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武術格闘漫画考

ツマヌダ格闘街』の最新巻を矢嶋師範代が貸してくれたので読みました。

 前回くらいから、「これは俺の本を結構、参考にしてるのかも?」と思っていたんですが、いや~、そうとばかりは言えませんね。

 私の嫌いな宇城憲治氏の本からも、ほぼそのまま参照したような技術解説コーナーがあったりして、そういえば初期の頃は私の大嫌いな甲野善紀氏の影響ありまくりだったし・・・相当、いろんな本(安田登氏の本の影響も感じました)を読んで研究しながら描かれているんだろうな~と思いました。

 無論、パクリだと非難したいのじゃなくて(オレにそれを非難する資格はな~い!)、漫画という表現の中でどれだけ武術の真相を解明していってくれるのか?という期待感で読んでいるんですね。

 下手な武術家の意味不明の技術解説よりセンスの良さを感じますし、私のような専門家が読んでも、なるほど~と感心する描写が時々あるんですよね。この作品の作者はタダ者じゃないと思うんですよ。情報の処理の仕方にセンスの良さがある。

 特に前巻の中国武術マニアの繰り出す予備動作ミエミエの攻撃を主人公があっさり躱す描写なんて、意外と誰も指摘しなかった弱点じゃないでしょうか? これに気づいているのは大した慧眼だと思いますよ。実際にやってる人間でも気づいていない人がザラ。

 気配を消すとか言ってる人が気配出まくりの攻撃したりするのを眼前で見て、「冗談かな?」と思ったこと、私もあります・・・。アレは哀しかったな~・・・。

 結局、世の武術家は技に関しても術理に関しても、戦闘の理合に関しても解説するのが下手な人ばっかりで、正直、何を伝えたいのか判らないんですよね。

 理論は立派でも、それを体現するのは非常に難しいということです。これは、真面目に修行している人は誰でも痛感していると思いますよ。

 例えば、私と年齢一緒くらいの人が試合に挑戦して負け続けているという話を小耳に挟んだんですが、私は嘲笑う気はしません。だって、自分がやっても、勝てないと思いますからね。

 私は護身術として使えることを目指しているので、試合で勝ちたいと思ってないから、試そうとも思わないんですが、「試合の場で実力を証明しないと認めてもらえない」と考えて頑張ってる人を、やりもしない人が嘲笑するのは意地が悪過ぎると思いませんか?

 私が一番、嫌だな~と思うのは、伝統武術を修行する人達には、そんな意地の悪い人間が非常に多い点です。

 やりもしない、できもしない人間が、頑張ってやっている人達を嘲笑するのは嫉妬や劣等感の裏返しでしかありません。だから、醜いんです。

 だから、『ツマヌダ格闘街』に登場した伝統中国武術マニアの描写は、極めてリアルなものだと感心してしまったんですよ。あの胸糞の悪くなるような勘違いして自惚れた連中の性格が、非常に正確に描写されているな~って・・・。


 さて、それはそれとして・・・、漫画というのは絵と言葉で解説してくれるから、ある意味、非常に優秀なテキストになり得るんですよ。

 もちろん、描いている人がきちんと理解していないとダメなんですけど、漫画家の観察眼というのは常人とは段違いだと思う場合がありますね。

 私の本で、いつもイラストをお願いしている黒谷薫先生も、武術経験はほぼないんですけど、やっぱりプロの漫画家の人は凄いな~と思うのは、モデルになった会員の自分で気づいていない身体のクセなんかまで正確に描かれるんですね。

 ある意味、本人より本人らしいんですよ。

 だから、もう、他のイラストレーターの方には頼めなくなりましたね。

 無論、プロだったら誰でも描けるか?というと、そんなことはないと思いますよ。

 例えば、月刊空手道の10月号(今月号)で、空手専門誌では欠かせない第一人者となった観のある漫画家の坂丘のぼる先生(全空連三段)がマスターズの試合に参戦されたという記事が掲載されていましたが、作家で空手家といえば今野敏先生がおられますが、漫画家で空手家といったら坂丘先生がまず思い浮かびます。

 坂丘先生は御自身が長く空手を修行されて子供たちにも教えておられる上に、雑誌の取材でいろんな武術にも触れられているので、描写が緻密で、躍動感があるんですね。

 芦原空手のムック本での漫画や、『空手のタマゴ』シリーズなんて、私は格闘漫画の隠れた傑作だと思います。私の周囲の空手やっている人達の間でも実はファンが多いんですね。北斗の拳や空手バカ一代が嫌いな人が坂丘先生の漫画だけは絶賛していたのを見たことあります。

 要するに、玄人ウケするんですよ。オリジナルの天下一武道会のような漫画を是非、描いて欲しいな~と心から切望しています。というか、坂丘先生にしか描けないよ!

 以前、松田隆智先生とお話していた時に、『拳児』の絵を描いた藤原先生も格闘シーンの描写が非常に上手いと絶賛されていたのを思い出します。

 ただ、『拳児』の格闘シーンは、とにかく相手が順突きで攻撃してくる率が異様に高くて、「そりゃあ、あり得ないでしょ?」って思いましたけどね。

 多分、モデルとして描く参考に松田先生が実際に実演して見せた時、お弟子さんがそういう攻撃しかしなかったからなんじゃないかな~?と思うんですが・・・。

 アニメでも実写でも、格闘アクションのところはセンスが凄く出ます。

 板垣さんの『バキ』も、少林寺拳法や空手や合気道やボクシングの描写はオオッと思うんですが、中国武術になると何かいきなり変な感じになる。烈さんが、トニー・ジャーみたいな戦い方したりするし・・・。

 いや・・・しかし、そもそも中国武術に関しては実際に修行している人でも戦い方を知らなかったりする(太極拳なんて打撃格闘技とは考えない方がいい)から、これはもう、しょうがないかもしれないんですけどね。

 比較的、いい線いってるな~と思ったのは、『地上最強の弟子ケンイチ』くらい?

『ツマヌダ格闘街』は、リアルな武術描写のできる希少な作品で、これからもっと化けるかもしれないので、見守っていきたいな~と思っております。

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追伸;コンバットマガジンの今月号の甲野善紀氏の記事の写真。書店で見てコワかったですぅ~・・・(泣)。日本刀(真剣)持って、メッチャ嬉しそうに笑ってるんですが、子供の時に見た日本妖怪図鑑に載っていた“わらひ般若”の絵にクリソツ過ぎるんですよ~。何で、こんな不気味な写真を使ってるんでしょ? ホワ~イ? 何か、編集部の作為的イタズラッ気を感じるのは私だけ? 「いいか? 人間は大義名分があれば、人を斬っても心が痛まないんだぞ・・・」と真剣眺めながら力説していた時の顔と一緒だったな~。大丈夫ですか? コーノ先生~っ! 人を斬ったら、心、痛むのが人間じゃないですかぁ~(泣)。自分が傷つくより他人を傷つけることのほうが心が痛むのが、人としてあるべき姿じゃないですかぁ~? アンタね~。神様気分で世の中、眺めるのよしなさいよっ! 脳みその腐った政治家みたいな考え方しちゃ~ダメだよぉっ! 爆笑問題の太田が安倍元首相に食ってかかってたけど、俺も同感。人殺しを正当化する大義名分なんぞ無いよ!


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追伸2;今度の木曜日の相模原本部の稽古会(事務注:9/2の稽古です)ではエアソフトガン使ったライフル射撃の基本を講習します。ライフルの構え方(スタンディング、ニーリング、プローン)、スリングの使い方、スコープの狙い方、ボルト操作、セフティの掛け方と外し方、トリガーの引き方、銃床の肩付けとチークピースの頬付けのやり方・・・といった基本的なことを指導します。用いるのは東京マルイの最新型プロハンター。ボルトアクションのハンティングやスナイピングで用いられるウインチェスターやレミントンの最もポピュラーな形のライフル銃を模したものです。国内でもしも暴動が起こって市民生活が危ぶまれるようになった場合、我々が最も現実的に入手する可能性がある銃は、ハンティング用のショットガンかボルトアクションのライフルでしょう。その意味でも基本的な操作法は知っておくべきと思います。これも現代で武術を学ぶ時に必須であると私は思います。昔の古武術は火繩銃の撃ち方も心得として稽古していたのですから、前々から基本的な銃の操作法も指導しようと思っていたんですが、今後はエアソフトガンで練習しておいて、一年に一回くらいはグァムとかにシューティング・ツアーに行きたいと思っております。普段、来れない会員さんも是非、どうぞ。(何か、着々とやりたいことを実現してきつつあるかも?)


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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