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武術家って何様ですかのぅ~?

 私が武術ライターやっていた頃からの業界の友人が、東京支部を見学したいということだったので、急遽、東京支部の稽古会に私も行きました。

 雨模様で天候が急変するかもしれないという予報だったためか、この日は参加者が一名だけで何とも寂しい限り・・・ショバ代が高いから大赤字・・・参っちゃうな~。開催曜日を変更した方がいいかな~? 早くも東京支部存続の危機だよぉ~(マジで参加者大募集中!)。

 それはそれとして、久しぶりに武術マニア同士のディープな表沙汰にできない裏話に興じてしまって、見学してもらう予定だったのに、ほとんど二人で夢中になってお喋りしただけになってしまいましたね。

 何か、最近の出版不況の中でも武道関係は悲惨な状況だとか? 何しろ雑誌の売上が書籍並みになっているということで、だとすると、多分、ざっと考えて15~20%くらいに落ち込んでいるのではないか? もう、雑誌がそれだと絶望的な感じですよね。

 武道書籍の企画も大手出版社ではまず通らなくなっているそうで、私は例外中の例外みたい(ちくま新書の方も売れ行きは良好で、じわじわ口コミで広がっているみたい)。

 けれども、小耳に挟んでいた噂話なんかの情報を聞いてみると、「あ~、そういうことだったのか~?」と思うことがいくつもありました。

 例えば、私がお世話になったり、したりしていた、ある先生が、私に大層腹を立てられていて、「長野のヤツは今度会ったらブン殴ってやる!」と息巻いておられたという“噂話”に関しても、実際には「長野さんはいろんな先生を見て技を盗んで回って、自分勝手に流派を名乗っているのはけしからん」と言われていたという話。まんざら嘘じゃなかった訳ですね。

 でも、「何じゃ~、そりゃ~?」と、思いましたね。

 正直、“言い掛かり”の一語。

 第一点。
 見ただけで技を盗めるのは純粋な私の能力であって、長年、手取り足取りして教えてもできるようにならない人がざらにいる武道界の現実からすれば、「あいつは凄いヤツだな~」と誉められこそすれ、非難される筋合いではありません。

 そんなに技を盗まれたくないんだったら、一切、部外者には見せないでメディアにも出なきゃいいじゃないですか? ねえ?

 第二点。
 私は教わった先生、流派、本や映像で参考にした技、すべて隠さずに自分から申告してきています。これはその先生方と流派に対する敬意としてそうしてきました。“パクッたのを隠して教えている”ならばいざ知らず、正直に明かして敬意を払ってきたにも拘わらず、無礼者呼ばわりされるのであれば、一体、どうしろと言うのか?

 無論、私がこの先生に直接、弟子入りしているなら話は別です。でも、私はこの先生に弟子入りはしていません。批判は筋違いの一語です。

 第三点。
 これはその先生から言われたことではありませんが、私が、学んだ流派の技を名前を変えて教えていることについて非難されたことがあります。

 が、よく考えてもらいたいのは、ある流派の技を、その流派の指導者として認められていない者(破門された者とか)が「これは何々流だ」と勝手に名乗って教えていれば、それは詐欺行為に相当するということです。

 だから、私は太気拳も戸隠流も拳正道も嫡流真伝中国正派拳法も・・・学んだ流儀、研究した流儀の総てをひっくるめて“游心流”という名前で新たな編成をするしかなかった訳ですよ。技も理論も総てが融合してしまっているんだから、一派を建てる以外にどうしようもないじゃないですか?

 私が技の名称を変えて教えているのは、一つには「その流派に対する遠慮」があるからなのと、もう一つは「自分なりの解釈でアレンジを加えている」からなのです。

 この点は、躾道会の小林先生に贈った居合術のDVDで、小林先生は居合術は専門じゃないけれども、私が交叉法の原理を応用して技を工夫しているのに気づいて誉めてくださいましたし、そういう具合に拳法以外の武術にも交叉法が応用できるという証明をしたことで、桜公路先生が考案した“交叉の理合”の優秀性を間接的に再認識されて、とても喜んでくださいました。技を誉めてくれたのは本当に初めてでしたよ。

 ちなみに、游心流の初級対錬の技はほとんどが嫡流真伝中国正派拳法の“使用法”から採用しています。非常に完成度が高かったので変更する余地が無かったからです。

 が、その技法の中には膝抜きで入身する田中光四郎先生に教わった体捌きの要素を入れていたり、太気拳の差し手の技を入れたり、細かい技のコツで私が工夫して変更してきた要素が細々と入っているのです。

 だから、手順と形式がほとんど同じであっても中身はかなり変わってしまっているのですね。それを原点の“使用法”の呼び名のままで教えてしまえば、詐称になりかねないですから、そこは遠慮して別の名前を付けたんですよ。

 それはもう、小林先生がどれだけ大切にされているかを知っているから、そうした訳なんですね。

 極真空手にも採用されて名称が一般化している“立禅”などと比べると、“使用法”は極めてマイナーな一流派だけのオリジナル名称ですから、尊重されてしかるべきだと私は思います。

 同様のことは基礎錬体のやり方にしろ、歩法にしろ、太極拳の型にしろ、居合術にしろ、総てに於いて中身は私の研究成果が加わっているので、「これらは私なりの研究成果を加えて改変しています」という意味で“游心流”と冠している訳なんですよ。

 無論、前述しているごとく、聞かれれば「この技は何々流の何という技をベースにしているものです」と答えてきており、隠して教えたことなんか一度もありません。

 その証拠に、私は本やDVDの中で新体道の天真五相を紹介していますが、きちんと新体道の基本型であることを明言して紹介していますでしょう? 原点に敬意を払っているからですよ。

 私みたいに、ちゃんと原点に敬意を払う人はむしろ少ないんじゃないですか? 他流から採り入れた技や稽古法を、自分の流派のものとしてそのまま紹介する人が圧倒的に多くないですか? 悪気はないんでしょうけれど・・・。


・・・とまあ、こういう次第ですけれど、尊敬していた先生だったからこそ、その予想外の狭量にはガッカリしてしまいましたね。

 正直、本当に「ブン殴ってやる」と思っておられるのでしたら、受けて立ちます。寄せ集めのパクリ武術と侮って見下してもらっては困る。実力で敵わないとしても、こんな理不尽なことを言われて、ハイ、そうですかとは言えませんよ。

 お世話になった先生のお一人ですから、こんなことは書きたくありませんし(だからお名前も隠しています)、私もこの先生を武道マスコミに紹介したり、「素晴らしい先生だよ」と人にも薦めて何人も習いに行っているんですね。

 恩着せるつもりはありませんが、そういう裏側から力添えしたことに関する感謝の言葉ではなくて、何で、こんな理不尽な中傷を受けなくてはならないのか?

 情けないし、哀しいですよ。


 武道武術の世界は、俺様体質、王様気質の人が非常に多く、自分の強さを誇って人を見下す人が腐るほどいます。こちらが相手を立てて一歩下がった態度でいると、段々、お調子こいて上から目線になる人ばっかり。

 私は別にわざと謙虚にしようとか思っている訳じゃないんですが、青木先生から「長野さんはもっと武術家らしくした方がいい」と言われて、「あ~、確かにな~」と思ったりしますよね。謙虚に相手を立てているとのぼせる人ばっかりだから、本当に嫌になる。


 それから、他にも、ある武術家の暴力沙汰の話なんかも聞きました。

 まあ、人間だからいろんな間違いはやってしまうものだと思うけど、流石にこんな酷い話はなかなかないな~と思うような話で、これまた別の意味でガッカリしてしまいましたよね。

 詳細は書きません。というか書けません。

 常識がないというより、もう、やってることが犯罪。ヤンキーのリンチみたいで嘆かわしい。な~んにも正義がナッシング。ふた昔前の大学武道クラブのノリを、いい齡こいた大の大人がやっているんだから、何と言いましょうか・・・こんな武術家ばっかりじゃ~、世間の武術に対する評価が上がることは永遠にないだろうな~と思いましたね。

 何か、私は戸隠流の野口先生や躾道会の小林先生や日子流の田中先生や新体道の青木先生といった、強いだけじゃなくて器の大きな気持ちの暖かい先生方に出会えて幸せ者だったな~と、つくづく思いましたよ。

 傲慢で自己チューで嫉妬深くて力で他人を踏み潰すことしか知らない武術家なんか、一体、誰が尊敬してくれますか? そんな心の弱い武術家なんか恐れるに足りませんよ。

 久しぶりに、友人と楽しいお喋りをかわしたものの、帰りの電車の中では何かドヨ~ンと空し~い気持ちにさいなまれてしまいましたね~。


追伸;クエストから出ている今野敏先生のDVDを観ました。空手道の形の分解用法をいろいろ紹介されていて、非常に勉強になります。一つの動きを何通りにも使い分けて見せるところが素晴らしい! “わかってらっしゃる”。それに、俳優の須藤正裕さんも出ておられます。須藤さんは蟷螂拳を使う殺し屋で『ブレイクアウト』という映画でデビューして以来、本格的な武術修行をしている俳優として数多くの作品に出演されていて、福昌堂出身という私にとっても大先輩ですね。何か豪華なDVDですよ。今野先生とは故・宮田重則さんの御紹介で高瀬道場の技芸会の時に挨拶程度にお会いしたことはありますが、あれだけの大作家にして、これだけ空手を武術として探求されているというのは畏敬の念を覚えますね。空手を生涯武道として追求したい方は必見ですよ。ちなみに今野先生といえば、私は阿部ちゃん主演の『拳鬼』が大々々好きで、日本カラテ映画史上、隠れた超傑作だと思うんですよ。「お前の拳は血の匂いがするぅ~」って、クッサ~い台詞も、何か異様な味があって良いんですよね~。何せ、沖縄空手VS八極拳ってのが最高じゃないですか~? 押井守監督の『アサルトガールズ』で黒木メイサが沖縄空手殺法を駆使するところも、もっと詳しく見せてもらいたかったな~。あ~、かつての東映カラテ映画みたいなムチャクチャな映画が観たいな~。お金要らないから、映画の武術指導やらせてもらいたいな~。映画関係の方、お話、待ってま~す!

追伸2;そういえば、フルコムの山田さんが私のDVDを観て「こんなにできる人だとは思ってなかった」と評価されていたという話も小耳に挟みました。山田さんって、滅多に人を誉めない人なんだそうで、そりゃ~、有り難くも光栄なことですね。やっぱり、誉められると嬉しいですね。人間だもの・・・。



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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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