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対立を前提とした外交に未来があるのか?

 昨年からか、北朝鮮や中国、ロシアの脅威に対する民主党の無策な外交政策に批判が集まっています。

 しかし、そこでいきなり国防論議が高まって核武装も必要だの何だの言い出すのは、「なんじゃらホイ?」って感じがするんですね。

 軍事ってのは、兵法ですよね? 兵法ってのは表ざたにするもんじゃないんですよ。

 私がもし日本の国防の最高責任者だったら、表向きは自衛隊を出しておきながら、裏では徹底的な秘密戦術部隊をこっそり組織しますね。

 世界各国の最先端の武器を研究して、それ以上の武器を開発したり、世界の特殊部隊のOBを招いて日本の特殊部隊員を徹底的に鍛え上げたり、陸軍中野学校も真っ青のスパイ養成機関をこっそり作ります。

「そんなの法律が許さない」とかヌルイこと言ってる場合じゃないんです。

 兵法というのは詭道なんです。法律なんぞ無視して国民を護るためには手段は選ばないという目的遂行のためには無法も辞さずの非常な決意が必要なんですよ。

 だからといって、私は核兵器とか持つべきとは言いません。

 核武装するということは国際的にも睨まれる。日本にそういう力を持たせたくない国は多いでしょう。

 それよりも、日本にしかできない技術を利用した方がいい。

 例えば、病原菌を撒き散らす。そして、「降参すれば薬を挙げますよ」って具合にすれば無駄に争う必要がないでしょう?

 汚い? い~や、結果的には最も綺麗に決着がつきますよ。

 銃や爆弾を使って戦えば、なかなか決着もつかずに大量に死傷者が出るでしょう。

 汚いやり方でも結果が良いなら、そっちがいいと私は思いますね。

 戦国時代も兵糧攻めってあるじゃないですか? 敵の城に人夫に化けて入り込んだ忍者が井戸に毒入れて簡単に制圧したという話もあります。

 汚い? い~や、戦争を効率良く勝つためには当たり前の手段ですよ。

 何か、私は政治家とか評論家が唱えている国防論とか聞いていると、ほんっとに、頭が悪いな~と思うんですね。

 戦って勝つ気があるのか?と思いますよ。

 今の日本が軍備を進めたところで戦争なんかに耐えられる道理がないですよ。

 だって、戦う準備をして生活している日本人が何人いますか? 戦闘の意識のない人間に戦い方を教えたって、実際にできますか? 戦う気力も技も持たない人間を戦場に送り出して殺し合いさせる・・・その非道を考えて国防の論議をしてもらいたいですね。

 かつて、三島が自衛隊に決起を促した時に誰も相手にしなかったのは何故か? 簡単に言えば、自衛隊に入ったのは安定した生活ができるから・・・程度のサラリーマン的考えしかなく、国防の礎になろうとする意識のある人間は皆無に近かったからじゃないですかね~?

「自衛隊を国軍にしろ」と言う論議も、隊員の意識を変えないとダメだと思ってるからでしょう。

 そういう点からすれば、クビを覚悟して尖閣諸島の漁船体当たり映像を流出させた海上保安庁の彼は、何だかんだ言われても日本のためを考えて行動したのは間違いないでしょう。

 しかし、そういう人達が報われないのが今の日本ですね・・・。


 中国武術史上最強と呼ばれた李書文は、あまりの強さに尋常の勝負では誰も太刀打ちできないことから、試合で殺された者の身内に仇と狙われて毒殺された・・・と伝えられます。

 幕末から明治にかけて活躍した山岡鉄舟は、暗殺された清河八郎と親友だったり、不穏な時代で生死をかけた斬り合いが日常的であった時代に、一人も殺すことなく剣聖と崇められました。

 武術とは兵法です。兵法は戦場で勝利する法を解くものです。

 李書文は兵法家として優れていたけれども、日常の場を戦場と勘違いしていたから恨みを買ってしまった・・・。李書文公の技芸を学んだ者の一人として残念です。

 戦場でない場では、兵法は平法に変わります。

 平法とは無益な戦いを避けることを第一の目的とします。戦えるけれども戦わない。それが平法です。

 戦国時代に興った天真正伝香取神道流の開祖、飯篠長威斎は、武術は平法であると説いています。香取の技は門外不出とし、武技をもって立身出世しようとすることを戒めたそうです。

 新陰流の開祖、上泉伊勢守は、稽古や試合で命を落とすことのないように蟇肌撓いと呼ばれる割り竹に革袋を被せて漆を塗った竹刀の原型を発明しています。

 戦国の世に生まれた彼らが、武術は兵法よりも平法であると説いたことの意味は大きいでしょう。

 武術は人を殺すためのものではなく、自分の命を護り、同時に敵の命も奪わずに恨みを残さないことを本分とする・・・という認識があったのでしょう。

 しかし、今日、武術は単なる格闘の技術だけのものと解釈され、あまつさえ、「型ばっかりで時代遅れの使えないもの」という不当な低い評価をされています。

 だからこそ、スポーツや介護技術に役立った・・・という副次的な転用効果ばかりが注目されてきました。

 まったく、武術のブの字も解っていない専門家によって、大きな誤解と無理解が広まるばかりです。

 命を捧げて武術を追及してきた先人には何と恥ずかしい事態だろうか?と思います。


 武術の目的は敵に勝利することです。が、その勝利する内容が問われるのです。

 一時的な目先の勝ち負けを求めても意味がありません。

 本当の勝利とは敵対する者がいなくなる無敵の境地に達することです。

『カンフーハッスル』で、チャウ・シンチーは、この武術の神髄をよく表現していたでしょう。

 圧倒的な技量を見せつけて最強の敵、火雲邪神に敗北を認めさせた主人公は、火雲邪神に弟子入りを頼まれて受け入れてやるのです。

 このようなシーンは、古来から武術の大家にはよくある話です。

 柳生石舟斎が上泉伊勢守に弟子入りしたシーン。善鬼が伊藤一刀斎に弟子入りしたシーン。

 私にすら似たようなことは何度かありました。が、私はまだまだ敵が多過ぎるので未熟千万。比較するのも愚かでしょう。

 しかし、青木先生と親交が深まるにつれ、やっぱり、武術を単なる戦闘術のレベルでだけ追究していたら意味がないと思うようになってきました。

 それまでも文化芸術の分野で国際的に活動されている一流の人達に何人も出会っていましたが、私は心の中で随分、引け目を感じていたんですね。

「俺は所詮、武術しかできない。人のぶっ殺し方ばかり喜々として研究している変態だからな~」という劣等感が凄く強かったんですよ。

 けれども、最近は段々、変わってきました。

「毒も薬に転用できる。武術も武医同術、活殺自在の精神と技術があるではないか?」と思うようになり、また、武術の平法としての考え方は、現代の国防論議とは別の道筋を見つけ出す平和への叡知となる・・・と思えるようになってきたからです。

 結局、争いの根っこは何か?というと、心の問題です。

 ならば、対立を生み出す心を、共感を生み出す心に変えていけば、争いは必然的に消滅していきます。

 昨年、日本バッシングで揺れる中国に、いつもセミナーで使わせてもらっている江古田ストアハウスの経営団体であるストアハウス・カンパニーのメンバーが公演に行ったそうです。そして、非常に暖かい評価を受けて無事に帰って来られたそうです。

 同時期に、TVのニュース番組で、日本のアニメや漫画に熱狂する中国のオタク世代の様子を見せてくれていました。

 本当に優れた文化芸術は、国家の思惑やイデオロギーの対立をいとも簡単に超えて、人の心を繋いでいくのです。

 考えてもみてください。

 鬼畜米英と呼んで憎悪していた国を、戦後世代の我々は憧れと親しみで見ています。

 これは、戦後の教育と共に、映画やTVドラマによって広められた米英の文化への共感が根底にあるでしょう。

 それは、それまでの日本にはないスタイルだったことが大きいのではないでしょうか?


 本当に良いものは誰が見ても良いと認めるものです。かつて日本経済が繁栄したのは、良いものを作って売ったからなのは疑う余地がありません。

 今、日本は問題が山積みになっていますが、それは日本の良さをアピールすることを怠ったツケではないか?と私は思います。

 勤勉、我慢強い、努力家・・・といった日本人の特徴とされていた気質が根こそぎ奪われるかのように、日本人は自信喪失させられてきています。

 自分の子供を虐待死させたり、さしたる理由もなく通り魔事件を起こすひ弱な精神の人間が増殖しつつあります。

 こういうことをやる人間は、自分を恥ずかしいと思う感覚が無いのでしょう。

 根本的には国を良くするには国民の質を良くすることしかありません。その意味では子供手当は悪いことではないでしょうが、それよりも教育の内容をもっと考えていくことが必要だし効果的だと思うのですが・・・。

 まあ、ないものねだりしても仕方ないから、私は私で武術指導の中で教育的意味を探ってみようか?と思っています。

 結局、武術の技を真剣に追究すればするほど、人を効率よく殺す技能にしか行き着かないのですね。

 それでは、身の破滅ですよね。

 重要なのは、そういう技術を体得した上で、自分はどう生きていくのか?という展望をきちんと持つことですよ。

 私は、そういう生きるための武術を追究していきたいですね。

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著者プロフィール

yusinryu

Author:yusinryu
長野峻也(ながのしゅんや)。武術研究家。游心流武術健身法主宰。
武術指導、アクション殺陣指導致します。映画等のコラムも書きます。
関係者の方、ご連絡をお待ちしております。
yusin_mail_from2006
@yahoo.co.jp

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