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日本刀も人も磨くことで真価を顕わす

 打ち落としで買って、研ぎも含めて外装を自作したままでいた二尺四寸の現代刀“坂一貫齎繁綱”を、金銭的に少し余裕ができたので、先月の29日に水道橋の尚武堂さんで“居合刀向けの並研ぎ”に出していました。

「一カ月くらいかかります」ということでしたが、今月26日に仕上がったという電話を戴きまして、29日の月曜日に受け取りに行ってきました。

 繁綱刀匠には、三尺二寸一分(五分くらいあるかと思っていたけれど、正確に測ると一分でしたね。ほぼ三尺二寸ということ)の大太刀の打ち落としを注文製作してもらっていて、あまりの出来の良さに感動していて、定寸の打ち落としも買ったんですね。

 できれば自分でそこそこに研ぎ上げたかったんですが、やっぱり、専門職人の研ぎは雲泥の差ですね~。

 並研ぎなのに、もう、予想を遥かに超えた仕上がりで、お店で抜いて観た時は感動のあまり、ポカ~ンとしてしまいましたよ。

 正直、こんな見事な刃紋で小切っ先の上品な刀姿だったとは・・・もっと早く研ぎに出していれば良かったと反省してしまいました。

 逆足丁子の高低差のある激しい乱れ刃は、私の大好きな刃紋で、これで並研ぎだったら、上研ぎにしたらどうなるのか?と思って、今度は大太刀を上研ぎでお願いしたいな~と思いましたね(安い刀一本買えるくらいお金かかるけど)。

 私が刀を買い始めた頃は、日本刀には実用価値しか求めていませんでした。好みの刀姿すらありませんでした。全然、知識もなかったのです。要は、使いやすいかどうか、斬れ味がどうか・・・くらいしか求めていなかったのです。

 今でも基本的な考えは変わっていません。日本刀には武器としての機能を第一に求めています。

 けれども、それだけで十数本も買う訳はありませんよね。

 つまり、現代で日本刀に認められている唯一の価値である“美術性”を私も認めるようになったのです。

 それまでは試し斬りに使えればいい・・・くらいにしか考えていなかったんですが、最近では試し斬りは安い刀で・・・と使い分けるようになりました。

 一回でも試し斬りすると刃紋に擦れ疵が付いてしまいますし、美術品としての日本刀の価値を著しく下げてしまいます。

「日本刀で試し斬りするなんて、とんでもない!」と怒る人達の気持ちも少し解るようになりました。

 激しく鞘の中を擦って抜き納めする抜刀術でさえ、数回繰り返せば“引け疵”が刀身の表面に付いてしまいます。

 私の買った延壽宣次も、居合道の稽古に使っていただけなのに、刀身が擦れて刃紋が薄れたりしていました。これも上研ぎしたら、相当に良い刀ですよ。

 日本刀の材料である玉鋼(和鋼)は鉄の成分純度が極めて高いので、案外、軟らかいのです。純度が高いから木炭を燃やして炭素を含浸させることで高純度の炭素鋼が得られた訳ですね。

 低温精錬で砂鉄から抽出した純度の高い柔軟にして強靭なカーボンスチール・・・それが日本刀の素材である和鋼です。

 鉄鉱石を高温炉で溶かして圧延して造る現代的な西洋製鉄では不純物も多く含まれてしまうため、日本刀の素材には向かないとされます。

 確かに海外のナイフ類と日本刀を見比べれば、一目瞭然に誰でも判ります。

 どれだけ装飾に凝った美しいナイフでも、肝心のブレイドを見比べれば、日本刀の地鉄そのものの美しさとは天地の差があります。


 いや、それにしても・・・二年くらい放置したままだった刀が、磨いてみたら、かくも美しい刀だったとは・・・驚きましたね~。

 これは、人間にも当てはまりますね。

 子供の頃は目立たなかった人間が、大人になったら別人のように立派になっていたりすることってありますよね。

 または逆に、子供の頃は神童か?と思われた人が大人になったら、パッとしないとか、評判の美少女が「誰、このオバサン?」というような具合になってしまったり・・・。

 人間、自己研鑽している人と、そうでない人では雲泥の差が出るものです。

 この点、現代日本では圧倒的に女性の方が意識が高いというか、自分磨きしている人が多いような気がしますね。

 ただ、こういう自己研鑽している人間の目には、そういうことしない人間って、凄くダメに見えてしまう。

 気をつけなきゃ~、傲慢なだけの人間になりかねません。

 7~8年くらい前でしたかね? 友人の芝居を観に行った時に、観客の中で舞台女優で殺陣教室の指導員?をやっているらしい人がいたんですが、『ラストサムライ』の真田広之の殺陣が「身体が回ってしまっていてダメだ」と小馬鹿にしたことを言っていたのを小耳に挟んで、思わず、「あのね~。真田広之は凄い上手いよ。何を言ってんだ、君は?」と叱りつけてしまいました。

 どうも、彼女の師匠が甲野理論の“身体を回さない”というのを鵜呑みにしていたらしく、その影響から真田広之の刀の使い方が間違いだと思ったらしいのです。

 しかし、“何、このオッサン?”みたいな見下した視線を向けただけで不機嫌そうにそっぽを向いてしまいましたが、後日、この女優さんが模範で演じているDVD付きの殺陣の教本を書店で見つけて観たんですが、なるほど、デカい口を叩くだけあって、中々、上手でしたね。

 指導してもらっている師匠より上手でしたから、自惚れるのもやむを得ない。

 けれども、女優は人気商売なんですから、口は災いの素だから、気をつけた方がいいですよね。自分が損するだけだもんね。

 あっ、そういえば・・・コンバットマガジンの甲野氏の連載記事で、刀の柄の握り方の俺ジナル理論について、ちょっと軌道修正し始めてましたね。多分、私の批判に対してビビッたんじゃないかな~?(笑) ちょっとでも反論されると途端に軌道修正して責任逃れするからな~、甲野氏は・・・。だったら、中途半端な理論を発表すんなよ!



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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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