体道空手の技にもこれがあって、私は新体道空手の下段払いの技から游心流式に若干アレンジして使うようになりましたが、それなりに技としてできるようになったのは、ここ最近のことなので、まだ実戦で使えるかどうかは判らないですね。

 突き蹴りの速い人の突き腕蹴り脚そのものを狙うのは難しいですよ。特に伝統派空手の人の突き蹴りの速度は凄いですから、攻撃線上で迎え撃つのは極めて難しいと思います。

 完全に先を取って制するか、攻撃線上から体を捌きながら体幹部を攻め崩して制するか、その二つくらいしか有効な対応策は思いつきませんね。

 そういえば、伝統派を修行しているうちの会で最も若い新会員さんが、交叉法を使ったら寸止めできなくて相手の顔面にかなり強く当ててしまい、大怪我させてしまったかも?と恐ろしくなってしまったそうでした。

 それを聞いて、「あ~、そういえば俺も自由組手で交叉法使ったら寸止めできなかったよ」と思い出しましたよ。


 一通りやってみたら、何故かいつもとは違って時間が余ってしまったので、最後に24式簡化太極拳の套路を半分くらいやって、その中の動作の武術的用法もやりました。

 太極拳は脱力技法で成立している武術ですから、その動作の意味を知れば、いきなり凄い実戦護身武術に早変わりしてしまいますからね~。

 最初の礼式、あと、ノマブンソウ、ロウシツヨウホ、ハッカクリョウシ、シャタンベンの技の応用法を二人組んでやってもらいました。

 健康太極拳のインストラクターをやっている東京支部に新しく入られた会員さんは、凄く嬉しそうでした。やっぱり、太極拳を教えていて「護身術としてはこういう使い方ができますよ」と実演して見せたら生徒さんから尊敬されるでしょう。

 太極拳は他の拳法のように離れて突き蹴りを出し合うのではなく、基本原則として相手と接触したところで技を繰り出す武術なので、拳法というより柔体術と考えた方が技の用法がわかりやすいんですね。

 そして、「実戦を考えた源流の陳式以外の太極拳は戦闘には使えない」という説が広まってしまって、健康体操としてしか認知されていないのは、太極拳の護身応用性を無視した考えで実にもったいないと思います。

 私が齧ったのは、王樹金系の99式と、24式簡化、それに高小飛先生の取材時に体験した呉式くらいで、実は陳式太極拳は体験する機会もなくて、本やビデオで練習したくらいです。

 けれども、私が陳式の発勁をやるのを見た陳式太極拳の指導をしている人が本式に修行していると勘違いして「誰に習ったんですか?」と聞いてこられたことがありました。

 発勁だけは長年、いろんなやり方を研究してきましたから、専門家が見ても本物と勘違いしたんでしょうね。でも、我流ですけどね。

 それを言ったら、合気に関してはろくすっぽ習ったことないんですからね。氣の研究会系の道場に一時間半体験入門しただけ・・・。

 後は、古流柔術を研究していた友人から大東流六方会の合気揚げ下げの要領と西郷派の固め技、甲野善紀氏の溶暗(フェードアウト)技法のコツを解説してもらったのと、MRT良法を受けていた時に二回くらい上法円天流道術を体験したのと、キムタツと高橋先生の取材時に合気揚げを受けたのと・・・そのくらいかな~?

 あっ、そうでした。合気道のDVD付き教本つくる時に佐原文東先生の道場を取材した時が、合気系武道の基本原理を理論的に勉強できた機会でしたね。

 後はほぼすべて、観て覚えましたね。

 と言うか・・・原理的に観るようになってからは、合気に限らずダンス観てるだけで勉強になりましたよ。

 どうも、私のところを尋ねてくる人は、「身体の動き」に拘りが強い人が多いんですけど、それよりも武術の場合は意識の用い方の方が決定的に違いがあるんですね。

 意識の使い方が下手な人は、いつまでたっても身体の動きが良くならないんです。機械的に練習していても成果は得られないんですよ。

 どうも、多くの武道が、機械的な練習法を強制してしまっていて、その人のセンスを封じ込めてしまうから、本来は簡単にできることなのに、いつまでやっても体得できなくなってしまうんじゃないかな~?と、最近は思えるようになってきました。

 脱力技法の真価は、まず心が捕らわれのないリラックスした状態である点が最大の秘訣であって、リラックスした状態から一瞬で集中するから切れ味鋭い技が発揮できると思うんですよ。

 私がこれまで出会った達人は、“いかにも”って感じの人はいなかったですね~。明るくてお茶目な性格の人が多かったですね~。

 強いから強がらないんですね。

 だから、話したり文章読んだりしただけで大体、実力が読めますよね。

 それでは、また、次回・・・(次回の月例セミナーは軸の操作による合気)。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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