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久しぶりの東京支部稽古会

 29日の東京支部稽古会は、矢嶋師範代が仕事で来れないので、急遽、代理で4月に入ったばかりのKさんに指導をお願いして、私も久々に足を運びました。

 研ぎ上がった刀のあまりの出来の良さに、誰かに見せたくて仕方なかったので、意味なく持って行きましたよ。

 この日の稽古会は、新しく入会されたばかりのセミナー常連だったオジサン組が二人参加されていたんですが、セミナーにずっと通われていたから基本的なところは既に直す必要がありません。

 Kさんは学生時代に合気道部の主将をやっていたそうなので、まだ一年にもなりませんが、練習熱心で日曜日の本部稽古にも通われていて急速に上達していっていますし、指導も上手です。

 矢嶋師範代にも、「ウカウカしてたら追い越されるぞ~」と、皆でハッパかけてるくらい。

 基礎錬体と歩法、対錬は問題なく指導されていたので安心・・・。

 でもまあ、私も久々に来たし、場所が広いので、推手と差し手、それから独己九剣の左剣・右剣・影抜き・龍尾・追い燕まで指導しました。

 推手は、単推手の基本的なやり方と、推手から逆固め技を掛けながら推し飛ばしたり、目付けを殺しながら死角を打つやり方などの応用法を指導しました。

 こういうのは口伝で伝える技を成功させるための秘訣なので、入会したばかりの人に教えるのはどうかな~?と、以前だったら出し惜しみしていたんですが、最近は、セミナーでもかなり突っ込んだ内容まで踏み込んで指導しているので、ちょっと感覚がズレてきてしまってるかもしれませんね?

 また、意拳でよくやられている伸筋の張り出す筋肉の使い方と、太極拳の脱力して化勁しながら相手の攻撃を誘い出して瞬発的に発勁を打ち出したり崩したりするやり方との違いを指導しました。

 この伸筋技法と脱力技法の違いについては、よく区別できないでいる人が多く、また、「屈筋の力だけ抜いて伸筋を用いるのが真の脱力なんだ」と説く指導者が非常に多いんですが、これは誤解に基づいていることも実演しながら説明しました。

 まあ、口で説明したって判らないし、感触と技の効果を体感して納得してもらうしかありません。

 拳法系の武道をやってきた人は、伸筋技法までは理解できるんですが、脱力技法については、どうしても理解できない場合が多いみたいなんですよ。

 どうしても、「筋肉の収縮でしか力は生み出せない」という強固な思い込みがあるみたいで、「重心移動を使えば筋肉の収縮に頼らなくとも大きな力が簡単に出せる」と説明しても理解し難いみたいですね。

 だから、合気道とか大東流合気柔術の技のメカニズムをいつまで経っても理解できず、「気のパワーだ」とか「特殊な身体操作による深層筋の力を使うのだ」という具合に解釈してしまうのですね。

 違うんですよ。

 脱力するのは“重心移動によって力を発現させるため”。人体の2/3を占める水分を利用して、ウォーターカッターのように一挙に集中させることで驚くべき力を発揮する。

 だから、伸筋の力も抜かなきゃダメなんですよ。結局、それがブレーキになってしまうからです。

 とにかく、徹底的に力を抜く! これ以上抜いたら倒れるくらいのギリギリまで抜いた方がいい。

 どうしてか? 身体に作用している重力を利用するためです。下に働いている重力を目前の相手に全てぶつける! 拳の質量カケル速度・・・じゃあないんです。拳の質量と全身の質量では比較にならないですよね? さらに、膝を抜いてストーンと真下に落ちるスピードを前方に向ける・・・相撲取りがぶちかましするようなパワーが誰でも出せるんですよ。

 新作DVD『発勁と化勁・原理と応用』では、私が物凄く軽~くチョコンと打っていますが、受けた矢嶋師範代はドドド・・・と後ろに弾かれています。無論、1/3以下にセーブして軽く当てているだけですが、それでも吹っ飛んでしまう訳です。フルパワーで打ち込んだら死ぬか大怪我するのが解っているから、相当、注意して軽く推し飛ばしているんですが、ヤラセかどうかは自分ができるようになれば納得されるでしょう。

 多くの意拳では、伸筋を張って技を出していますが、澤井先生は、もっと力を抜いて動いていて、当たった瞬間、触れた瞬間にバチッと重さを乗せて刺すような貫通力を発揮していた・・・のだと写真やビデオ映像から類推できます。

 姚宗勲老師の写真を観ると姿勢がすっと上に伸びていますね。でも、別に腕の筋肉とか張ってませんよ。軽く緊張させてるだけ。

 姚一門系のある人物は、不自然に筋肉を張り伸ばしていました。外見だけ真似して間違ってしまったんでしょうが、門下生には間違いが伝わってしまっています。

 澤井先生の写真を観ると、背骨が伸びていても腰は落ちています。そして、ゴムマリが弾むような伸縮自在な感じがします。打拳は全身が一体化して集中しています。

 この身体性は、澤井先生亡き後に意拳を修業された先生方には見られません。意拳は中丹田(胸)で動き、太氣拳は下丹田(腹圧)で動いているからでしょう。


 推手の時に、この違いについて説明しました。

 伸筋主導を説く人達は、張り出すことで相手の攻撃を遮って自分の安全圏を守るという考え方がある訳ですが、これは拳法の発想なんですね。

 拳法系の人は、無意識的に自分のパンチが的確に当たって威力が出せる距離を確保しようとしてしまうのです。それより内に入られると対処法が無くなるという恐怖心が働くんです。

 でも、そこが弱点になる訳です。グレーシー旋風吹き荒れた時に、組み討ち系の人と戦うことに対して、拳法系の人はくっつかれたら終わりだという恐怖心を植え付けられてしまったんですよ。

 だから、誰もが、「やっぱり実戦は組み討ちだ」と思って、ブラジリアン柔術や総合格闘技に入門する人がどっと増えた。

 でも、弱点は補えばいいだけでしょう?

 逆に、組み討ち系の技にも弱点がある。「そうだ。一対一じゃ戦えない」・・・って話じゃありませんよ。組み討ちになると関節極めるか首絞めるかしか知らない人が大半じゃないですか?

 関節技や絞め技は技に入って極まるまで時間がかかり過ぎるのが弱点です。この時間がかかるというのが最大の弱点ですよ。

 完全に脱力している相手に関節技や絞め技を極めるのは非常に困難です。ますます時間がかかる。

 ということは・・・反撃の余裕が出てくるということです。

 私は密着してても自由に打拳出せるし、点穴法・分筋錯骨法・閉気栽脈法なんかの裏技も知ってる。だから、組み討ち系の人と戦うのも恐怖心はないんですね。

 こういう技を体得するために推手の練習法は非常に有効なのです。

 今回は、手技だけ指導しましたが、さらに足技や胴体の使い方なんかも指導していけば、触れれば勝手に技をかけられる境地に到ることができます!

 無論、推手だけでは不十分です。推手の状態に持ち込むための差し手も必要です。

 差し手を本格的に研究しはじめたのは、三年くらいですか? これで飛躍的に研究が進みましたね。

 最後に居合術もやりましたが、新入会員のオジサン二人が妙に上手でビックリ! 「あ~、そうか、DVD見て練習されていたのか?」と思いましたが、それにしても50過ぎてから始めて達人になったら、面白過ぎるな~。


 もう、12月になって、2010年も恐ろしく早く過ぎていきましたが、も二冊出せたし、東京支部横浜同好会も発足したし、何よりも会員が上達しました。

 それに、私が心から尊敬する青木宏之先生小林直樹先生のDVDが出たし、友寄隆一郎先生、松田隆智先生からも久しぶりにお手紙を頂戴しましたし、本当に私にとっては非常に成果があった年でした。

 世の中は不況に紛争に不安がいっぱいですが、恐怖していても一歩も進めません。来年は飛躍の年としたいと思います。


追伸;東京支部、横浜同好会、もうちょっと、私も顔を出そうと思います。とにかく一人でも多くの本物の達人を育てていきたいと思っています。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
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