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身体サミット2010
昨年、新体道ライブ・パフォーマンスでお会いした河野智聖先生の御招待で、身体サミット2010“達人の伝承”に行ってきました。
達人とは、現代日本で私が最も尊敬する武術家にして書家である青木宏之先生その人。
で、前日の夜、青木先生からお電話を頂戴しまして、「今、河野先生も来られているので、代わりますね~・・・」と、一年ぶりなんですかね~? 河野智聖先生とお話ししました。
考えてみたら、お話するのも二度目なんですよ。何か、少し緊張されているような感じに思えたんですが、そ~言えば、私がどんな人間かって知らない方からは、大抵、「もっと、おっかない人かと思ってました」って、よく言われるので、やっぱり、まだ多少、警戒する気持ちを持っておられたのかもしれませんね。
オレ、評判悪いからな~・・・業界では・・・。で、“根も葉もない”・・・って訳でもなかったりするから、しょうがないよね。だから、こんなヨゴレ・キャラを呼んでいただくだけで、有り難いですよ。ホント。
で、河野先生のお話では、ゲストには名だたる療法家の先生方が来られるということでした。
おお~っ、何か、スゲ~な~・・・と思っていますと、「ゲストの先生方には終わってから感想を話していただきます・・・」とのことで、なるほど~・・・と思って、“んっ? 何で、それを俺に言うの?”と思って、「あの~、もしかして、それって、僕にも何か言ってってことですか?」と聞きますと、「はい」とのことで、一瞬、“え~、どうしようかな~?”と思ったんですね。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、私、文章書くのは得意なんですけど、人前で話すのは実は苦手なんですよね。
いや、話すだけなら好きなんですよ。気心の知れた数人の仲間で武術や特撮映画のこと話すんだったら、それこそ10時間でも20時間でも話せます。
でも、不特定多数の人達を前にして話すのは緊張しちゃうからな~・・・と思ったんですが、まあ、私なんぞに依頼されるのも光栄な話ですし、ここは、いっちょう、やってみるか~?と思って「不肖、私、やらせていただきますっ!」とお答えしました。
そして、当日、イベント会場がある三鷹に赴きました。
三鷹は、以前、武道医学勉強していた頃に通っていたり、ほびっと村の太極拳講座の大友先生が経営している自然食品店“やさい村”に行ったりして、結構、通い慣れている街です。
最近では、剣武天真流のDVD撮影の時にうかがいましたが、今回のイベント会場も、撮影の時と同じ“沙羅舎”。確か、何年か前に大友さんの関係のイベントがあって来たことがあったと記憶しているんですが、その時から通算、三度目ということですね。
河野先生のお弟子さんが、新体道ライブの時に会ったのを覚えていらして(私が「本の中で河野先生を批判して書いて済みません」って謝ったんで、覚えられていたみたい)、丁寧に案内してくださいまして、河野先生の日頃の御指導が良いんだろうな~と思いましたね。案外、できないもんなんですよ、こういうことって・・・。
会場に入るとゲスト席に案内されました。
すると、うちの会員のKさんと、セミナー常連の方が挨拶に来られました。新体道のメンバーの方々もニコニコ挨拶してくださって、中でも吉田倫子さんは、私がパニック障害なのをお母さんから聞いたんでしょうね~。体調を気遣ってくれて、ちょっとジ~ンとしましたね~。美人だし、超頭良いし、芸術的センスもあるし、その上、こんなに性格も良いんだから、私が20歳若かったら惚れてるね。ちょっと、クラリスに会ったルパンの気分?
(ちょっと、ドリンク一杯。ズズッ・・・) げっ、マズゥッ!
しまった・・・。美味いんじゃないか?と思って、コーヒーとミルクティー混ぜてみたら、スゲー、マズい! 甘い泥水飲んでるみたい・・・。
はっ? 失礼しました。話を続けます・・・。
ゲスト席に座っていると、ヨガの大家としてその筋では超有名な成瀬先生(元祖・空中浮遊で知られる。何か若いおねーちゃん、ナンパしそうなファンキーな爺っちゃんだね~)もいるし、御互道の三枝先生(なんとなくイメージで小っちゃい人なのかと思ってたら、マツコ・デラックスみたいにデカいからビビッたよっ! 武道家で異様にデカく見える人って、体格よりオーラが大きいみたい)もいらっしゃいます。
“いいのか? 俺、ここに座ってて?”って思ったけど・・・。
でもね~・・・こういう場合、私は心の中で葛藤するんスよ・・・“名刺を渡して御挨拶するべきか?”と・・・。
でも、過去、関わりたくない人から名刺を貰った時の、あの何とも言えない“気まずさ”を思うと、私、いつも自分から名刺渡しに行くのは、相手が嫌がるのではなかろうか?と思って、躊躇しちゃうんですよね~・・・。
何度かあったのは、私が「はじめまして、私、こういう者です」って名刺渡すと、受け取った瞬間、相手の方が、“ウゲゲッ!”と呻く心の声が聞こえちゃうんですよね~。
高岡英夫さんとこの会社の人と名刺交換した時は、凍りついてたよ~。武道の出版社の集まりだったから、皆、私が高岡さんを茶化しまくってんの知ってるから、クスクス笑ってんの・・・。ちなみに、この時に会った人は、もう会社辞めたそうですけどね。
たまにはウェルカムな態度取られることもあるんですけど、概ね、“ウゲゲッ、こいつが長野かぁっ?”って、顔に露骨に出るんですよ。
某中国武術研究家のK尾先生に会った時なんか、まさにそんな感じで、「う~ん、そうか~。貴方が長野さんか~。そうか~、う~む・・・、よしっ! こうなったら私もハラを括って貴方と話そう!」って言われて、“何か、そんな気張ってもらわんでも、嫌だったら無理にお付き合いしてもらわんとええですよ~”って思って、以後、一度もお会いしてません・・・。でも、K尾先生はシャレが解る人みたいだったな~・・・。
こんな具合に、私は慣れてるから別にいいんですけど、相手に変なストレス与えてしまうのは申し訳ないな~って、思っちゃってですね~。
という次第で、ここ最近は、自分から名刺差し出して挨拶するという“社会人として当然の礼”をやらなくなってしまったのです。
この日も、失礼ながら、ゲストのどなたとも名刺交換しないままでした・・・。御容赦くださいませっ!
さて、で、イベントの中身の方ですが・・・これがもう、素晴らしい!
青木先生といい、河野先生といい、いい意味で武道家っぽさが無くて権威主義的なところが全然なくって、非常に気持ち良かったですね~。
私は、本当に最近、武道の先生と話したりするのが嫌で嫌で・・・。
なんかもう、チョー偉そうな態度とったり、スカして見せたりするヤツばっかで、5分くらい話していたら、「テメーのどこが武道家じゃ~っ!」って、キックかましたくなるようなヤツが多くて、ホントに嫌なんですよ。
一回、ほんとに蹴り入れてやったことあるもん。あまりに態度悪いから、“こいつ、何様のつもりじゃ~”ってブチキレたんで・・・。
「あっ、避けると思ったのに、すみませんっ! 大丈夫でしたかっ? 先生、猿も木から落ちるんですね~?」って、物凄い申し訳なさそう~な顔して言ったら、顔を真っ赤にしたままホッペをプルプルさせて“信じらんね~よ、コイツ~”って顔して後ずさってました・・・。
へっへ~ん! ワザとだよぉ~ん(笑)。人がおとなしくしてると思って侮るから、そうなるんだよぉ~・・・。
私の経験上、“空威張りするヤツに実力者はおりません”。本当の実力者は誰に対しても腰が低いもんですよ。自惚れて得することなんか、な~んも、ありゃ~せんのです。
日頃、「俺は武道家だ~」みたいな態度とってる人は気をつけた方がいいよぉ~ん。
青木先生は全然、そんな気取ったところがないし、誰に対しても威圧的な態度を決して取らない方ですから、私もお付き合いできる訳で、私にとっては例外中の例外なんです。
だけど、河野先生もやっぱり、そんな感じですね~。本当に心の底から謙虚な方です。
私、今回、本当に驚いたのは、最後に話されている時に、河野先生が何か声を詰まらせて話せなくなってしまっていて、“どったの?”と思ったら、野口整体の恩師である故・岡嶋瑞徳先生のことを思い出されていたんですね。
青木先生や天真会の吉田さんから「もの凄~く優しい人だ」って聞いていたんですけど、本当にたまげました。これだけピュアな心根の武術家って、私は小林先生くらいしか知らないですよ。でも、小林先生は優しい時と厳しい時が別人みたいに極端に違うので、河野先生とは全然、タイプが違います。
いや~、本当にビックリしました。
青木先生との対談の時も、「整体を学ぶ時に武術はやめてしまおうかと思った」とか、「人を殴るような技を稽古していていいのか?と疑問が出てきた」と言われていましたが、私もちょっと気持ちが解ります。
もっとも、私の場合は、やっぱり本質的に戦うのが好きだから、あんまり悩まないですよね。師匠の顔面にビンタ張りまくるくらい平気でやっちゃう柳生一族の陰謀?(「神に会うては神を斬り、仏に会うては仏を斬る。これ兵法の極意なり」)みたいな性格ですから・・・。
演武も、新体道、剣武天真流は、私にとっては既に見慣れていますが、河野先生の心道は初めて見ました。
年下の人間が生意気な評論をするのは憚られますが、ここは研究家として率直に申します。一言で言うなら、「まだまだ未完成」という印象を受けました。
河野先生が目隠しして弟子の攻撃を捌く聴勁察知術も演武されましたが、青木先生のような百発百中という訳にもいかず、結構、そのまま打たれてしまっていました。
この手の心法技術は演武としてやるのは難しいんです。普段はできても観衆の前でやるとなると無意識に身体が緊張して察知できても身体の反応が遅れたりするからです。
例えば、DVD撮影の時なんて、自信満々の先生が別人のように動けなくなって失敗を繰り返してしまって、本人も呆然となってしまったりするんですよ。人の目にふれるということを意識するだけで、こうなってしまうのです。
なので、失礼ながら演武としてやる段階まで練れてはいらっしゃらないと思いました。
しかし、未完成で荒削りだからこそ、今後の“伸び代”がある訳です。
例えば、合気道の演武などは、大抵、美しく流れるようで、投げられた弟子が大きく跳んでクルリと回転受け身をとって・・・といった演舞系の形なんですね。
演舞の形式が完成されているので見た目は美しいけれども、その時点で完結していて発展していく可能性が少ない。だって、ヤラセを是としてしまっているから・・・。
素人はヤラセかそうでないかを見抜く人は少ないですから、ちょっとでも失敗すれば下手糞なんだと思ってしまいますが、本式に修行している人の場合、むしろ、綺麗なだけの演武は胡散臭く思えてしまいます。
格闘技の試合は、そんな綺麗じゃないでしょう? お互いに顔を腫らして血だらけになってヘロヘロになりながら闘うのが普通に見られます。
河野先生も、演武としてお弟子さんが綺麗に受けを取ってくれるようにダンドリ決めてやっていれば、素人目には超達人のごとく見えたでしょう。
が、それ(ヤラセ)をやらなかった。
演武ひとつに対しても真摯にチャレンジする態度で臨まれていて、私は本当に立派だな~と頭が下がりましたよ。絶対に、エエ格好しいの人にはできませんよ。
ありのままをさらけ出す! それが武術の本当の極意なのです。
拝見した心道の技は、空手・中国武術・合気道・古流柔術・剣術などが融合した合理的な体術でしたが、新体道の影響も強いんだな~と、改めて思いましたね。
心道は野口整体を武道的に追求したものということでしたが、心法的な要素も多く含まれているようでした。“読み”と“誘い”があるのです。
今後、どういう具合に発展し完成形に到るのか、“整体武道”という新しい試みに期待して見守りたいと思いました。
一方、青木先生の剣舞、またも抜刀のスピードが上がっていて、ビックラこいちゃいましたよ。武術漫画だって上達していくのは若い主人公であって、老師は追い越される立場なのに・・・70過ぎて、何で“倍々”で上達すんだよぉっ?
大井先生に「アレを追っかけなきゃいけないんだから、大井先生も大変ですよね~。まったくもう~、妖怪爺いめ~(笑)」と言ったら、すっごい苦笑されていましたよ・・・。
私がビックリしたのは、里見浩太朗演ずる松平長七郎みたいな旋回しながらの振り!
実は、11月の本部道場の稽古にたまたま会員さん全員が都合が合わず、結局、私独りで自主練になったんですね。
それで、独りで抜刀術、剣術、二刀剣術、槍術、太極拳を研究していたんですが、抜刀術と剣術の時に、旋回しながら斬る動作を工夫していたんですね。
でも、これが難しい! どうしても軸がブレて綺麗に回れない・・・。どうも、つっかえるような感触があって、自分で納得いかなかったですね。
当然、剣の振りも鈍るので、自分でイメージしているような動きは結局、できないままでした。
ところが、青木先生がそれをやっていたので、本当に驚いたんですよ。
まるで、「どうだ、長野。こうやるんだぞっ!」って教えてもらっているような気がしてビックリしましたね~。
私は新体道も剣武天真流も会員として習ってはいないんですが、体験的には練習させてもらったし、青木先生自ら目の前で実演してもらい、資料用の演武DVDを何枚も頂戴しています。
これって、もう、私にしてみたら、直伝指導していただいているのと何も変わらないんですよね。いわば、物凄い財産を分けていただいているのと同じことですよ。
河野先生なんて、青木先生の剣舞を見ながら、泣いていたらしいんですけど、気持ちは解りますね~。会場に来ていた誰もが、青木先生の大ファンになったでしょう。
私も改めて、「やっぱ、青木先生は、そんじょそこらの武道家連中とは格が全然、違うわ~。何か、レジェンド復活って感じがするな~」って思いましたね。
本当に、武術がテーマで、こんな素晴らしいイベントは初めてでしたよ。
河野先生、お招きいただいて有り難うございました!
追伸;イベントの終わり頃にゲストの一言ということで、私も前に出て感想とか言いました。前日、「お~し、世に知られる達人連中の真相をバラして、会場を爆笑の渦に巻き込んでやるっ!」と、東京に出てくる時の吉本の若手芸人みたいに燃えていたんですが、そういう雰囲気じゃなかったので、ちょっと自粛しておとなし目に話しましたけど、後で会員のKさんに聞いたら、割りとウケてたと聞いて、ほっとしました・・・。やっぱ、武道に足りないのは“お笑い”だよねっ?
達人とは、現代日本で私が最も尊敬する武術家にして書家である青木宏之先生その人。
で、前日の夜、青木先生からお電話を頂戴しまして、「今、河野先生も来られているので、代わりますね~・・・」と、一年ぶりなんですかね~? 河野智聖先生とお話ししました。
考えてみたら、お話するのも二度目なんですよ。何か、少し緊張されているような感じに思えたんですが、そ~言えば、私がどんな人間かって知らない方からは、大抵、「もっと、おっかない人かと思ってました」って、よく言われるので、やっぱり、まだ多少、警戒する気持ちを持っておられたのかもしれませんね。
オレ、評判悪いからな~・・・業界では・・・。で、“根も葉もない”・・・って訳でもなかったりするから、しょうがないよね。だから、こんなヨゴレ・キャラを呼んでいただくだけで、有り難いですよ。ホント。
で、河野先生のお話では、ゲストには名だたる療法家の先生方が来られるということでした。
おお~っ、何か、スゲ~な~・・・と思っていますと、「ゲストの先生方には終わってから感想を話していただきます・・・」とのことで、なるほど~・・・と思って、“んっ? 何で、それを俺に言うの?”と思って、「あの~、もしかして、それって、僕にも何か言ってってことですか?」と聞きますと、「はい」とのことで、一瞬、“え~、どうしようかな~?”と思ったんですね。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、私、文章書くのは得意なんですけど、人前で話すのは実は苦手なんですよね。
いや、話すだけなら好きなんですよ。気心の知れた数人の仲間で武術や特撮映画のこと話すんだったら、それこそ10時間でも20時間でも話せます。
でも、不特定多数の人達を前にして話すのは緊張しちゃうからな~・・・と思ったんですが、まあ、私なんぞに依頼されるのも光栄な話ですし、ここは、いっちょう、やってみるか~?と思って「不肖、私、やらせていただきますっ!」とお答えしました。
そして、当日、イベント会場がある三鷹に赴きました。
三鷹は、以前、武道医学勉強していた頃に通っていたり、ほびっと村の太極拳講座の大友先生が経営している自然食品店“やさい村”に行ったりして、結構、通い慣れている街です。
最近では、剣武天真流のDVD撮影の時にうかがいましたが、今回のイベント会場も、撮影の時と同じ“沙羅舎”。確か、何年か前に大友さんの関係のイベントがあって来たことがあったと記憶しているんですが、その時から通算、三度目ということですね。
河野先生のお弟子さんが、新体道ライブの時に会ったのを覚えていらして(私が「本の中で河野先生を批判して書いて済みません」って謝ったんで、覚えられていたみたい)、丁寧に案内してくださいまして、河野先生の日頃の御指導が良いんだろうな~と思いましたね。案外、できないもんなんですよ、こういうことって・・・。
会場に入るとゲスト席に案内されました。
すると、うちの会員のKさんと、セミナー常連の方が挨拶に来られました。新体道のメンバーの方々もニコニコ挨拶してくださって、中でも吉田倫子さんは、私がパニック障害なのをお母さんから聞いたんでしょうね~。体調を気遣ってくれて、ちょっとジ~ンとしましたね~。美人だし、超頭良いし、芸術的センスもあるし、その上、こんなに性格も良いんだから、私が20歳若かったら惚れてるね。ちょっと、クラリスに会ったルパンの気分?
(ちょっと、ドリンク一杯。ズズッ・・・) げっ、マズゥッ!
しまった・・・。美味いんじゃないか?と思って、コーヒーとミルクティー混ぜてみたら、スゲー、マズい! 甘い泥水飲んでるみたい・・・。
はっ? 失礼しました。話を続けます・・・。
ゲスト席に座っていると、ヨガの大家としてその筋では超有名な成瀬先生(元祖・空中浮遊で知られる。何か若いおねーちゃん、ナンパしそうなファンキーな爺っちゃんだね~)もいるし、御互道の三枝先生(なんとなくイメージで小っちゃい人なのかと思ってたら、マツコ・デラックスみたいにデカいからビビッたよっ! 武道家で異様にデカく見える人って、体格よりオーラが大きいみたい)もいらっしゃいます。
“いいのか? 俺、ここに座ってて?”って思ったけど・・・。
でもね~・・・こういう場合、私は心の中で葛藤するんスよ・・・“名刺を渡して御挨拶するべきか?”と・・・。
でも、過去、関わりたくない人から名刺を貰った時の、あの何とも言えない“気まずさ”を思うと、私、いつも自分から名刺渡しに行くのは、相手が嫌がるのではなかろうか?と思って、躊躇しちゃうんですよね~・・・。
何度かあったのは、私が「はじめまして、私、こういう者です」って名刺渡すと、受け取った瞬間、相手の方が、“ウゲゲッ!”と呻く心の声が聞こえちゃうんですよね~。
高岡英夫さんとこの会社の人と名刺交換した時は、凍りついてたよ~。武道の出版社の集まりだったから、皆、私が高岡さんを茶化しまくってんの知ってるから、クスクス笑ってんの・・・。ちなみに、この時に会った人は、もう会社辞めたそうですけどね。
たまにはウェルカムな態度取られることもあるんですけど、概ね、“ウゲゲッ、こいつが長野かぁっ?”って、顔に露骨に出るんですよ。
某中国武術研究家のK尾先生に会った時なんか、まさにそんな感じで、「う~ん、そうか~。貴方が長野さんか~。そうか~、う~む・・・、よしっ! こうなったら私もハラを括って貴方と話そう!」って言われて、“何か、そんな気張ってもらわんでも、嫌だったら無理にお付き合いしてもらわんとええですよ~”って思って、以後、一度もお会いしてません・・・。でも、K尾先生はシャレが解る人みたいだったな~・・・。
こんな具合に、私は慣れてるから別にいいんですけど、相手に変なストレス与えてしまうのは申し訳ないな~って、思っちゃってですね~。
という次第で、ここ最近は、自分から名刺差し出して挨拶するという“社会人として当然の礼”をやらなくなってしまったのです。
この日も、失礼ながら、ゲストのどなたとも名刺交換しないままでした・・・。御容赦くださいませっ!
さて、で、イベントの中身の方ですが・・・これがもう、素晴らしい!
青木先生といい、河野先生といい、いい意味で武道家っぽさが無くて権威主義的なところが全然なくって、非常に気持ち良かったですね~。
私は、本当に最近、武道の先生と話したりするのが嫌で嫌で・・・。
なんかもう、チョー偉そうな態度とったり、スカして見せたりするヤツばっかで、5分くらい話していたら、「テメーのどこが武道家じゃ~っ!」って、キックかましたくなるようなヤツが多くて、ホントに嫌なんですよ。
一回、ほんとに蹴り入れてやったことあるもん。あまりに態度悪いから、“こいつ、何様のつもりじゃ~”ってブチキレたんで・・・。
「あっ、避けると思ったのに、すみませんっ! 大丈夫でしたかっ? 先生、猿も木から落ちるんですね~?」って、物凄い申し訳なさそう~な顔して言ったら、顔を真っ赤にしたままホッペをプルプルさせて“信じらんね~よ、コイツ~”って顔して後ずさってました・・・。
へっへ~ん! ワザとだよぉ~ん(笑)。人がおとなしくしてると思って侮るから、そうなるんだよぉ~・・・。
私の経験上、“空威張りするヤツに実力者はおりません”。本当の実力者は誰に対しても腰が低いもんですよ。自惚れて得することなんか、な~んも、ありゃ~せんのです。
日頃、「俺は武道家だ~」みたいな態度とってる人は気をつけた方がいいよぉ~ん。
青木先生は全然、そんな気取ったところがないし、誰に対しても威圧的な態度を決して取らない方ですから、私もお付き合いできる訳で、私にとっては例外中の例外なんです。
だけど、河野先生もやっぱり、そんな感じですね~。本当に心の底から謙虚な方です。
私、今回、本当に驚いたのは、最後に話されている時に、河野先生が何か声を詰まらせて話せなくなってしまっていて、“どったの?”と思ったら、野口整体の恩師である故・岡嶋瑞徳先生のことを思い出されていたんですね。
青木先生や天真会の吉田さんから「もの凄~く優しい人だ」って聞いていたんですけど、本当にたまげました。これだけピュアな心根の武術家って、私は小林先生くらいしか知らないですよ。でも、小林先生は優しい時と厳しい時が別人みたいに極端に違うので、河野先生とは全然、タイプが違います。
いや~、本当にビックリしました。
青木先生との対談の時も、「整体を学ぶ時に武術はやめてしまおうかと思った」とか、「人を殴るような技を稽古していていいのか?と疑問が出てきた」と言われていましたが、私もちょっと気持ちが解ります。
もっとも、私の場合は、やっぱり本質的に戦うのが好きだから、あんまり悩まないですよね。師匠の顔面にビンタ張りまくるくらい平気でやっちゃう柳生一族の陰謀?(「神に会うては神を斬り、仏に会うては仏を斬る。これ兵法の極意なり」)みたいな性格ですから・・・。
演武も、新体道、剣武天真流は、私にとっては既に見慣れていますが、河野先生の心道は初めて見ました。
年下の人間が生意気な評論をするのは憚られますが、ここは研究家として率直に申します。一言で言うなら、「まだまだ未完成」という印象を受けました。
河野先生が目隠しして弟子の攻撃を捌く聴勁察知術も演武されましたが、青木先生のような百発百中という訳にもいかず、結構、そのまま打たれてしまっていました。
この手の心法技術は演武としてやるのは難しいんです。普段はできても観衆の前でやるとなると無意識に身体が緊張して察知できても身体の反応が遅れたりするからです。
例えば、DVD撮影の時なんて、自信満々の先生が別人のように動けなくなって失敗を繰り返してしまって、本人も呆然となってしまったりするんですよ。人の目にふれるということを意識するだけで、こうなってしまうのです。
なので、失礼ながら演武としてやる段階まで練れてはいらっしゃらないと思いました。
しかし、未完成で荒削りだからこそ、今後の“伸び代”がある訳です。
例えば、合気道の演武などは、大抵、美しく流れるようで、投げられた弟子が大きく跳んでクルリと回転受け身をとって・・・といった演舞系の形なんですね。
演舞の形式が完成されているので見た目は美しいけれども、その時点で完結していて発展していく可能性が少ない。だって、ヤラセを是としてしまっているから・・・。
素人はヤラセかそうでないかを見抜く人は少ないですから、ちょっとでも失敗すれば下手糞なんだと思ってしまいますが、本式に修行している人の場合、むしろ、綺麗なだけの演武は胡散臭く思えてしまいます。
格闘技の試合は、そんな綺麗じゃないでしょう? お互いに顔を腫らして血だらけになってヘロヘロになりながら闘うのが普通に見られます。
河野先生も、演武としてお弟子さんが綺麗に受けを取ってくれるようにダンドリ決めてやっていれば、素人目には超達人のごとく見えたでしょう。
が、それ(ヤラセ)をやらなかった。
演武ひとつに対しても真摯にチャレンジする態度で臨まれていて、私は本当に立派だな~と頭が下がりましたよ。絶対に、エエ格好しいの人にはできませんよ。
ありのままをさらけ出す! それが武術の本当の極意なのです。
拝見した心道の技は、空手・中国武術・合気道・古流柔術・剣術などが融合した合理的な体術でしたが、新体道の影響も強いんだな~と、改めて思いましたね。
心道は野口整体を武道的に追求したものということでしたが、心法的な要素も多く含まれているようでした。“読み”と“誘い”があるのです。
今後、どういう具合に発展し完成形に到るのか、“整体武道”という新しい試みに期待して見守りたいと思いました。
一方、青木先生の剣舞、またも抜刀のスピードが上がっていて、ビックラこいちゃいましたよ。武術漫画だって上達していくのは若い主人公であって、老師は追い越される立場なのに・・・70過ぎて、何で“倍々”で上達すんだよぉっ?
大井先生に「アレを追っかけなきゃいけないんだから、大井先生も大変ですよね~。まったくもう~、妖怪爺いめ~(笑)」と言ったら、すっごい苦笑されていましたよ・・・。
私がビックリしたのは、里見浩太朗演ずる松平長七郎みたいな旋回しながらの振り!
実は、11月の本部道場の稽古にたまたま会員さん全員が都合が合わず、結局、私独りで自主練になったんですね。
それで、独りで抜刀術、剣術、二刀剣術、槍術、太極拳を研究していたんですが、抜刀術と剣術の時に、旋回しながら斬る動作を工夫していたんですね。
でも、これが難しい! どうしても軸がブレて綺麗に回れない・・・。どうも、つっかえるような感触があって、自分で納得いかなかったですね。
当然、剣の振りも鈍るので、自分でイメージしているような動きは結局、できないままでした。
ところが、青木先生がそれをやっていたので、本当に驚いたんですよ。
まるで、「どうだ、長野。こうやるんだぞっ!」って教えてもらっているような気がしてビックリしましたね~。
私は新体道も剣武天真流も会員として習ってはいないんですが、体験的には練習させてもらったし、青木先生自ら目の前で実演してもらい、資料用の演武DVDを何枚も頂戴しています。
これって、もう、私にしてみたら、直伝指導していただいているのと何も変わらないんですよね。いわば、物凄い財産を分けていただいているのと同じことですよ。
河野先生なんて、青木先生の剣舞を見ながら、泣いていたらしいんですけど、気持ちは解りますね~。会場に来ていた誰もが、青木先生の大ファンになったでしょう。
私も改めて、「やっぱ、青木先生は、そんじょそこらの武道家連中とは格が全然、違うわ~。何か、レジェンド復活って感じがするな~」って思いましたね。
本当に、武術がテーマで、こんな素晴らしいイベントは初めてでしたよ。
河野先生、お招きいただいて有り難うございました!
追伸;イベントの終わり頃にゲストの一言ということで、私も前に出て感想とか言いました。前日、「お~し、世に知られる達人連中の真相をバラして、会場を爆笑の渦に巻き込んでやるっ!」と、東京に出てくる時の吉本の若手芸人みたいに燃えていたんですが、そういう雰囲気じゃなかったので、ちょっと自粛しておとなし目に話しましたけど、後で会員のKさんに聞いたら、割りとウケてたと聞いて、ほっとしました・・・。やっぱ、武道に足りないのは“お笑い”だよねっ?
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