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ハマの夜は嵐を呼ぶ・・・かも?

 六月から始まった游心流横浜同好会ですが、新規会員希望者もあって、7月9日は私も行きました。

 何しろ、開始初日に満員電車中で持病の発作を起こしてしまったもんですから、「スマンです。毎週行くのは勘弁して~」と主宰者に任せっきりにしていたんですが、東京支部と違って主宰者はまだ指導員資格を認定していないので、せめて月一くらいは顔を出すようにしようと思っています。

 東京支部は民間のレンタルスタジオを借りているのである程度の固定人数がいないと赤字になってしまう(現在、稽古場所と曜日の変更を検討中です)んですが、金をかけているだけ矢嶋師範代が理論的に工夫してみっちり指導しているので、まあ、游心流として恥ずかしくない水準の稽古内容になっている・・・と言うか、私がテキトーに教えるよりずっと身に就いてきてますよ。

 やっぱり、うちに習いに来る人は、私が直接、教えると劇的に上達できると期待されているみたいなんですが、私は、初心者と覚えの悪い人に教えるのは苦手なんですよ。根っからの面倒臭がり屋なんで、同じことを二回教えてできない人は、もう、放置しちゃいます。

 下手でも真剣にやる人だったら、我慢して付き合いますが、下手な上にボケボケ~ッとチンタラ練習やってるような人は、もう眼中にありません。

 皆さん、勘違いしがちですが、私が厳しいことを一切、言わなければ、それはまともに教える気がない訳なんですよ。

 セミナーの時なんてサービス・デイ?だと割り切って教えているので、滅多なことで厳しく叱ることもありません。

 というか、普通、私は滅多に怒らないですよ。怒った時は破門にするか半殺しにするかと頭の中で考えています。今まで半殺しにした人はいませんけど、今後もないとは言えませんね~、フフフ・・・。

 武術なんだから、不埒なヤツの手足の一本や二本、目ン玉、金玉の一つくらい平気のヘーザで折ったり潰したりできるような凶暴さも持てなくちゃダメですからね。

 もちろん、その凶暴さを徹底的にコントロールできる強靭な理性も必要ですから、それこそ並の精神力では使いものにならないんです。

 うちの指導員の認定は、その辺の意識も持てる人を選ぶことにしています。

 その点、今のところ横浜は支部じゃなくて、“同好会”。たまに私が顔を出して稽古内容を修正していかないと問題があります。料金が半額なのも、そのためなんですね。

 で、今回は、発作が起きないように満員電車を避けて早い時間に出発して、戸塚駅ビルの本屋さんで時間潰したりして過ごしました。

 すると、武道をバイオメカニクスで解析していた吉福康郎先生の新刊『武術「奥義」の科学・最強の身体技法』(講談社ブルーバックス)を見つけて、おおっ!と思って、手にとってパラパラとめくってみましたら、吉福先生は甲野善紀氏に学んでいたんですね~(そういえば、誰かから聞いたような気がする)?

 正直、「アッチャ~・・・やっちまったね~」とも思ったんですが、でもバイオメカニクス的に武術の身体運動を解析するというのは面白そうだと思ったので、即買いました。

 甲野氏は「私の技は科学では解明できない」なんて言っていましたが、吉福先生はかつて武道の技を科学的に調べた学者として有名な方ですから、甲野氏の技に関しても明確な科学的理論構造を解明してくれているかも?と思って読みました。

 う~ん・・・そうですね~・・・正直、書いちゃってもいいですか?

 科学的に説明すると、何か、余計に小難しくなっちゃうんですね~? 「理科系大学出身なんだから解るだろ?」って責めないでくださ~い。私は中退なんですよ~。しかも、ろくすっぽ勉強しないで武術ばっかりやってたんですよ~。

 武術に関することだったら何でも来~いっ・・・って感じなんですけど、数学的に解説されるとチンプンカンプンです。

 そんでまあ、何か、読んでいてもフに落ちない箇所がいろいろあるんですよ~。何でかっていうと、「武術は身体運動だけじゃないから」というのが私の認識だからなんですね。

 結局のところ、筋肉の収縮の問題というところに論を落とし込むのは無理があるし、神経の反射作用に言及するのなら、心理的な側面を検討しないと意味がないと思うんですよね。

 武術の心理作用について言及した人としては、現在は武道指導は休止されていると聞きますが、柔氣拳法の今田柔全先生は気の武道に関する考察として催眠と関連付けて論じられていて、私的には、こちらの説明が納得いく部分が多かったですね。

 で、何がフに落ちないかというと、“戦いの中で用いる武技としての有効性”ではなく、稽古中の演武(約束組手)の技の解析しかされていないので、「それって、武術としてはどうなのよ?」と言いたくなるんですよね。

 まあね~、それがまったくの無意味だとは申しませんよ。十分に意義はあると思いますよ。少なくとも「武術の技を科学的に解明する」という試みにはもろ手を挙げて賛成します。

 だけど、何か、武術というより身体奇術?の解析しているみたいで、これじゃ、誤解が広まるだけかもしれんな~と、より権威付けして誤解を広めているようにしか思えないのは私だけなんでしょうか?

 もっとも、個人的な利害で言うと、武術ブームも沈静化しつつある今、改めて武術に光を当ててくださるのは、武術の本書いて生活費を稼いでいる私としては有り難いことでして、吉福先生に感謝!ですね。

 それに、吉福先生の御健在ぶりを知ったのも嬉しい。『最強格闘技の科学』は面白かったです(松田先生の寸勁の威力測定実験なんかも興味深かったですね)。吉福先生の御活躍を期待しています。


・・・ふうっ・・・脱線脱線・・・。

 一カ月ぶりの横浜同好会

 この日は新規入会希望者が二名来る予定なので、面談も兼ねて足を運んだ次第。

 一人は20代、もう一人は40代。

 最近、指導者クラスの人や若手でもズバ抜けて才能のある人が入ってきていたので、私はもう初心者を手取り足取りして教えてはいません。

 師範と師範代に任せています。

 この日も主宰者に任せました。教えるのも最良の稽古になりますからね。うちに入会して七年目になるそうで、「げげっ、もうそんなに?」と思うと、早く指導者として独立させねばならん・・・という気持ちもわきます。

 思っていたよりも、ちゃんと指導されていたので、ほっとしました。同好会としては及第点でしょう。細かい修正点はありましたが、大筋が正しければ無問題です。

 やっぱり、DVD教材つくって良かった・・・。

 ただ、一応、せっかく来たので、横からあれこれアドバイスはしました。技も少しは実演しました。最近は、場合によっては横で見てるだけで、まったくやらないこともあるので、この日は大サービスのつもりです。

 ところが・・・差し手の要領を教えるために実演したら、相手が激しく突っ込み過ぎて目に指先が当たってしまい、慌てました。眼鏡に当たってから瞼に入ったので眼球直撃はしなかったと思うんですが、久しぶりにゾッとする感触でした。

 事前に爪を切ってきて正解でしたよ。眼球に爪が刺さったらヤバイですからね。なんとな~く、こうなるような予感もしたんですよね。経験のある人で初めて来る人だと悪気がなくとも試したがるような気持ちが出てくる場合があるので、最近は初めての人に教える時は、稽古中の万一に備えて、臨戦の意識をしています。

 いざ勝負となった時には交叉法は絶招(必殺技)そのもの。相当な力量差があっても、人間同士が戦う場合、捨て身で相討ちになる覚悟さえできれば、そうそう負けるものではありません。そして、覚悟の差はなまじの技量差なんか問題にしなくなります。

 というのも、交叉法使うと、相手が激しく攻撃すればする程、こちらの迎撃の威力が倍加してしまうんです。

 一刀流剣術の切り落としを突きでやっている訳で、相手が激しく突いても交叉したこちらの拳あるいは貫手が相手にまっすぐ突き込まれれば、こちらは当たって相手の突きは外れます。

 我ながら恐ろしい技を工夫したもんだと思います。原理的にこれを使う流派はあると思いますが、基本技として練習しているのはうちだけと思います。

 最近はドンピシャで技を出せるようになった(十数年かかった)ものの、この技の怖さを知らない人だと突っ込み過ぎて自分から当たってしまうのです。今回も自分の距離感覚ではきちんと止めたんですが・・・ヒヤッとしました。

 私が腕試しの人が嫌だな~と思うのは、こういう技はこっちが止めても相手は気づかないでしょう? でも、本気で当てたら相手に治療不能の大怪我させてしまう訳で、軽い気持ちで腕試しに来た人をいちいちカタワにしてしまうのでは危な過ぎるでしょう?

 だけど、いくら口で言っても納得しない人もいます。そういう人はもう仕方がないから、身体に傷を負うことで心を矯正してください・・・という気持ちで臨むことにしていますので、腕試ししたい人は覚悟しておいでください・・・という気持ちです。

 どうして、うちは約束組手でしか練習しないか?というと、これを自由組手で使うと冗談でなく相手に致命傷を与えてしまうからなんですよ。これを教えて試合や自由組手で使って相手に怪我を負わせてしまった人も何人かいます。

 なので、交叉法は試合には使わないこととして、稽古の意味を理解して互いに相手を怪我させないように注意しながらギリギリの技の精錬を目指さないといけない・・・と決めた訳ですが・・・。

 先日は、矢嶋師範代と居合の対錬をやった時に真剣を使ったんですが、互いにギリギリで相手を傷つけないようにする・・・という意識の上で技を体得していかなかったら、実戦も糞もない訳です。

 武術の技は一撃必殺。一瞬で息の根を止めてしまう技だからこそ、秘して隠して生涯使わぬが花なんですよ。呑気に身体の動きがどうのこうのと言ってるようじゃ話にならないんですね。

 でもま~、それだけじゃ楽しめないから、初心者向けの“娯楽的な技”も作らなくちゃいかんな~と思っている今日この頃。本物の武術というのは軽々しく広められないのですから、使いものにならないインチキが持て囃されてしまう・・・皮肉なもんですね~。

 新しく入会された二人は、武術経験はあるものの、やはり胴体の動きが予想以上に堅くて技も力任せになっていました。力を抜いて身体を柔らかくしなやかに使うためには、正直、これを矯正するのは時間がかかるな~と思われました。

 こういうのは本人は気づいていない場合がほとんどです。人間は自分の欠点は失敗したり人から指摘されないと自覚できないものです。

 欠点を指摘した時に謙虚に直す努力をするかしないか・・・そこが上達するかしないかの分かれ目ですね。

 感触としては、週イチの練習だとそれなりにサマになるのに一年以上は必要か? その期間が短くなるか長くなるかは本人次第なので、残念ながら私は関知できません。

 まずは基礎錬体でじっくり身体を練り込んで、柔軟でしなやかな動きと、居着かないでスルスルッと動ける運足を体得してもらって、それからですね。技を体得するのは。

 四月に入ったばかりの会員さんもこの日は参加していたんですけれど、学生時代に合気道部の主将をやっていたそうで、まだ三カ月弱しかやってないのに、何だか、もう既にうちで二、三年やっているみたいな感じになっていて、早く上達する人は早いんですが、しない人はしない・・・う~ん、難しいもんだな~・・・。


追伸;延壽宣次(えんじゅのぶつぐ)、拵えも完成しました! 游心流居合術の特殊抜刀“卍月”がやり易いように鐔は特に小さいものを装着し、縁頭は梅花、肥後拵え風で柄は太く、黒染め鮫に目貫はトンボ、柄糸は黒牛革にしました。無論、柄木はいつものように針金を巻いて強化しております。この刀は二尺四寸九分で長めですが、樋も入っていて軽いので、当分、居合の稽古に使って、それから頃合いを見計らって研ぎ直してみようと思います。清麿風の刃紋に相州伝風の地肌が綺麗に出たら、さぞや美しい刀になるでしょう。でも、試し斬りとかには使いたくないな~。もったいない・・・。
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追伸2;教材用DVDを買った方から雑音があるとかプレーヤーで映らないという苦情がたまにあります。出荷前に作動チェックしておりますが、一応、交換には応じております。が、戻されたものをDVDプレーヤーで見てみると問題なかったりします。家内産業で手作りしておりますので、撮影時の戸外の音などが混じっていたりすることもありますし、プレーヤーとの相性の問題もあると思われますので、恐縮ですが機種を変えて再生してみることをお薦めします。また、DVDは強力な磁気に近づけたりするとダメになったりしますので、携帯電話とかに近づけないようにしてください。


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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