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弟子を育てるということ・・・

 10年前に游心流を名乗って活動し始めた頃だと、「ライター風情が流派を名乗るなんて身の程知らずなヤツだ」と、周囲から散々陰口を叩かれたものでしたが、10年間も活動し続けて、を一冊出すと、「あいつ、生意気な・・・」と言われ、二冊目を出すと何も言われなくなり、三冊目を出すと無視されるようになり、四冊目、五冊目、六冊目と出すと、「いや~、長野“先生”は凄いな~・・・」と言われるようになりました。

 特に、今の御時世、売れない物書きは一冊出して終わりですからね。何冊も出しているというのは売れている証拠な訳ですし、さらに、私の場合、武術武道の専門誌にまったく出ていないというのも逆の意味でブランド・イメージが確立されましたね。

 もちろん、ネット・アイドルと違って、実際に毎月セミナーやっていろんな武道格闘技の経験者に教えて結構な好評を得ているという点もポイントが高いし、その様子を特典映像に入れたDVDもシリーズで出ているので、「口先だけじゃなくて、実際は指導家としては優秀なんじゃないか?」という具合にプラマイが逆転していっています。

 もちろん、これらは、わざと戦略的にやってきている訳で、偶然そうなったとは言えません。私の計算では今頃はもっと売れっ子になって道場兼自宅の3F建てビルに住んでいる予定なんですけど、ちょっと甘かったですかね~?

 それでも、昔は知り合いから寸借詐欺みたいにお金借りて、何とか凌いでやってきていたのに、今はお金を貸してくれませんか?と言われて、多少は貸したりできるようになったんだから、本当に継続は力になるんだな~?と、しみじみ感じます。

 とにかく、目下の目標は安定した収入を確立して武術文化の研究所として人も雇って運営していけるようになることです。やっぱり、先立つ物は金という面はありますよ。心意気だけじゃ、やってけないですよ。

 無職だったり病気で働けないとか家に引きこもってるとか言って、教えてくれと言ってくる人がいるんですが、本当に武術にかまけてる場合じゃないですよ。

 バイトでも何でもやって金稼ぎながら、武術をやるのならいいんですが、なんか明らかに現実逃避なんだよな~? そういう人が相当数いますけど、自分の首を絞めるハメになるだけですよ。

 世の中、やっぱり、独りだけの力じゃどうにもなりませんけど、天は自らを助ける者を助く・・・なんだよね~。

 自慢じゃないけど、何とか自力で食えるようになるまで20年くらいかかってますよ。よく親から見捨てられなかったな~と思うし、私が綺麗事が大っ嫌いなのも、社会の底辺を這いずる感じで貧乏芸人みたいに生きてきたからですよ。綺麗事言う余裕なんか無いもんね。

 47歳という年齢は、武道の世界では鼻垂れ小僧みたいなもんなんですが、最近は、斯界で名だたる諸先生方が「長野先生」と呼んでくださることもあって、流石に、武術を指導して一派をたてている者として、それなりに振る舞わなきゃいけないよな~とか、思っています。だって、周囲はそういう人だと思って見てる訳だから・・・。

 指導者として一番、活躍できるのは40~50代だと思う訳です。私はその真っ只中にいる訳だし、これまでは先生ヅラするのが嫌で、会員と友達感覚でいる方が気楽だったんですけれど、それが災いして増長してしまう人間を何人も出してしまいました。

 これじゃあ、いかんな~と反省したんですよね。青木先生からも、そういう具合に言われたし・・・。

 やっぱり、もう、「若気の至りです」と言い訳できる年齢じゃないですからね。指導者として、実力も人格も兼ね備えた武術家を育てるのは義務だと思っています。

 無論、私自身は、生涯一武術研究家をまっとうするつもりでいますが、武術の指導者としては世界一でありたいと思っています。それこそ、世界中、どこに出しても恥ずかしくない大達人を17人くらいは育てたい(大達人ワンセブンとか呼ぼうかな?)。

「いきなり、世界一かよ? 日本一は目指してないのか?」と思われるかもしれませんが、不遜な言い方ですが、武術の指導者としては日本一にはもう達してると思っています。

 もちろん、私自身が自分が達人に達しているなんかゼ~ンゼン思っていません。青木宏之先生や田中光四郎先生、小林直樹先生、友寄隆一郎先生といった大達人の先生方とは比べるべくもありませんよ。そこまで阿呆じゃありません。

 でも、“武術の技と理合を指導する能力”に関しては、私は自分が日本でぶっちぎりで随一だと思っています。この点だけは誰が何と非難しようが、「否定できるもんなら、やってみやがれ」と思っています。

 うちの常連会員の上達具合。月例セミナーの常連参加者の上達具合。奇跡を見るかのように感動する瞬間がしょっちゅう有りますよ。「人間って、誰でも磨けば光るんだな~」と感動しますよ。ホント!

 東京支部に通っている人達はグングン上達しているし、横浜同好会に熱心に通っている20代の人もどんどん良くなってきてると主宰会員から毎回メールしてくれるんですが、本人も嬉しそうです。人を育てるのは本当に楽しいし感動的ですよ。相手が育てば自分も育っていくんですよね・・・。

 私のDVD見てヘナチョコ呼ばわりする人とかも多いんですが、「そんなら、真剣で斬ってくるのを躱して捕り抑えてみろよ」って言いたいですね。アレ、模擬刀じゃなくて本身の真剣ですからね。斬りかかる方が怖いから、「もっとビュッって斬ってこい」って言ってるんですけど、「とてもできません・・・」とぶるってたんですよ。

 私は、「失敗して死んだら自分が悪いんだ」とハラ括ってるからいいけど、斬りかかる方はトラウマになっちゃうでしょうからね。

 だって、そんな練習、一度もやったことないですからね。怖くて当然です。私だって見切れる自信はあっても、“(真剣では)一度もやったことない”んだから、絶対、成功するかどうかは判らないんですよ。

 おまけにビデオカメラで撮影している中でやるのは無意識に緊張して実力が発揮できないものなのも知ってる。だから、私としても決死の覚悟でやったんですよ。

 敢えて、それをやっているのは、技だの術だのじゃなくて、肚を括ることの重要性を少しでも表現したかったからなんですね。映像で見るとあんまり判らないですけどね。

 けれど、私のDVD見て評価してる人は、形じゃなくて、もっと深い部分を洞察できる人だと思いますよ。よって、「こんなモノ、ダメだ」と言う人は、「あ~、その程度しか観えないんだね~。お可哀想にね~」って思うだけです。

 こういう発言は誇大妄想かな~?とは、自分でも思うんですが、少なくとも武道武術の専門誌とか読んでいても、失礼ながら私以上に知識と技能と解析能力を持つと思える方は見当たらないのですよ。

 表に出ていないで私以上の人はきっといるだろうとは思うんですが、でも、表だって活動している中にはいないと思えます。

 高岡さん、日野さんは、武術の細かい内容については知らないみたいですし、特に中国武術には疎いみたいです。技術分析はできても総体としての理合を知らない。

 宇城さんは自分の学んだ沖縄空手と居合道しか知らないみたいです。

 甲野さんは“論外”として、高橋賢さんは古武道研究家として優れた研究をされていますが、空手や一般武道について知らな過ぎです。

 木村達夫さんや保江さんも佐川伝合気しか知らないし他流の戦闘理論などはそもそも興味がないでしょう。

 そうですね~。河野智聖さんは一通り研究されている印象を受けますが、武術よりは身体操作に関心が深い様子ですし、野口整体をベースにされている印象があります。案外、武術の戦闘理論とかは求めていらっしゃらないんじゃないかな~?

 内田樹さんは、あんまり読んでないから決めつけるのも良くないんでしょうが、ちと能書きが過ぎると思いますね~。合気道中心の人には多いから仕方がないかな~?

 前田英樹さんは、何か甲野さんとの共著がイケズだったので期待していなかったんですが、ちくま文庫の『宮本武蔵 剣と思想』を今、読んでいるんですが、なるほど、この人は慧眼だな~と見直しましたよ。宮本武蔵の解析本として一番、優れているんじゃないか?と思いました。

 その前田さんの武友である小用茂夫先生が、実をいうと最も武術武道格闘技を全般的に解析して語れる能力を持たれていると思うんですが、恐らく表だって武術について語っていこうとはされないでしょうし、あくまでも自身の修行に専念して一生を費やすことを求めるタイプだと思いますね。「本、書いてくださいよ」って、だいぶん、前から言ってるんですけどね~(苦笑)。

 本音を言えば、小用先生が私のやろうとしていることをやってくれれば、私なんか出る幕ないと思うんですけどね。表だって活動していないから知られていませんが、実質的に武術研究では当代随一の第一人者だと思います。

 私の場合、使命感もあるんですけど、半分は自分の生活のためにやっていることですからね~。生活の苦労を考えなくていい立場だったら、私は武術は道楽としてだけやって、他人にも教えなかったでしょうね・・・。


 その他にも武道本を著述している方はいるでしょうが、大体、空手系、古武術系、合気系、剣道系、中国武術系、格闘技系といった具合に限定的な専門家と言うべきですね。

 例えば、かつて武道の理論で一世を風靡した南郷継正さんも、空手をベースとして現代武道一般を研究した様子でしたが、中国武術に関しては、かなりトンデモな解釈をされていました。

 要するに、経験のないものは論評できない訳ですよ。

 表だって知られていないけれども、青木宏之先生は空手、古武術と広範囲に研究されていて、その見識の高さはもの凄いんですよ。甲野さんの師匠筋だから当然かも知れませんが、格が違います。ただ、中国武術は専門外だから、ちょっとお話していても表演武術を判断基準にされているみたいだな~とは思いました。

 なので、私のように、現代武道・古武術・格闘技・中国武術・エスニック武術を全般的に知っていて、舞踊・整体療法・健康法・精神世界・オカルト・宗教・銃などの武術に関連する周辺領域についても詳しい筋金入りのオタク人間となると、皆無に近いと思うんですよ。表だって活動している人では・・・。

 その点で、私は、武術研究家になるべくしてなったんだと運命論的に解釈してます。

 が、これまで多くの人に教えてきましたが、私のやっていることを全部引き継いでくれそうな人は、ちょっといないかも知れませんね。

 これはもう、最近は諦めています。単純に実力と人格さえ向上してくれればいいかな~?と思っています。


 九月の本部道場稽古会は三回あったんですが、どうも雨ばっかり降るものだからか、最後の日は、またも北島師範のマンツーマン指導になりました。

 結局、彼だけが格段に伸びていっている最大の理由は、私が直接指導する時間が長いからなんだと思いますね。家も近いし・・・。

 せっかく広い道場で思いっきり練習できるから、相模原近郊の人はどんどん入会してもらいたいんですけどね~。20~30人いても練習できる広さだから、もったいない。

 まあ、せっかくだから北島師範の秘密特訓のつもりで、フィリピノ・カリのスティック術と、ナイフ術をみっちり指導しました。

 いつも、護身術を考えているのでスティック術は逆技とかを教えていたんですが、この日は相手を滅多打ちにするスピーディーなストライキング・テクニックを中心に教えました。

 カリ・スティックはラタン(藤)の棒なので軽いんですが、適度な弾力があるので激しく叩きつけても樫のように折れたりしにくいのが特徴です。一撃の威力は樫に劣りますが、滅多打ちにするのに適しています。要は、多撃必殺の叩き殺す殺法術です。

 ナイフ術も、触れるやいなや相手の血管や腱をズタズタに切り刻んで、トドメに急所を突き刺す殺人術のマンマを教えました。

 フィリピノ・マーシャルアーツが欧米で評価されているのは即戦力が高いからなんですね。能書き無用の殺法術をそのまま学ぶ。

 こういう残忍な技は人格が練れた人間にしか教えられないですから、マンツーマンだったのが幸いでした。

 ただ強さのみ求め、後先考える脳のない阿呆に教えると、通り魔殺人犯にならないとも限りませんからね。

 北島師範は、教えたそばからグングン上達していって、私は内心、舌を巻きました。なので、「これで練習しなさい」と、カリ・スティックはプレゼントしましたよ。

 後は武器の操作に熟練すれば、十分以上に、使いこなせるようになるでしょう。

 ナイフの持ち方なども、順手か逆手かの持ち方の意味についても指導しましたが、自分でやってみて納得できなければ実際には使えないでしょうね。

 まだ、武器をガチッと握る癖があるので、フワッと握って、全身の関節を柔らかく連動させて変幻自在に操作するように指導しました。

 私は短刀や脇差なんかの刃渡りの短い刀剣は、割りと逆手持ちをやるんですが、これは体術の応用でやる場合には非常に有効性が高いのです。「刃筋が立ちにくいから実用的でない」と考える剣術家が多いですが、接近密着戦法では逆に利点が多いのです。

 間合を潰して肘当てする要領でやったり、蟷螂手法で相手の手首に引っかけたりするのに有効なんですね。

 SPに主演している岡田クンがJKDのインストラクター資格を得たという話を聞きましたが、ブルース・リーが創始したJKDは、詠春拳の手技に北派拳法、テコンドー、ムエタイの蹴り技を加え、韓国合気道の逆技やレスリングの投げ技、フェンシングやモハメド・アリのステップ、それにフィリピノ・カリの棒術などを混合精錬したものです。

 うちのセミナーにも、過去6人くらい、JKD経験者が来られていますが、いずれも武術のセンスが良かったですね。いろんな流儀を混合しているという点で相性が良かったのかも知れませんし、コンセプト自体がうちと少し似ているからかもしれない。

 このうち、一人はアメリカで俳優業をやっている人で『硫黄島からの手紙』にも出演されていますが、随分、気に入ってくれて、入会もされました。本部道場で個人指導した時は、「セミナーの時は、相当、技を隠していたんですね・・・」と真剣な顔で言われていました。JKDを長年修行されているから、私が対外的に技の要点を隠していたのに気づかれた様子です。

 実は、ここ最近、游心流を海外に広めていってはどうか?という話も頂戴しており、海外指導員の養成も計画しているところです。具体的なことはまだ何も決まっていないんですが、武術に関する文化的な価値を知らせていくためには、単に実力があるというだけでは、もう無理があるんでしょう。

 何しろ、海外にはいろんな流儀がひしめいていて、日本では想像もつかないような技や実力を持つ武道家がゴマンといます。

 そういう中で競技としての武道を持っていっても意味がないでしょう。

 日本では偏見を持たれていますが、戸隠流忍法が海外で爆発的に受け入れられた理由を考えてみなければなりません。

 正直いって、日本人が世界で最も武術武道の真価について理解していないと言わざるを得ません。武術武道は日本の専有物であるという特権意識が先立ち、その内容を深く追究しようとしてこなかったツケが回ってきていると私は思っています。

 前々から言っているように、私は日本人にこそ日本の、ひいては東洋の武術の真価を理解し体得していってもらいたいと願っていますが、残念ながら、それは難しいのだと思います。

 なので、一度、海外で認めてもらって、逆輸入の形で理解してもらうのも仕方がないかと思いはじめています。

 それは、海外の権威ある映画祭で受賞することで日本でも評価されるという映画と同じ過程を経るしか道がないか?という諦めによるものです。

 しかし、これだけは予言しておきたいと思います。

 游心流が海外で普及すれば、もう日本の武道は世界から完全に取り残されるでしょう。

 何故なら、游心流は、様々な流儀の弱点を分析して打ち破ることを最大の特徴にして創った流派だからです。あんまり、表だって明かすとマズイと思って部外に漏らさないように注意していますが、徹底的に他流を潰すための技と戦略を研究してきています。

 それを応用すれば現在の日本武道や格闘技の世界にも役立ててもらえると思ったからなんですが、だからこそ、海外の武術愛好家に教えたら、あっという間に広まってしまうだろうと確信できるのです。

 そうなってしまえば、もう、流派の枠組みの中でしか技術の研究をしない日本武道では勝ち目がないという点だけは申し上げておきます。

 私が膨大な武術研究をしてきた最大の理由は、それら総てを体得するためではなくて、それら総てをどうやって打ち破るか?を研究するためでした。それはもう完成したと申し上げてもいいと思っています。

「強い弱いは関係ない」と私が言っているのは、戦闘理論を徹底的に研究し尽くして他流の弱点を調べあげているからなんですよ。

 どんな“つわもの”でも、弱点だけを徹底的に集中攻撃されたら簡単にやられてしまうでしょう。

 武術というのは、元々がそういうものなんですが、それを極端に追究したのが游心流の実態です。そして、無論のことですが、その実態は本やDVDでは公開していません。よほど勘の良い人なら基本原理から予測できるかも知れませんが・・・。

 セミナーでは一部、公開していますが、本格的に学びたい人は入会して本部の稽古会に通ってもらうしかありません。が、誰でも入会を許すとは限りませんし、入会しても人柄を見て教えるかどうかは私が判別しています。

 はっきり申し上げておきますが、これまで私の知っていることの総てを教えた人間は一人もいません。指導者に任命した人間でも、その後の態度を観察して、「これは教えるに値しないな」と思って破門にしたりしています。

 そこまでやらないと武術というものを正しく伝えることはできないのだと思いますね。

 だから、ただ楽しい趣味として取り組みたいだけの人は、うちは選ばない方がいいですよ。うちは“修業”じゃなくて“修行”を求めますから・・・。


追伸;水道橋駅近くの尚武堂さんで秋の武道具セールが9日から24日まで開催されるそうです。居合模擬刀や木刀、サヤ付き木刀も安くなっているようですから、利用されてみてはいかがでしょうか?(定休日・水曜日)

追伸2;10月の本部道場メイプルホール稽古会(7、21)の7日の方は、久しぶりに試し斬りをやってみます。ひょっとすると10日のセミナーの時もやるかも


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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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