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横浜同好会始動!

 6月4日は、游心流横浜同好会の初稽古の日でした。

 特に予約制にもしていなかったので申し込んでいた人もおらず、「まあ、初日は誰も来ないかもしれないから・・・」と、同好会の主催者と私と北島師範の三人だけになると思っていたんですが、予定時刻になると、ひょっこりと会員さんが三人現れ、都合、六人で稽古できました。

 稽古場所の男女共同参画センター横浜は、戸塚駅のホームから見えるくらい近いんですが、駅前の再開発整備が進んでいるのだそうで、ちょっと、初めて行くと解りづらいみたいです。

 私は主催者と駅で待ち合わせて行ったので問題ありませんでしたが、皆さん、「ちょっと迷って人に聞いたりしました」とか言っていました。

 しかし、場所は素晴らしいです。設備的にも綺麗だし、男女共同参画センターということなので、フェミニズム関係の本などを中心にした図書館もあったりして、昔、社会運動の団体に参加していた時のことも思い出したりしました。

 フィットネスルームだと、エアロビクスやヨーガ、気功太極拳やバレエ、ストレッチなどのプログラムもあるようです。

 この日は、多目的スタジオを借りて稽古したんですが、元々は音楽向けのスタジオらしくて、隣の調整室までが外から覗けるようになっていて、ちょっとミュージシャンのレコーディングやラジオの収録をやっているみたいに見えたりします。
外から見た多目的スタジオ

 まあ、公共施設ですから安く借りられるんですが、その分、武器とか振り回すのは宜しくないでしょうから、太極拳を中心に、基礎錬体と対錬、そして推手を練習しました。
対練指導   太極拳

 この同好会では、「太極拳で護身と健身を養う」というテーマでやっていってもらおうかな~と思っています。

 うちの場合は、型としては簡化24式健康太極拳を練習しますが、意拳・太気拳・八極拳・八卦掌・形意拳などの要素も入れているので、健康法としてよりも、“必殺太極拳”を求めています。

 つまり、太極拳の動作に秘められている武術としての実戦技法を抽出していこうとしている訳です。

 横浜は中華街がありますね。華僑の人も多いですよね。華僑の人には中国武術の隠れた遣い手(武林隠者?)が実際にいたりします。

 そういう土地柄でもあるから、やっぱり単なる健康法としての太極拳ではない武術性を追究してもらいたいですね。

 私は正当な修行をしていないものの、だからこそ逆に太極拳を虚心坦懐に技法分析して原理的な身体運用、技撃理論、心法作用を研究することができました。

 なので、純然たる“武術性”から判断した新しい応用変化技を創意工夫していくことができます。

 伝統的な武術の教授制度の中で学んだ人は、この独創の部分が禁じられているため、師匠に教わったこと以上に技を発展させていくことができません。

 なので、厳格に学べば学ぶほど、代が変わる度に技の数は減ってレベルも下がってしまう・・・という矛盾した現象が現れてきます。

 そして、問題なのは、「この技はこういう具合に遣うのが正しい」という一面的な観方しかできなくなってしまうのです。

 しかし、素人相手ならまだしも、今の情報が膨大に溢れている時勢で、そのような一面的な技の用法の正誤を論じているようでは話になりません。

 この日も、太極拳の用法の説明の中から、“空手の受け技の意味”について解説したり、「なぜ、差し手するのか?」という游心流の戦闘理論の根幹に関する説明をしたりもしました。

 こういった個別の技から技の原理や戦闘の理論を説明するというのは、一般向けの月例セミナーではあまりやらないので、参加された会員さんは驚かれていたようです。

 そういえば、セミナーを二、三回受けて入会された他流を10年くらいやっていた人が、個人指導でいろいろ教えていると、真顔になって、「長野先生は、セミナーの時に何でも説明してくれるので出し惜しみしない人だと思っていたんですが・・・本当に危険なことは隠して教えていなかったんですね・・・。この技を本気で遣ったら一瞬で殺してしまいますね・・・」と、身震いするようにされていました。

 先日、シダックスの講座を受講された伝統空手を長く修行されている方も同様の感想を言われていました。

 私が、ハッタリをかまして強がっているのだと思いたい人は、どうぞ自由にそう思ってください。私は疑ってかかる人に理解してもらいたいとはまったく思っていません。

 誤解のないように申しますが、武道、格闘技の技というのは、すべて無防備な素人に本気で遣えば殺傷してしまうものです。

 かなり前の話ですが、外国人の空手修行者が外を走っている途中、酔っ払ったカップルの女性がふざけて「助けて~」と言ったのに対して、相手の男にハイキックを入れて殺してしまった・・・という事件があったと記憶しています。

 心身が無防備な状態だと軽い打撃でも致命傷になりかねないのです。

 しかし、競技化、社会体育化されていく段階で、それらの中でも本当に危険な技というのは禁止されたり隠されたりしていきました。

 例えば、極真空手では顔面を素拳で攻撃することを禁止しています。「ナンデモアリ」が売りのアルティメット大会でも噛み付きなどは禁止されていたようです。

 私は、弱者が自分の心身を護るための合理的な技を研究しているうちに、いろんな流派の禁じ手や隠されていた秘伝の技を解明することに夢中になり、結果的に現代武道や格闘技では捨てられてしまっていた技ばかりを発掘して体系化していきました。

 私がかつて学んだ先生は、「空手は体育、中国拳法は殺し技」だと先生の師匠が言っていたという話をされていました。

 もう、技の目的が違うという認識だったのです。

 私も戦闘理論に着眼して研究しているうちに、「あ~、確かにそうだ。中国武術の技は試合向きではないけれどもルール無用のストリートファイトには極めて親和性があるよな~。だから、遣い方を隠して表演スポーツにして普及したんだな」と確信するようになりました。

 中でも、太極拳はそんな中国武術の到達した一つの極致だという気がします。

「あんな健康体操は使えないよ」と思う人は、単に使い方を知らないだけですよ。

 ただし、空手やボクシング、ムエタイなどに対抗するためには、そういった戦い方を無効化するための練習も必要だと思います。

 ユーチューブで目隠しして組手をやっているのも、別にハッタリでやっているのではないのです。

 あれは、護身術ということを考えた場合、暗がりで襲われる確率が高いのを想定しているから、練習体系の過程に組み入れている訳です。

 もちろん、いきなりやらせてできる道理もありません。

 推手と差し手を組み合わせて熟練してから、目を瞑った状態で練習していき、そこから更に離れたところから対応できるように練習していく訳です。

“読み”も、初心者には目付けが必要ですが、熟練していけば皮膚感覚の察知力へと発展していく必要があります。

 もっとも、最初から感覚主導でやると過剰反応し過ぎるようになって、社会生活に困る事態にもなりかねないのです。人によっては霊感体質が開花して発狂してしまったりもします。

 それに、感覚は個人差があり過ぎます。自分でコントロールできない能力は無い方がいいのです。

 まあ、初日ですから、試験的に軽く流すように練習しましたが、北島師範の太極拳が、何だか凄い闘気がゴゴォーッと放射されていて、「何か、会社で嫌なこととかあったの?」と聞いたら、そうではなく、倉本先生のDVD付き本を私が貸していたんですが、それを観てから凄く感銘を受けて、やる気が出ていたようでした。

 ちょっと、私が見てても怖かったですぅ~。


 そんなこんなで、横浜同好会は、武術としての太極拳の可能性を模索するサークル活動として続いていってもらいたいと思っていますので、近郊にお住まいの方は、どうぞ、おいでください。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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